アスキー PC Explorer 2002年4月号 2002年2月20日
B5サブノートを中心としたラインナップでコアユーザーに根強い人気の松下「Let's note」シリーズ。2001年夏以来久々のラインナップ更新となるこの春モデルでは、ジャストB5サイズの新設計モデル「Let's note PRO R1(ネット販売および法人向け)/Let's note LIGHT(店頭販売向け)」が登場した。これまでのLet's noteのイメージを打ち破る斬新な本機だが、従来どおり「モバイルでの使いやすさ」には強いこだわりを見せている。
新規デザインのスリムボディ
生まれ変わったB5サイズLet's note
Windows XPが登場した2001年秋モデルでは「人」の新機種のみ追加された松下電器産業だが、2002年に入ってついに看板シリーズである「Let's note」の新ラインナップが発表された。今回のモデルチェンジでは、B5ファイルサイズ「CF-A2」をベースとして、ポインティングデバイスにLet's noteシリーズの象徴ともいうべきトラックボールを採用した「Let's note TB(CF-A3R8CXR)」と、ジャストB5サイズの新設計マシン「Let's note LIGHT(CF-R1RCXR)」の2モデルがラインナップされた。本稿では、従来のイメージを一新するデザインを持つLet's note LIGHT(CF-R1RCXR)を紹介する。
なお、松下電器産業のECサイト「パナセンス」では、法人向けに販売されているモデルのオンライン販売も行なっているが、今回発表された2モデルに関しては、「Let's note PRO」の名称で販売される。今回紹介するLet's note LIGHTは、法人向け/ネット販売モデルでは「Let's note PRO R1(CF-R1RWXP)」となっている。本モデルには、ネット販売専用のカスタマイズモデルも用意されるが(詳細は後述)、基本仕様は店頭モデルとまったく同様となっている。
第一印象からして、2001年に発売されたCF-A2やCF-B5、そしてそれ以前のLet's noteシリーズとは異なる新モデルだが、今回は任天堂の家庭用ゲーム機「GAMECUBE」にDVDプレーヤ機能を追加した松下製互換機「Q(キュー)」のデザイナーがデザインを担当したとのこと。ホワイトシルバーを基調とした本体は、従来のものよりもよりポップで親しみやすい雰囲気を持っており、全体に「Q」にも通じるデザインセンスを感じさせる。
ジャストB5サイズのLet's noteには、2001年5月に発表されたトラックボール搭載機の「CF-B5XR」があるが、マグネシウム合金製ボディや液晶パネルのガラスを極薄成型にし、ポインティングデバイスにトラックパッドを搭載したことや新開発の高容量セルを用いた新バッテリの採用など、徹底して薄型・軽量化を推し進めることにより、本体サイズは240(W)×183(D)×23.5(本体前部)/37.2(後部)(H)mm、重量は1kgを切り960gとなっている。この重量は、同じB5サブノートにカテゴリされる日本IBM「ThinkPad s30」(1.45kg)やソニー「PCG-SRX7E/P」(1.26kg)はもちろん、ミニノートであるソニー「PCG-C1MRX」(998g)よりも軽い。前述の機種の中には無線LAN内蔵ノートもあるが、それを踏まえても、本機はB5ノートとしてはダントツの軽量さといえる。
薄型・軽量化が一気に進んだ本機だが、松下が以前からLet's noteのテーマのひとつに挙げている「本体の丈夫さ」は、本機でももちろん十分考慮されている。本体天面(液晶パネル裏側)につけられている凹凸は、デザイン上のアクセントにもなっているが、これは自動車のボンネットからアイデアを得たもので、凹凸により極薄マグネシウム合金板の強度をアップしている。また、HDDには、松下の法人向けノートPC「PRONOTE FG」シリーズに代々採用されている衝撃吸収材カバーが取り付けられており、落下などの衝撃にも強い設計となっている。製品の無破損・無故障を保証するものではないが、松下が行ったテスト(本体未動作時試験)では高さ30cmから落下にも耐えるとのことだ。
17.5mmピッチのキーボードと
独特の円形デザイントラックパッド
ほかのマシンではあまり例を見ない円形トラックパッドは、マウスポインタを斜め方向に動かす距離が短いことに最初はちょっと戸惑うかもしれないが、筆者の個人的な感触では、使っているうちにすぐ慣れる範囲だと感じた。また、他機種のパッドと同様にスクロール機能が装備されている(CF-A2などと同じくSynaptics製ユーティリティを採用)。円形になっていることから、上下左右のスクロールがやりにくいのではと危惧されるかもしれないが、画面のようにユーティリティ上でスクロール用エリアが広く設定されているため、上下スクロールは円形パッドの右側1/3程度のエリア、左右スクロールは下1/4程度のエリアをなぞることで可能となっている。ただし、デフォルトではオフになっているパッド四隅タップによる特殊機能は、パッドの形状からも分かるとおり、単純に機能をオンにしただけでは使用できず(タップエリアが実際のパッドの外側になってしまう)、タップエリアをユーザー自身が変更する必要がある。
