DIGITAL BUYER

Vodafone 904SH 一度使ったらQVGAには戻れない! VGAケータイの魅力
Vodafone 904SH
ボーダフォン/シャープ
オープンプライス
http://www.vodafone.jp/
http://www.sharp.co.jp/


2006年5月26日


シャープの「Vodafone 904SH」(バイオレット)。

 (株)シャープ製の「Vodafone 904SH」はメインディスプレーにVGA(480×640ドット)の画面表示が可能な2.4インチ“モバイルASV”液晶パネルを採用した携帯電話機だ。現在発売されている携帯電話で標準的なQVGA(240×320ドット)サイズのメインディスプレーと比べ、4倍もの精細な表示が可能となる。また、携帯電話の傾きを感知できる“モーションコントロールセンサー”やGPS機能を内蔵するのも特徴で、プッシュ型のコンテンツ配信サービス“Vodafone live! CAST”、非接触型ICチップにより小額決済が可能な“Vodafone live! FeliCa”など、ボーダフォンの最新サービスにも対応する。カメラ機能は光学2倍ズームや手ブレ補正に対応した320万画素CCDを搭載。サービスと機能ともに充実した、ボーダフォンのフラッグシップモデルといえる携帯電話機だ。

「Vodafone 904SH」の主なスペック
製品名 Vodafone 904SH
ディスプレー メイン:2.4インチモバイルASV液晶パネル(480×640ドット/26万色表示)
サブ:モノクロ液晶パネル(12×72ドット/1桁全角6文字)
カメラ 有効320万画素CCDセンサー
外部メモリー miniSDカード(別売)
連続通話時間 W-CDMA:約180分/GSM:約280分
連続待受時間 W-CDMA:約360時間/GSM:約350時間
本体サイズ/重さ 幅50×奥行き28×高さ104mm/約151g
本体カラー バイオレット/ブラック/ブルー


従来機より4倍綺麗なVGA液晶画面

904SH待受画像
903SH待受画像
同じ内容の画像を904SH(左)と、前機種である「Vodafone 903SH」(右)の待受画像としてそれぞれ表示した。斜め向きの線の滑らかさなど、違いは一目瞭然。
904SHトップ画面
903SHトップ画面
Vodafone live!のトップページを標準状態で904SH(左)と903SH(右)にて表示。904SHの方が文字サイズが小さく表示情報が多いながら、フォントの滑らかさや見やすさに優れる。特に“議員”といった漢字の細部表示の美しさには驚かされる。

 904SHの最大の特徴は、やはりVGA(480×640ドット)サイズの表示が可能なモバイルASV液晶パネルだろう。1インチあたりの画素数を表す解像度も、一般的な携帯電話機に搭載されている2.4インチのQVGA(240×320ドット)ディスプレーでは166ppiなのに対し、904SHの2.4インチディスプレーでは332ppiとなる。これは紙の印刷と同等レベルの緻密さで、肉眼ではピクセルを確認できないほど、滑らかで綺麗な表現が可能だ。

メール受信画面
メールの受信リスト画面では、画面が上下に2分割され、下の画面で本文の内容を確認できる。QVGA表示でも同様の機能を実現した携帯電話機はあるが、表示文字数の多さやフォントの滑らかさで、VGA表示の優位点が光る。
フォトフォルダー
“フォトフォルダー”では、一般的なリストやサムネイル表示に加え、プレビューと組み合わせたサムネイル表示に対応。解像度が高いため、QVGAサイズの写真をプレビュー表示すると、そのまま原寸で表示される。

 この緻密さにより、壁紙や写真の表示が綺麗なのはもちろん、小さい文字も見やすい。フォントも滑らかなので、長時間見ていても疲れない表示となっている。また、サムネイル画像などの小さい写真もより高精細に表示することができ、撮影内容がわかりやすくなっている。さらにVodafone live!では、一度に表示できる情報量が増えたため、スクロールの手間が減るなど使い勝手が向上した。操作や文字入力に対するレスポンスも、903SHなどこれまでのボーダフォン携帯電話機と比べても遜色ない速さで、ストレスを感じることはなかった。

