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WS007SH W-ZERO3[es]をケータイ的に使う
WS007SH
ウィルコム/シャープ/マイクロソフト
オープンプライス
(新規/年間契約時直販価格:2万9800円)

http://www.willcom-inc.com/ja/index.html
http://www.sharp.co.jp/
http://www.microsoft.com/japan/


2006年8月8日

W-ZERO3 [es]の新しい特徴

 ウィルコムの“W-ZERO3 [es]”こと「WS007SH」(以下es)は、一世を風靡したスマートフォン“W-ZERO3”シリーズのエントリーユーザー向けモデルだ。エントリー機とはいえ、ケータイ電話風のダイヤルキーと予測変換対応の文字変換ソフト「ATOK」を搭載するなど、従来機よりも機能は上回っているところもある。さらにパソコンと同じQWERTY配列のスライドキーボードも健在。縦でも横でも快適に操作できるのが最大の魅力だ。まずは従来機(WS003SHWS004SH)からの変更点について触れていこう。

W-ZERO3 [es]キーボード
W-ZERO3 [es]のキーボード。
W-ZERO3とW-ZERO3 [es]
従来のW-ZERO3(左、サイズは幅70×奥行き26×高さ130mm、重量は220g)とW-ZERO3 [es](右、サイズは幅56×奥行き21×高さ135mm、重量は175g)。
画面比較
画面は従来モデルより0.9インチほど小さくなったが、解像度はこれまでどおりVGA。Excelの最小フォントもクッキリと読み取れる。液晶は明るく、屋内/屋外を問わず見やすい。

 esでは従来機と比較して横幅が14mm、奥行きが5mmほどスリムになり、重量も45gほど軽くなった。これにより、PDAを顔に当てて通話しているような従来モデルの違和感が解消された。とはいえ携帯電話機と同じ感覚で、胸ポケットなどに入れて持ち歩くにはやや大きいように思う。カバンのポケットに入れて持ち歩くぐらいがちょうどいいサイズだろう。ボディーの小型化に伴い、メインディスプレーも3.7インチから2.8インチに小型化されたが、高精細VGA表示にタッチパネル対応である点は従来と同じなので使い勝手はそれほど変わらない印象だ。

左側面
(縦長時においての)左側面。左からヘッドフォン端子、スタイラスペンのイジェクトスイッチ、USBポートが並ぶ。また右端にはキーロックスイッチがある。
右側面
同じく右側面。左からminiSDスロット、画面の縦横回転ボタン、音量調整ボタンが並ぶ。
上側面
同じく上面。スタイラスが収納されているほか、W-SIMもここから抜き差し可能。従来機種ではバッテリーの蓋を外さなければならず、W-SIMの交換が簡単になった。
miniSDスロット
無線LANはサポートしないが、SDIO対応のminiSDカードスロットを搭載しているため、今後無線LANアダプタなどの増設も可能になる予定。

 USBホスト機能にも対応し、デジタルカメラや外部記憶装置など、さまざまな周辺機器をUSBケーブルで接続して機能を拡張できるようになった。無線LANとBluetoothは内蔵しないが、サードパーティーから発売予定のminiSDカード型アダプターなどで機能を追加できる。

背面
本体背面。左上にカメラがあるが、その直下にあるスイッチで接写モードに切り替えることもできる。QRコード読み取りには必須の機能だ

 そのほか、カメラ(有効131万画素のCMOSセンサー採用)は接写モードとQRコードの読み取りに対応。連続待受時間が従来の約2.5倍(スペック値では500時間)に延びるなど、基本機能が大幅に向上している。



約6時間の連続通信!2時間通勤のお供にも十分

 さて、前述の通り従来のW-ZERO3とesの最大の違いは、よりケータイに近い使い方ができるようになった点だろう。ただしケータイとしてどれぐらい使いものになるかは、基本操作がやりやすいかどうかにかかっている。

