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次世代DVDはHD DVDだけ (第2回) 米国の映画スタジオがHD DVDを待ち望む理由
次世代DVDはHD DVDだけ (第2回)
提供:株式会社東芝
http://www.toshiba.co.jp/hddvd/

2005年09月16日

HD DVDロゴはDVDフォーマットロゴライセンシング(株)の商標です。

HD DVDとは青紫レーザー光を利用してハイビジョン映像を長時間記録する大容量光ディスクだ。ではなぜいまHD DVDが必要とされるのか? それを聞き出すのが今回のテーマである。ワーナー・ホーム・ビデオの長谷氏の話を聞けば、待ったなし、HD DVD登場の必然性が見えてくる。

ワーナー・ホーム・ビデオ
シニア・バイスプレジデント ワールドワイド新技術事業担当
長谷亙二
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聞き手:遠藤 諭(アスキー)



HD DVDの6大特徴

  1. デジタル放送のハイビジョン画像をそのままのクオリティで収録できる大容量!
  2. 100インチの大画面でも高精細な画像!
  3. 従来のDVDと同じ構造を採用したことによる高い信頼性!
  4. パッケージに新しい価値を加えるインタラクティブ機能!
  5. フィルムの粒子感まで再現するFGT(フィルムグレインテクノロジー)!
  6. 映画館の感激を家庭で楽しめるホームシアター、ビデオライブラリーに最適!!






ハリウッド映画より
野球中継のほうが高画質!?

[遠藤] 次世代DVD=HD DVDの登場をコンテンツホルダーはどう見てるのか。今回はそこを映画会社の方に聞いていきます。最初にボクの印象を話しておくと、まず次世代光メディアを推進しているのは日本の家電メーカーだというイメージが強いんです。技術主導のメディアという印象ですね。いっぽうアメリカの映画会社は、出てきたモノを見て「ウチで使ってあげてもいいよ」と選別しているみたいな(笑)。

[長谷] 日本から見ているとそう思えるかもしれませんね。でもその認識は違いますよ。むしろ次世代DVDへの移行を急ぎたいのは映画会社のほうかもしれない。ここ数年の状況の変化に対してハリウッドは相当の危機感を持ってますから。

[遠藤] 状況の変化というのは?

[長谷] ひとつはテレビ放送の急速なデジタル化です。ご存知かと思いますが、アメリカでは2008年12月までにアナログ放送を停波という方向で審議されています。(編集部注:2006年12月停波の予定だったが予定を変更、現在停止時期を審議中)。もうひとつは予想を超えるテレビの大型化です。

[遠藤] アナログの停派は日本では2011年ですから3年早い。

[長谷] 実感としてはアメリカは、日本より5年以上早く動いている感覚です。すでに25インチ以上のすべてのテレビにデジタルチューナの搭載が義務づけられていますし、デジタルの普及率はどんどんあがってハイビジョン番組も増えている。 そして、これを大画面で楽しむ視聴者がどんどん増えている。

[遠藤] ということは?

[長谷] ニッチとはいえ一部の視聴者がそろそろ気づきはじめてるんです。これまではテレビ放送よりDVDの映像のほうが画質が上だった。だから映画のDVDをコレクションする意味もあった。でもデジタル放送になって、DVDの映画よりテレビのデジタル放送の野球中継のほうが大画面ではナントきれいに見えてしまう(笑)。

[遠藤] これまでパッケージメディアは放送より高画質だったのに、瞬間的な逆転が起こってる。

[長谷] そう。だから我々は急いでるんです。現在のDVDとはある期間は並存するのですが、最先端の部分ではもういちどテレビ放送の画質を追い越さなきゃいけない。映画ってやっぱり美しい。HD DVDはすごい。それを改めて実感してもらいたいものです。我々の貴重な資産である映画のバリューがディスプレイレベルで落ちちゃいますから。

[遠藤] なるほど。日本の家電メーカー対ハリウッドという図式ではなく、放送対大画面デジタルTV対パッケージという、3軸でのメディアの進化が背景にある。そのなかで必然的に次世代DVD=HD DVDの登場が望まれているということですね。

HD DVDの映像はここまで鮮明だ!