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Synapticsのトラックパッドユーティリティ。スクロール動作エリアは標準的なノートPCよりも広めの設定となっており、円形パッドでも問題なく上下左右スクロールが利用できる。 |
キーボードは、ジャストB5サイズの筐体サイズのノートとしてはトップクラスの17.5mmピッチを誇る(アルファベットキーおよび数字キー部分)。B5ファイルサイズのCF-A2やCF-A3シリーズでは、文字キーがほぼ均一のピッチになっているが、サイズは17mmと本機よりも若干小さい。本機では中央部17.5mmピッチを実現するため、キーボード両脇の筐体部分を非常に薄く成型しており、筐体幅ギリギリまでキーボードという印象だ。ただし、キーボード右側部のカーソルキーや記号キー周辺はキーピッチがかなり狭くなっている。キーストロークは2mmとサブノートとしてはまずまずの値で、プラスチック製パンタグラフながら、十分なクリック感のあるキータッチだ。アルファベットと数字キーがかなり余裕のあるピッチになっていることも合わせると、キー入力の快適さが犠牲になりがちなミニノートやB5ノートの中でも、非常に快適なレベルと言えるだろう。
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キーボード右側部分の拡大。17.5mmピッチが確保されているアルファベットおよび数字キーに比べると、カーソルキー周辺はかなりキーピッチが寸詰まりになっている。BackSpaceキーも小さめ。 |
省電力への徹底したコダワリ
内部はすべて3.3V駆動
従来のLet's noteから大幅にイメージチェンジした本機だが、内部設計のブラッシュアップも充実している。
CPUは超低電圧版Mobile Pentium III-M-700MHz、メモリは128MB(最大256MB、増設メモリはMicro DIMM)、HDDは20GB、ビデオチップはSilicon MotionのLynx 3DM+(ビデオメモリ4MB)、チップセットは440MXとなっている。このあたりのスペックは特に目新しいものではなく、ビデオチップやチップセットはむしろやや世代遅れな感もあるが、本機に採用されているチップ、パーツ類はすべて「3.3Vで駆動する」ことが必須条件として選択されている。従来のLet's noteでは、内部のチップやパーツは3.3V駆動と5V駆動のものが混在していたそうだが、内部部品をすべて3.3Vで統一することにより、総合的な低消費電力化を図っているのである。ビデオチップやチップセットには本機に搭載されているものよりも高性能のものももちろんあるわけだが、松下によると、低消費電力という面に注目して選定した場合は、前述の組み合わせが現段階ではベストとのことだ。開発にあたりネックになったのが5V駆動のものしかなかったHDDだということが、これについてはHDDメーカーと共同で3.3V駆動の製品を開発し搭載してきている。
前述したように、本機のバッテリは高容量セルを用いた新開発のもので、4セルで4400mAh/7.4Vの容量を持つ。バッテリ駆動時間はカタログ値で6時間(JEITAのバッテリ駆動時間測定法による)となっており、外寸が本機のバッテリよりも大きい6セル・4000mAh/11.1Vのバッテリを搭載したCF-A2(自社基準で6時間)やCF-A3(JEITAの測定法で7時間)と比べても遜色ない。これこそが、内部パーツの総3.3V化による恩恵で、省電力設計にこだわったマシン内部のブラッシュアップの成果がはっきりと出ている。
拡張ポート/スロット類は、USBが2ポート、TypeII×1のPCカード、そしてSDカードスロットを装備する。光ディスクドライブを内蔵しないサブノートPCなので、高速なデータ転送能力が必要なCD-R/RWドライブやDVD-ROMドライブなどを接続するためにもIEEE1394やUSB 2.0ポートなどを持たせてほしいところだが、本機の筐体サイズではポート類やコントローラチップの設置スペースに限りのあるので、このあたりはサイズとのトレードオフと割り切るしかない。なお、外部モニタ出力端子は小型の専用タイプで、変換ケーブル(オプション)を利用してモニタと接続する。
通信機能は、モデムおよび10BASE-T/100BASE-TXのLAN、歴代Let's noteが搭載している携帯電話/PHS専用通信ポート「ワイヤレスコムポート」の3種類を装備する。無線LANやH”INといった無線通信機能は店頭モデルのLet's note LIGHTには装備されていないが、液晶パネルの両脇に取り付けられた鏡面仕上げのシルバープレートの内側には無線LANやH”INのアンテナを埋め込むスペースが確保されており、法人/ネット販売向けのLet's note R1では、無線LAN/H”IN内蔵のカスタムモデルも用意されている。
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本体前面。ここには電源スイッチとオーディオ出力、マイク入力がレイアウトされている。背面にはポート類はない。 |