電話画面
ダイヤルキーを押すと電話画面になる。

 たとえば電話帳に登録してある相手に電話をかけるとしよう。これまではメニュー操作を何度もする必要があり、手順が煩雑だった。具体的には、電話をかけたい相手を選択した状態で“メニュー”ボタンを押し、画面の一番下までスクロールして“電話をかける”を選択する。すると電話番号が表示されるので“発信”を押すと、ダイヤルしてよいかとの確認画面が出るので“はい”を押す、という手順を踏まなければならなかった。ところがesでは、相手を選択した状態で通話ボタンを2回押し、続けて“はい”を押せば電話がかけられるようになっている。

着信音の指定
着信音は連絡先ごとに指定できる。指定可能な音声ファイルはMP3(.mp3)、Windows Media Audio(.wma)、PCM(.wav)形式となる。任意の連絡先を開き、“メニュー→個別着信音の設定”で音声ファイルを選択する。

 また電話帳に登録した相手先に対して、電話の着信音を個別に指定できるようにもなった。ケータイではすでに当たり前の機能だが、着信時に画面を見なくても誰からかかってきたのかが分かるのは、やはり便利だ。ただし、個別に指定できるのは電話(音声)の呼び出し音のみで、メールの着信音は共通となる。着信音には音声ファイルを使用でき、これは本体メモリーに置く必要がある。miniSDカード上のファイルを指定しようとすると本体にコピーするよう促され、指定したのに着信音が鳴らないという、従来モデルの問題点は改善されている。

データ通信中の着信に関する設定
データ通信中の着信に関する設定は、“スタート→設定→個人用(タブ)→電話→基本(タブ)→データ通信”で変更できる。

 そのほか、従来不可能だったデータ通信中の着信が可能になった。インターネット接続中でも電話やメールを確実に受けられる。ただし着信があると、仕様上、強制的にデータ通信が終了される点には注意が必要だ。ネット通販や株売買など大切な取引をする際は、データ通信中の着信は無効にするように、事前に設定を変更するといい。

 想像以上に便利だったのが左側面のキーロックスイッチだ。従来機でキーロックをかけるには、いったん待受画面に戻らなければならなかったが、esではどの画面でもスイッチをスライドさせるだけでキーロックがかけられる。書きかけのメモやメールをそのままにして、急いで移動しなければならないときなどに重宝する。

 気になるデータ通信時のバッテリーの持ち具合はどうかを試してみた。省電力設定を無効にし、画面の輝度を最大にして計測したところ、それでも5時間40分ほど連続してウェブ閲覧ができた。たとえば片道2時間の遠距離通勤をしている人でも、家と会社の往復と昼休みに1時間ほど通信してもまだ余裕がある。まさにケータイ感覚でフルブラウザーによるウェブブラウズが行なえる点は評価できる。



Opera MobileとATOKでesの強みを体感

 上位モデルより高機能で、電話としても成熟してきたW-ZERO3 [es]。従来機と比較してのプラスαの魅力は、新ソフトにある。

 esでは推奨ウェブブラウザーとして、タブブラウジングにVGA表示、“Flash 7.0”コンテンツの表示に対応したフルブラウザー「Opera Mobile 8.6 for Willcom W-ZERO3」を搭載。またパソコンメールもやり取りできる「W-ZERO3メール」が新たに搭載されている。

Opera画面
IE画面
「Opera Mobile 8.6 for Willcom W-ZERO3」(左)と「Internet Explorer Mobile」(右)で同じページを表示。一見してわかるとおり、閲覧性はOperaが上。ただしパソコンのIEとお気に入りを同期できるのはIE Mobileの利点だ。
GyaO画面
YouTube画面
.Macブックマーク画面
IE Mobileで表示できなかったサイトを、Opera Mobileで表示できた例。(左から)“GyaO”“YouTube”“.Macブックマーク”。GyaOの動画コンテンツは再生できなかったが、ページトップのプレビュー映像(Flash)は視聴できた。YouTubeではコンテンツを再生できたが、コマ落ちと音飛びが激しく、まともに鑑賞できなかった。実用性はともかく、こうしたリッチなサイトを表示できるのがOpera Mobileのスゴイところだ。筆者の知りうる限り、.Macブックマークを利用できるモバイル向けブラウザーというのも極めて珍しい。
画面は一部モザイク処理を施しています。