HD DVDのハイビジョン映像は細部までにじみもなくクリアに再現。光のあたる苔の先端部やバックの光のボケ具合などディティールの再現力が格段に向上している(同一のソースをハイビジョン映像とSD映像とに変換しているためSD映像の方が左右がつまって見える)。




大画面化がHD DVDへの移行を後押しする

[遠藤] アナログのテレビ放送は50年も続いた映像文化です。それがまもなくデジタルハイビジョンにすべて切り替わる。この移行の意味が、日本ではまだちゃんと理解されていないと思うんです。ただ映像がきれいになるだけ。そう思われている。でも映像がきれいになると体験の質が変わってくる。どこかに画質の臨界点があって、そこを超えるとただの映像情報だったものが肌身の体験に変わってくる。そんな気がしています。

[長谷] それは画質だけじゃなく、画面サイズとの相関でしょうね。DVDが発売された当時、テレビの画面サイズは21インチから25インチでした。そのサイズではVHSビデオ映像のアラが目立ちはじめていた。だから高画質のDVDになった。いまテレビは65インチまで大画面化しています。そうなるとDVDの画質が粗くなり始めているんです。だからスクリーンサイズによって、現在のDVDとHD DVDとは、ある期間並存すると思います。

[遠藤] それすごくわかります。ウチはいま42インチですけど、たまに近くで見てたりすると、映像のアラが目立つ。ふつうのテレビ放送はもう粗くてしょうがない。

[長谷] でしょう。大画面のハイビジョン映像ならばこれまでにない映画体験もできる。それがさきほど言われた新しい映像体験ということだと思います。テレビはどんどん大画面化している。どんなに名作映画をたくさん抱えていても、時代に合わせてメディアも衣替えしなくては売れなくなってしまう。これはもう時間との戦いです。だからすぐにでもHD DVDを立ち上げたいんです。

画面サイズと画質のカンケイ

20インチ程度の画面ならVHSでも十分だったが、30インチに近い画面サイズではDVDの画質が必要になる。画面サイズが40〜50インチ規模になるとDVDでも画像が粗く見えはじめ、HD DVDの画質が必要になる。




もういちどテレビ放送を画質で追い越さなきゃいけない。
映画ってやっぱり美しい。HD DVDはすごい。
それを実感してもらいたいのです。―長谷




HD DVDを選ぶ理由はDVDゆずりの「信頼性」

[遠藤] ワーナーはいま何本ぐらいの映画を持ってるんですか?

[長谷] ワーナー本社は約6500本の映画の権利を保有してます。『マトリックス』や『ハリー・ポッター』『ラストサムライ』といった最近の作品から、古いところでは『風とともに去りぬ』『カサブランカ』といった名作もワーナーですね。

[遠藤] あれ? 『風と共に去りぬ』はMGMじゃなかったですか?

[長谷] もともとはMGMですが、86年以前のMGM作品はワーナーが買い取っているんです。

[遠藤] なるほど。

[長谷] 映画以外に『ER(緊急救命室)』『フレンズ』などのテレビ向け作品も数万ものエピソードがあります。パッケージベースでも業界トップシェアと言っていいと思います。

[遠藤] 現状で世界最大の映画ホルダーということですね。そのワーナーが次世代光ディスクにHD DVDを選択した。最大の理由は何だったんでしょう?

[長谷] パッケージメディアとしての信頼性ですね。HD DVDは従来のDVDと同じ構造ですから、生産設備もふくめて既存のものを活用できる。現行技術を使えるということは信頼性が高いということです。世代移行のストレスが少ない。一般ユーザーと同様、映画会社にとってもそれは重要な条件ですから。

[遠藤] HD DVDで追加された新機能についてはどうでしょう? たとえばインターネットに対応する機能が追加されてますね。映画会社側で新機能を活かすアイディアは出てますか?

[長谷] ビデオがDVDになって変わったことのひとつは、それまでお蔵入りしてした資料の価値が再発見されたことなんです。編集段階でカットされた未公開シーンやNG集、オリジナルの絵コンテ、制作スタッフのインタビュー。そういう大量の関連資料がDVDで再活用されることでバリューを持つようになった。今回のHD DVDではネットワーク機能が追加されています。これは現在形の関連情報をユーザーに提供できるということです。たとえば監督や俳優の作品リストは最新のものをリアルタイムで提供できる。関連商品のサイトにジャンプしたり、最新関連作の予告編を見せることもできるでしょう。そういう意味でまた新しいバリューが生まれるんじゃないでしょうか。

[遠藤] HD DVDでとくに注目すべき新機能というと、他には何がありますか?