色つきサイドボタンで操作が分かりやすい

サブディスプレー
昨今の2軸ヒンジ採用モデルとしては珍しく、サブディスプレーを搭載。
ビューワースタイル
ディスプレーを反転させることで、写真のような“ビューワースタイル”になる。側面にはminiSDカードスロットとイヤホン端子を搭載。
背面
デジカメ風スタイル
底面には光学2倍ズーム対応の有効320万画素CCDセンサーを搭載。またFeliCa決済でリーダーにかざすのもこちら側となる。サイドキーは右側面に集められており、デジカメ風スタイルでの撮影が可能。

 904SHの構造は、最近のハイエンドモデルに多い2軸ヒンジ搭載の折りたたみ型だ。このスタイルの利点としては、ディスプレーを反転(数字キーの上にメインディスプレーが露出する状態)させることで、折りたたんだままPDAのように操作できること。また静止画撮影時には電話機を横に構えて、デジカメのようなスタイルで撮影できるので手ブレも抑えやすい。ただ、この2軸ヒンジを搭載した携帯電話機の多くは、サブディスプレーを搭載していないほか、サイドのボタンが多くなりがちで操作が分かりづらい。しかし、904SHは小さいながらも時計を表示できるサブディスプレーを搭載するほか、サイドのボタンに目印となる色が付いており、画面上でもボタンの色で操作方法を示してくれるので、どのキーを押せば目的の操作ができるのか分かりやすくなっている。



ボーダフォンの新サービスに対応

 904SHでは、ほぼすべての新サービスに対応している。これまでシャープ製の上位携帯電話機が搭載してきた、携帯電話機の動きや傾き、方位を感知するモーションコントロールセンサーも強化された。従来、加速度は2次元方向(X、Y軸)のみの感知だったが、904SHに搭載されるセンサーでは新たにZ軸方向にも対応。上下方向の動きにも対応することで、たとえば携帯電話機を逆さにした状態でも利用できるようになった。

星座をさがそ
“モーションコントロールセンサー”により、携帯電話機がどの方向を向いているかを判別でき、その情報を使ったアプリが利用可能だ。画像は携帯電話機を向けた方向にある星座を見ることができるアプリ“星座をさがそ”。

 プレインストールされている対応アプリ“星座をさがそ”では、携帯電話機を空や地面(地球の裏側)へ向けることで、その方角に見える正座を表示させることができる。モーションコントロールセンサーの精度も良いためか、携帯電話機の向きを変えたときのスクロールは違和感なくスムーズだ。このほか、たとえばゴルフゲームで手に携帯電話機を振ってスイングしたり、釣りゲームで携帯電話機をルアーのように持って操作するといった遊び方も提供される。

ゼンリンいつもナビ
GPSにより位置情報を取得し、徒歩ナビゲーションもできる。画像は“ゼンリンいつもナビ”サービス(月額367円)。

 また、GPSによる位置情報機能を使った“Vodafone live! NAVI”を利用する地図表示サービス“ゼンリンいつもナビ”においても、現在地から目的地へのナビゲーションなどで表示する地図を、携帯電話機の向いている方角に合わせて自動回転させる機能が利用できる。

Vodafone live! FeliCa
“Vodafone live! FeliCa”のメニュー画面。

 携帯電話を電子マネーやポイントカードとして利用できる“Vodafone live! FeliCa”(月額315円)も利用可能。またセキュリティー機能として、携帯電話機を開いたときなどにインカメラを使った顔認証機能も搭載されている。電子マネーを利用するなど、携帯電話にもセキュリティーが求められているだけにうれしい機能だ。

Vodafone live! CAST
深夜にコンテンツが配信される“Vodafone live! CAST”(画面は著作権の関係で一部モザイク処理を施している)。コンテンツの閲覧時にネットワークへ接続する必要がない。
電子コミック
電子コミックコンテンツでは、ボタンを押すごとに1コマずつスムーズに表示される(画面は著作権の関係で一部モザイク処理を施している)。
デルモジ
“デルモジ”

