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RADIDEN 【INTERVIEW】レトロなようで新しい、AMラジオが受信できるケータイの魅力はここだ
RADIDEN
ソニーエリクソン/NTTドコモ
オープンプライス
http://www.sonyericsson.co.jp/
http://www.nttdocomo.co.jp/


2005年12月7日

携帯電話機初のAMチューナー搭載機──RADIDEN

マーケティング担当の中根氏
RADIDENにはモノクロイヤホンが付属。ケーブル途中のリモコン部分で電話を受けることもできる

 “携帯で音楽”というのはいまや当たり前。しかし、なぜかAM放送が聴ける携帯電話機はこれまでなかった。そんな中登場したのが、NTTドコモの『RADIDEN』(型番:SO213iWR)だ。ラジオが聞ける電話だから“ラジデン”。そんな分かりやすいネーミングで登場したPDC端末だ。RADIDENの開発は、手のひらにすっぽりと入る超小型ケータイの『premini』(プレミニ)を手がけたソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)が担当した。

 黒塗りの外観は、premini譲りのサイバーで近未来的な印象だが、ボタンの多い背面やアンバーのシルク印刷はどこか1980年代風のレトロなイメージも感じさせる。「ラジオで青春時代を過ごした中高年層の方々へ、ラジオのノスタルジックなイメージを訴求していきたい」というメッセージがこめられたRADIDENは一体どんな携帯電話機なのか? RADIDENのマーケティングを担当しているソニー・エリクソンの中根隆行(なかね たかゆき)氏に聞いた。



RADIDEN前面
RADIDEN背面
AM、FM、テレビの3種類の音声が楽しめるソニー・エリクソンのRADIDEN。ラジオ機能は携帯電話機とは独立しており、機能説明も携帯電話機が白、ラジオがアンバー(琥珀色)に分けられている


簡単そうで難しい、ケータイとAMラジオの共存

[編集部] “RADIDEN”はひとことで言うとどんな携帯電話機ですか?

[中根] 世界初の3バンドラジオチューナー搭載の携帯電話機という非常にシンプルなコンセプトを持った商品です。今回NTTドコモさんとソニー・エリクソンの両社でAMラジオを携帯電話機につけることにトライしました。

AMチューナーを搭載した携帯電話機は、従来ありませんでした。普通に考えると「なんでAMを載せられないのか」と思うかもしれませんが、技術的なハードルは非常に高かったのです。携帯電話機能とラジオ機能をひとつの本体に纏め上げるために設計的な苦労が多数ありました。

[編集部] ソニー・エリクソンだからできた端末でもあるわけですね。

[中根] ソニーエリクソンはソニー(株)のグループ会社ですが、ソニーはもともとラジオに強い会社で、ラジオに精通したエンジニアも多数います。今回は携帯電話機初のAMラジオ搭載にトライしていこうということで、携帯電話用の3バンドモジュールを新たにソニーと協力して開発し、RADIDENに搭載しました。

新規ラジオチューナーの開発に際してはノイズ低減に苦労しました。ラジオを聴いている際に、携帯の着信があると「ビビビ……」とノイズが入ることがあります。元来AMラジオは外来のノイズの影響を受けやすいのです。2つ別々に使っていてもノイズの影響を受けるものを1つにまとめるためには苦労がありました。チューナーとアンテナの配置を試行錯誤しながら、ようやく製品化にたどり着きました。



サイバーにしてレトロなデザイン

[編集部] RADIDENを見たとき、外観はサイバーだけれどもどこかレトロさも感じさせる端末と思ったんです。背面(ラジオ側)のボタンなどがそう感じさせるのかも知れないですね。

デュアルフロント
背面から見ると、ラジオそのもの。それがRADIDENの特徴である

[中根] RADIDENの最大の特徴は3バンドラジオチューナーの搭載、とりわけ“AMラジオ”ですが、AMラジオのリスナーは40〜60代の男性が圧倒的に多いんです。つまり彼らに合った商品性が要求されるわけです。彼らが一番重視するのは操作性、分かりやすさ、そしてシンプルさです。ラジオに関しても「難解なものにしてはいけないな」というのが企画背景にあり、“デュアルフロントデザイン”という背面がポータブルラジオのようになっているデザインを考えました。

携帯電話機にこれまで搭載されていたFMラジオ機能はアプリを立ち上げて受信するのが一般的でしたが、専用のラジオボタンで操作するようにしてあります。外観も市販されているポータブルラジオとそっくりにしました。ボタンが7つあってキーの配置や機能、見た目も一緒です。いままでポータブルラジオを使っていたお客さんが、すんなりRADIDENに移行してもらえるようにデザインしてあります。

また、ラジオと携帯電話機の電源も別に設けてあります。携帯の電源をオフにしてもラジオ単体の受信機として使える。別々に分かれてるのも使い勝手のよい部分だと思います。

[編集部] なるほど。

[中根] RADIDENを開発するにあたって、ラジオの市場を調査しました。ポータブルラジオは年間230万台ほどの市場があるそうです。非常に可能性のある市場ではないかという判断をしたわけです。





団塊の世代は、
ソニーと同じ歩みで成長してきた世代でもある

[編集部] 携帯電話機にAMラジオを入れる利点は、どこにあるとお考えですか?