[長谷] ちょっとマニアックな機能としてフィルムグレインテクノロジー(FGT)があります。これはなにかというと、映画フィルムの粒子感を再現するテクノロジーなんです。映画はデジタルになって確かにキレイになったけれども、どうもカキッと鮮明に見えすぎる。映画監督のなかには映画館で見るフィルム映像のざらつき、粒子感を残したいという方がおられる。FGTを使うと、デジタル映像だけどもデジタルっぽい画質ではない、映画館で見た映像に近い質感が得られる。つまり映画館の体験をそのままハイビジョンにするテクノロジーなんです。

HD DVDのマニアックな新機能!
フィルム映像の質感を再現するFGT(フィルムグレインテクノロジー)

デジタル映像にフィルムグレイン(フィルム特有の粒子感)を再現する技術がFGTだ。通常のデジタル化のプロセスでは、フィルムグレインはノイズと認識されてフィルタがかかる。FGTでは独自のアルゴリズムでフィルムグレインを再現。劇場で見た映像のしっとりした質感まで表現する。最初から粒子のないビデオ映像やCGに粒子感を加えることもできる。

誌面ではわかりにくいかもしれないが、エンコードの際にフィルムグレインが失われているFGTなしに比べ、FGTありでは フィルムグレインがシミュレートされ、劇場で見たフィルムの質感、フィルムらしさが表現されている。【Thomson FGT demonstrationより(画像提供:Thomson)】
FGTなし
FGTあり
上記画像の8倍拡大



映像がきれいになると体験の質が変わる。
どこかに臨界点があって、そこを超えると
ただの映像情報だったものが
肌身の体験に変わってくる。―遠藤

株式会社アスキー
月刊アスキー編集主幹 遠藤 諭

1980年代よりパソコン雑誌の立場でデジタルがどう変化してきたかを肌で体験してきた。いま注目しているテーマは、激変中の秋葉原とテレビの未来。




家庭の本格映像時代はHD DVDで幕を開ける

[遠藤] 最近の映画業界でのデジタル化の取り組みについて話を聞かせてもらえますか?

[長谷] 本格的に作品のデジタル化がはじまったのはDVDを開発し始めた頃からです。ワーナーはDVDのときも他社にさきがけて発売したくらいで、当時からデジタル化には非常に積極的でした。現在はとにかく映画に関わる全フェーズでデジタル化が進んでいますね。フィルムレスのHDカメラでの撮影、みなさんよくご存知のCG合成、編集作業のデジタル化、さらにはフィルムにしないで劇場にもっていくデジタル伝送までデジタル化を進めています。

[遠藤] 古い作品もほとんどデジタル化されてるんですか?

[長谷] 作品本編、基礎データのデジタル化はほとんど済んでいるようです。ですからこれから出てくるHD DVD、あるいは光ファイバ、さらには携帯電話への映像配信といった、いろんな変化に即応できる体制は整ってきてますね。

[遠藤] そういうさまざまなデリバリーの形態が見えてきたなかで、HD DVDの位置づけというか、期待する部分はどこなんでしょう?

[長谷] 原点は劇場の興奮を家庭に持っていくことですよ。大画面になって、ハイビジョンになって、映画館の感激をお茶の間に持ち込む環境が、ここにきてさらに進化している。ネットワーク配信というのもありますが、実際にはまだ家庭側でのインフラが整備されていない。大画面テレビにLANが繋がっている家庭はまだまだ少ない。そういう意味でHD DVDのほうが現実的で安定したメディアでしょう。

[遠藤] ホームシアターはHD DVDで本物になる?

[長谷] そう。そして本格的な映画ライブラリーを家庭につくってもらえる。それが我々の期待です。アメリカ人はビデオライブラリーが好きなんですね。友人宅にいくと、ちょうど日本の家庭の本棚に文庫本がならんでいるように映画のライブラリーがある。映像と暮らすライフスタイルが根付いてる。そういうライフスタイルもふくめて、日本でも家庭における本格映像時代が到来する。そのきっかけとなったメディアがDVDだったのであり、そして約10年を経て今、さらなる成長・進化がなされたのが、HD DVDだと思っています。

HD DVDならではのインタラクティブな付加機能!

HD DVDではメインの画像に重ねてサブストリームと呼ばれる別の動画像を表示する機能をサポート。デモ画面では、CG画像に実写のコメンタリー映像を重ねている。このほか、インターネットに接続して監督や俳優の最新の情報を表示したり、本編の画像を利用したゲームなども実現できる。

【サブストリーム】本編の映像に別の映像を重ねて表示できる。
【インターネットへ接続】インターネットに接続して関連商品を購入することも。
【ゲームなど】本編の映像や音楽を使ったゲームなども楽しめる。



【インタビューを終えて】
HD DVDがなぜ必要なのか、新聞や雑誌によくある技術の解説よりも、俄然、スッキリ分かってしまった。体が大きくなったら、服も大きくないといけないだろうという、シゴク納得できるお話なのだった。しかも、我が子(映画会社にとっては映画作品ですね)のことだから、まじめにどうやっていくのか考えている。いい感じでHD DVDの美しい映像を堪能できたインタビューだった。




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