ソニーのCLIE撤退などPDA不況が続くなかも、各社から春モデルはそこそこリリースされたんです。なかでもマイタックジャパンの『Mio 168 RS』は、個人的には久々に心ときめいたマシンです。
「PDAって何ができるの?」という問いに対し、まず“個人情報の管理(PIM)”機能が基本として挙がるわけですが、何万円も出してそれだけというわけにはいかない。で、「ほかに?」となると、インターネット、動画再生、ビューアー機能などがありますが、いずれも“中途半端に”または“あれこれ工面して”と小声で加えたうえで“できる”とせざるを得ないのが実情です。
iPodなんかは付加機能をうまく統合して発展してますが、それは音楽プレーヤーとしての基盤がしっかりしていたからで、結局PIM機能にPDAの“屋台骨”は務まらなかったことになるのでしょう。
しかし、Mioには“GPSナビ機能”という、ほかのPDAにはない大きな“基本機能”があります。
Mio 168RSには1GBのSDカードが付属し、ここに日本全国の地図が収められています。ナビソフトはSDカードを本体に挿すと自動でインストールされます。PCと接続せずに、買ってスグGPS端末として利用できるわけです。ポケットPCのPIMはPCと連携しないと使い物になりませんが、Mioは自立心が強い! メーカーの方いわく、非PCユーザー層の需要を見込んでの仕様とのことですが、PCユーザーにだって便利なことこのうえない。実際、私もMioを一度もPCに接続していないのであります。
ナビ機能を使ってみての感想ですが、非常にシンプルでマニュアルを読まなくても直感的に操作できました。カーナビ用と徒歩ナビ用のモードを備え、切り替えることでGPSの感度が変わるのですが、有料道路や一方通行などの情報も更新され、ルートが変更されるというスグレモノです。さらに音声ナビまでしてくれるんですよ! これをもってしまうと、もう「クルマの中でしか使えないカーナビなんて、コストパフォーマンス悪ぅ!」って感じです。
……とかいうと、スグPDAの天敵、携帯電話がしゃしゃり出てきて「こっちにゃE○ナビウォークがあるもんね〜」とかいってくるわけですが、ハッキリいって使い勝手はMioのほうが断然上です! なんといってもローカルに地図をまるごともっているのが強い。いちいち読み込まないので、あらゆる操作においてレスポンスが段違いなのです。さらに画面が大きい、通信費がかからないといったメリットもあります。
こういったわかりやすく、かつ本格的な単機能をもったPDAこそが、風前の灯火となった同市場に残された最後の希望の光と感じています。実売で7万円台半ばと少々値は張りますが、方向音痴な方には手放せないアイテムだと思いますよー。
(週刊アスキー編集部・矢崎飛鳥)