 904SHは、雑誌風コンテンツがパケット代無料で夜間に自動配信される“Vodafone live! CAST”にも対応する。CASTで配信されるコンテンツは今のところ、総合エンターティンメント誌“yubio”、渋谷発のギャル情報誌“chu★rara”、マンガ、アニメ、フィギュアなどを中心とした情報誌“AkibaRun!”の3種類からひとつを選ぶ必要がある。現在はエンターティンメント系に寄ったラインナップだが、今後ニュースなどの実用的なコンテンツの配信にも期待したい。このほか、着信したメールの絵文字を3Dアニメーションで楽しめる“デルモジ表示”や、電話帳のデータを専用サーバーにバックアップできる“Vodafone Address Book”(月額105円)なども利用できる。

ミュージックプレーヤー再生画面
ミュージックプレーヤー操作画面。BGM再生や、本体を閉じたままでの再生にも対応する。

 音楽再生機能としては、Vodafone Live!でダウンロードできる“着うたフル”のほか、パソコンから転送した“SD-Audio”フォーマットの楽曲、AAC形式の楽曲再生にも対応する。

 SD-Audio形式の楽曲をパソコンからSH904に転送するには、パソコン側にあらかじめ転送ソフトを導入しておき、904SHとパソコンを別売りのUSBケーブルII(1260円)で接続する。転送ソフトとしては、SD-Audio形式での音楽配信サイト“MOOCS”(ムークス)で無償ダウンロードが可能な「MOOCSプレーヤー」や、松下電器産業(株)が販売している「SD-Jukebox」(3990円)などがある。これらのソフトを利用すれば、パソコンに挿入した音楽CDの楽曲やAAC/MP3形式の楽曲ファイルを904SHに挿入したminiSDカードへ転送し、再生できる。

 AAC形式の楽曲は、アップル社の「iTunes」でエンコードしたファイルをそのまま転送/再生できる。転送には904SH付属のCD-ROMに収録されている「Music Manager」を利用し、miniSDカードへ保存する。またMusic Managerは赤外線およびBluetoothでの転送をサポートしているため、パソコン側にこれらの機能が備わっていればケーブルを接続する必要もない。

 なお、SD-AudioとAAC形式の楽曲を同じプレイリストに混在させて再生することはできないので、どちらか片方を選んで利用するのがよいだろう。 904SHのミュージックプレーヤーはマルチアプリ機能により、音楽を再生しながらメールやVodafone live!など別の操作をすることも可能だ。

エクセルのファイルをSVG-T形式に変換したものを表示
連携ソフトでエクセルのファイルをSVG-T形式に変換したものを表示。多くのセルを見渡せるのはVGA液晶ならではの利点だ。

 VGA液晶ということで、画面に表示できる情報量の多さからフルブラウザーやオフィス文書のビューワーとしての使い方を期待する人もいるだろう。しかし、904SHは標準ではどちらの機能も搭載していない。ただし、フルブラウザーは(株)jig.jpが販売しているアプリである“jigブラウザー”が利用できる(月額630円)。また、ワードやエクセルなどのオフィス文書の閲覧は、904SH同梱のCD-ROMに収録された「PCドキュメント変換ユーティリティー」を使えば、パソコン上で“SVG-T形式”(携帯電話向けのベクター画像フォーマット)に変換したものを、904SH上で表示できる。メールで受信したオフィス文書をそのまま表示できない点は残念だが、よく閲覧する文書ファイルを事前に変換しておき、miniSDカードへ入れておく、といった使い方なら便利だろう。VGA表示に対応しているため、Excelの表など文字数が多いファイルの閲覧はしやすい。

