ADSLが爆発的に普及したおかげで、家庭でも“インターネットはブロードバンド接続”で“常時接続”が当たり前という時代になった。「PCの電源を入れている=ネットに繋いでいる」なので、いつでもインターネットにアクセスできて便利になったのだが、同時に「いつでも他人のPCからアクセスできる」ことも肝に銘じておかねばならない。企業だけでなく個人ユーザーもセキュリティ意識を持たねばならない時代になっているのだ。不安を煽るような書き出しになったが、そう心配することはない。外部アクセスからPCの守り、簡単かつ手軽に導入できる便利な周辺機器「ブロードバンドルータ」が存在するからだ。
ブロードバンドルータと聞くと、1つのインターネット回線を複数のPCで共有するための装置と思われがちである。だが、ブロードバンドルータは同時に外部からの不正アクセスをシャットアウトする門番のような機能を持っている。つい最近話題になったワーム(ウイルス)「Blaster」も、ブロードバンドルータを導入していれば「最近TVでBlasterって騒いでるけど、何それ?」とまったく被害なしで済んだのだ。例えPC1台しかインターネットに接続していないご家庭でも、セキュリティ機能のみを目当てに導入する価値が十分ある周辺機器なのである。ここでは、実際に有線LAN用と無線LAN用のブロードバンドルータを使って、基本機能やセキュリティに関する解説、および設定手順などを説明しよう。サンプルとして使ったのは、バッファローの有線LAN用モデル「BBR-4HG」と、無線LAN対応モデル「WHR2-G54/P」の2製品だ。
セキュリティの話から入ったが、ブロードバンドルータの主たる機能は「1つのグローバルIPアドレスを複数台の機器で利用できるようにする」ことだ。IPアドレスとはインターネット上でアナタのPC(ネットワークアダプター)の“住所”を示す番号で、グローバルIPアドレスはプロバイダから割り当てられる“世界でただ1つの住所”である。つまり、あるグローバルIPを指定して情報(信号)を送信すれば、必ず同じPCへと届くわけだ。
通常、1つのIPアドレスは1台のPCにしか使えないが、ブロードバンドルータを使えば複数台のPCで共有できるようになる。例えて言うなら、ブロードバンドルータがマンションになり、1号室に“A”、2号室に“B”……でも出入り口はみんな同じということである。出入りする信号は、Aさんが閲覧しようとしたサイトのデータならちゃんとAさんに届くように、ブロードバンドルータが管理しているので、ブロードバンドルータなしで直接接続している場合と使用感は変わらない。
ブロードバンドルータの性能を表す指標として「スループット」がある。これはブロードバンドルータの処理速度を示す数値で、出入り口の門の広さを想像すればいい。光ファイバー(FTTH)のような高速な通信回線でも、家に入る手前の門が狭ければ出入りするデータが詰まってしまい通過するのに時間がかかる。せっかく高速回線も無駄になってしまうわけだ。ちなみに、今回紹介している2製品は、どちらも有線接続での実効スループットが96.5Mbps(メーカー公称値)と光回線(理論最大値100Mbps)の実効値では最大のもので、スループットへの心配は無用だ。