プリインストールOSはWindows XP Professional。プリインストールのアプリケーションソフトは従来のLet's noteと同様に少なく、オフィスアプリもプリインストールしていない。このあたりは「AVノートPC」と銘打ち、映像編集など多くのアプリを持つ「人」シリーズと大きく違う点だ。初心者向けのマシンでは、最初から様々な用途に対応するため入門者向けソフトを多数プリインストールしている場合が多いが、モバイル用途重視のサブノートを求めるユーザーはある程度のPCの使用経験を持つケースも多く、多すぎる「使わない」プリインストールアプリはあまり歓迎されない。製品コストも考えると、シンプルなソフト環境は中〜上級者にはありがたいポイントと考えていいだろう。
価格はオープンプライスで、実売価格は20万円を切り、18万円程度になると予想される。これまでのLet's noteに比べ、ルックスの面では非常に大きな変化を遂げた本機だが、外見だけでなく中身の作り込みやモバイル性能へのこだわりは相変わらずだ。店頭モデルである本機では、今話題の無線LANやH”INといったワイヤレス通信機能が搭載されていないのがやや残念ではあるが、小型軽量な本体と20万円を切る価格は非常に魅力的で、モバイル用途にヘビーに使いたい人へ強くおすすめできる製品だ。
無線LAN、H”INモデルもラインナップ
法人/ネット販売モデル「PRO」
冒頭にも述べたように、Let's note LIGHTは「Let's note PRO R1」の名称で法人向けおよびECサイト「パナセンス」での個人向けオンライン販売が行われる。パナセンスで購入できるLet's note PRO R1の特徴は、購入時に各種カスタマイズが可能な点だ。
カスタマイズ可能な箇所は、
- 無線通信機能……なし/無線LAN(IEEE802.11b、内蔵時の本体重量990g)/H”IN(5月発売予定)
- 液晶パネル両脇の金属カバーおよびパッド周囲の金属リングの色変更……基本色7+期間限定色5
- メモリ容量……128MB/256MB
- オフィスアプリのプリインストール……なし/Microsoft Office XP Personal/同Professional
- ネームプレート……プレートの材質、書体の指定
となっている。中でも、店頭モデルには搭載されていない無線通信機能が追加できる点がオンライン販売モデルの最大のメリットだ。
オンライン販売価格は、標準仕様モデルが18万800円から、無線LAN内蔵モデルが18万9800円からとなっている。製品発売は3月中旬予定だが(H”INタイプは5月予定)、2月20日よりオンライン予約が実施されているので、カスタムモデルに興味があるならこちらも要チェックだ。
| CF-R1RWXP(標準仕様)/CF-R1RCXRの主なスペック |
| CPU |
超低電圧版Mobile PentiumIII-M-700MHz
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| チップセット |
440MX
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| メモリ(標準/最大)/スロット数(空き) |
128MB/256MB/1(1)
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| HDD |
20GB
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| ビデオ |
Silicon Motion Lynx 3DM+(4MB)
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| 液晶サイズ |
10.4インチ
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| 表示解像度 |
1024×768ドット/フルカラー
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| キーピッチ、キーストローク |
17.5mm、2mm
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| 通信 |
モデム、LAN
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| サイズ |
240(W)×183(D)×23.5(本体前部)/37.2(後部)(H)mm
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| 重量 |
960g
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| バッテリ稼働時間 |
約6時間
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| 充電時間 |
約3時間(本体動作時、非動作時)
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| OS |
Windows XP Professional
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(ASCII24・内田泰仁)
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