Bluetooth
外部連携機能としてBluetoothにも対応する。

 BluetoothはHFP/HSP対応機器を利用したハンズフリー通話や、ダイヤルアップ接続が可能。また、半径約10m程度の近距離にある対応機種同士で、Bluetoothを使ったゲームの通信対戦や協力プレイが可能なほか、最大8人でのチャットが可能な「ちかチャット」も利用できる。現在の対応機種は904SHのみだが、今後対応機種が増えれば様々な利用方法が考えられそうだ。



2倍光学ズーム・手ブレ補正つきの本格カメラ機能

 カメラは光学2倍ズームや手ブレ補正に対応した320万画素CCDセンサーを採用する。前述のとおり、ディスプレーを反転させることで、デジカメ風スタイルでの撮影ができるが、その際にカメラを自動起動させる設定にもでき、即座に使いたいときに便利だ。撮影設定のメニュー画面は、携帯電話機を開いた状態の縦位置撮影と、デジカメ風スタイルの横位置撮影、その両方に専用メニューが用意されており、操作がしやすい。

 光学2倍ズームは一般的な携帯電話機が採用するデジタルズームと異なり、画質が劣化しない。また、320万画素をフルに使った1536×2048ドットでの撮影でもズームを利用できる。元々携帯電話向けのカメラのレンズはその多くが広角気味で遠い被写体の撮影は苦手なため、2倍の光学ズームを搭載した904SHのカメラは使い勝手がいい。手ブレ補正を併せて利用すれば、遠い被写体の撮影や暗い室内での撮影でも手ブレのない写真を撮影できる。

VGA撮影画面
光学2倍ズーム撮影
VGA(640×480ドット)サイズで撮影。左は標準状態、右は光学2倍ズームを利用して撮影した。光学2倍ズームは被写体を大きく写したいときに便利なほか、ズーム時の画質劣化を防げるのが利点。1536×2048ドットでの撮影でも同様に、画質の劣化を抑えたズーム撮影が可能だ。
1536×2048ドットで撮影した画像の一部を拡大
1536×2048ドットで撮影した画像の一部を拡大した。携帯電話の内蔵カメラは、暗所でなくともノイズが多かったり、全体的にぼやけた画像を出力する物が多い。だが、904SHはそういったこともなく、細かいワイヤーや柵もハッキリ描写するなど、携帯電話の内蔵カメラでは突出して優秀な感じだ。

 画質は300万画素クラスのカメラを搭載したほかの携帯電話機と比べた場合、極端なぼやけがないほかノイズも少なめで描写力は優秀だ。携帯電話内蔵のカメラのため、細部を見ていくと一般向けデジカメには劣るが、それでもL版サイズの印刷やウェブ掲載用の写真としては、ぱっと見で見劣りしないレベルに達している。

VGA画面を活かせる実用コンテンツの拡充が課題か?

 最大の特徴となるVGA液晶は、一度見るとこれまでのQVGA液晶表示では物足りなくなる美しさを持っている。だが、Vodafone live!のコンテンツのすべてがVGA液晶に対応しているわけではなく、すべての機能でVGA液晶の繊細さや表示情報の多さを活かすにはまだ少し時間が必要となるのだろう。また、VGA液晶と相性の良い機能であるフルブラウザーやオフィス文書のビューワー機能に標準で対応していない点は残念。一応jigブラウザーや付属ソフトウェアなどを利用すれば、同等に近いサービスは利用できるのだが、できれば標準で搭載してほしかったところだ

 マルチメディア関連の機能は秀逸で、VGA液晶に加えて光学2倍ズームやオートフォーカスを搭載した320万画素カメラも高画質なほか、音楽プレーヤーや6軸モーションコントロールセンサーやBluetoothでの近距離通信にも対応したアプリ機能など充実している。とにかくボーダフォン向けで最高の携帯電話機が欲しい人や、カメラや音楽、ゲームアプリなどケータイで存分に遊びたい人にお勧めできる携帯電話機だ。

(島 徹)




[通常ページに戻る]
ASCII24 http://ascii24.com/
Copyright (C)2000-2008 ASCII Corporation. All rights reserved.