[中根] 製品導入に当たって放送局さんにもお話を伺う機会がありました。ラジオ番組はリスナーとの対話がメインで進みます。“ハガキ職人”という言葉があるように、昔ならハガキをポストに投函したのでしょうが、いまはほとんどのリスナーさんがメールでお便りを寄せてくるそうです。AMラジオの放送局は“リスナーさんとの対話”を大切にされています。放送局の担当者からは「番組を聞きながらiモードでメールを送信するというやり方も1台でできる。視聴者とラジオ局を近づける携帯電話機でもありますね」という感想をいただいてます。

[編集部] 最近、中高年向けの携帯電話機が話題になっています。らくらくホンとかツーカーSといった端末です。しかし、RADIDENは同じ中高年をターゲットにしながら、かなり異なるアプローチをされている印象を持ちました。

[中根] 私たちの考えとしては、使いやすさを前面に打ち出した商品性は必要ですが、いかにも高齢者に向けた分かりやすさ一辺倒の商品企画では、ターゲットとする年代になかなか受け入れてもらえないのではないかと考えました。だから最新の携帯電話機の流れに沿ったクールでかっこいいデザインを採用したわけです。

[編集部] 確かに1980年代テイストと近未来感が共存したデザインではありますね。

[中根] 弊社の調査ではメインターゲットとなる中高年の方々にはソニーファンが非常に多いことが分かっています。50歳の方を例にすると、ちょうど彼らが産声を上げた年に日本初のトランジスターラジオがソニーから発売されました。そして彼らが中学校に入るころにトリニトロンが市場に出た。社会人になったときにはウォークマン、32、3歳で8mmのハンディーカムが出てきて……という形で、人生のライフステージとソニーのプロダクトがリンクしてるんですね。これはあくまでも憶測ですが、それがソニーブランドへの親近感につながっているんじゃないかと思います。1980年代風のデザインが響くんじゃないかなと考えています。

[編集部] ラジオというと中高生のイメージもあります。深夜に受験勉強しながらラジオを聴くっていう文化は“いま風”ではないんでしょうか。一方で、中高年層の間で、深夜から早朝にかけての番組が静かなブームになっているとも聞きます。例えば、NHKの『ラジオ深夜便』という番組は“ゆっくりしゃべる”“懐メロをかける”といった内容が受けて、深夜帯に放送している番組としては考えられない高い聴取率を誇っているそうですね。

[中根] AMラジオというと野球、ニュース、株式など、比較的高い年齢層に向けた番組が充実しています。中高年の割合が高いのは昔からのようです。一方、携帯電話機のヘビーユーザーは若年層──10代、20代なんですね。携帯電話機にAMラジオが付くことで、若い方がラジオを聴き始めるきっかけになるのではないかと期待しています。



ラジオ+電話=ラジデン
ネーミングは「分かりやすく」

[編集部] しかし、RADIDENというのはストレートなネーミングですよね。

[中根] ネーミングに関しては社内で議論を重ねました。最終的にはソニー・エリクソンらしいクールな印象の名前にするか、RADIDENかで意見が分かれたんですが、ターゲットとするユーザー層を考えると、最終的にはやっぱりシンプルで分かりやすいものがいい。社内のラジオユーザーなどもラジデンのほうが分かりやすいよという意見でした。

RADIDENのパッケージ
RADIDENのパッケージ

[編集部] 新開発のチューナーを設計したという話がありましたが、AMの感度も良かったりするのでしょうか? 実は電車などでラジオは意外と受信できないものなんです。

[中根] 既存の製品と感度面での違いはほぼありません。AMラジオを聴いている人は“ドア横族”が多くて、柱に寄り添うようにして聞いているケースが多いようです。結構コツがあるんですよ(笑)。

[編集部] 中根さんは、これまでpremini(プレミニ)を初めとした企画端末のマーケティングを担当してきたということですが、中根さんにとってRADIDENはどんな端末でしょうか。

[中根] これは携帯電話機に限りませんが、一般的に言って、“あるカテゴリー”は成熟すると細分化するという傾向があります。RADIDENは成熟化しつつある携帯電話市場において、メインターゲットと機能をしっかりと絞り製品化をしたものだといえます。また、親会社のソニーと協力してラジオチューナーを新規開発するなど、ソニーグループの強みを生かしたソニー・エリクソンらしい製品だといえますね。

[編集部] 本日はありがとうございました。

(編集部・小林 久)




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