 OSには従来どおり「Microsoft Windows Mobile 5.0 software for Pocket PC 日本語版」を採用し、アプリケーションとして『Office Mobile』(Word Mobile/Excel Mobile/PowerPoint Mobile)と「PDF Viewer」がプレインストール済み。これらのソフトにより、メールの添付ファイルやパソコンとの同期で取り込んだWordやExcel、PowerPoint、PDFなどのファイルを、何らソフトを追加することなく閲覧できる。WordとExcelについては編集も可能だ。

ATOK話し言葉
ATOKは話し言葉や関西弁にも対応する。くだけた感じのメールやブログもストレスなく書くことができた。なお、学習した履歴の消去は個別消去ではなく一括消去となる

 ATOKの良さを実感したのは、うっかり“かなモード”のまま英字を入力してしまったときだ。たとえば「xxx@ascii.co.jp」と打とうとして誤って「っっx@あscいい。cお。jp」と入力してしまったとする。MS-IMEだといったん削除してから入力モードを切り替え、そのうえで再入力するしかない。が、ATOKの場合は初めから正解(英字入力された場合の文字列)が変換候補に表示されるので、それを選択すればよい。英字入力の際、入力モードを意識する必要がないのだ。


ATOKのキーボードショートカットも利用できる。たとえば“Ctrl+0”でATOKメニューを表示し、“Ctrl+BS”で直前の確定を取り消せる。画面は“Ctrl+7”で単語登録メニューを表示したところ。

 一度確定して入力した言葉は、学習機能により、以後、変換候補の先頭に表示される。よく使う言葉ほどすばやく入力できる。そしてよく使う言葉はATOKのユーザー辞書に登録することもできる。ただし、パソコンにあるATOKのユーザー辞書やMS-IMEのユーザー辞書をesに移行する方法は今のところはないようだ。「移行ツールを提供する予定は今のところない」(ジャストシステム広報)とのことだが、同社はかつてPocket PC用移行ツールを提供した経緯があるので、今後に期待したい。

“W-ZERO3メール”“バーコードリーダ”などの新ソフトは便利?

受信メール振り分け設定
W-ZERO3メール受信画面
“W-ZERO3メール”では、受信メールに対して振り分け条件を指定することで(左)、任意のフォルダーに自動的に分類される。ただしサブフォルダーを作ることはできない。またW-ZERO3メールはSSLに対応しないため、POP/SMTP経由でGmailにアクセスすることはできない(ウェブブラウザーでのアクセスは可能)。POP/SMTP経由でGmailにアクセスしたい場合は、OS標準の「メール」を利用しよう。

W-ZERO3メールでは、本文や件名欄でカーソルキーの中央を押すと、編集メニューがポップアップし、メニューから範囲指定ができる。片手でもコピー/貼り付けが簡単だ。

 “W-ZERO3メール”は、OS標準搭載の“メール”を補うソフトだが、メールの全機能を包含しているわけではない。W-ZERO3メールでできるのは、即時送信や送信後の自動切断、メールの保護や自動振り分けなどだ。定期的な受信やOutlookとの同期などはメールでのみ可能となっている。1本のメーラーですべてをカバーできないのは歯がゆいが、機能に応じて使い分けられる点は評価できる。

バーコードリーダ
QRコードの読み取りには「バーコードリーダ」を使用する。カメラを接写モードにし、被写体から8cmほど離して撮影するとうまく認識できる。サイトにジャンプしたり、直接電話をかけられるので便利。

 QRコードはケータイサイトへの誘導に利用されることが多い。esのカメラでQRコードを読み取り、フルブラウザー(Opera Mobile)でアクセスするとどうなるのか。実際に週刊アスキー(第599号)に掲載されていた12個のQRコードで試したところ、7サイトを正しく表示できた。フルブラウザーでのアクセスを許可するかどうかはサイトによってバラツキがある。正しく表示できるかどうかも実際にアクセスしてみないと分からない。ユーザーエージェントをキメ細かく指定できるようにOpera Mobileのバージョンアップがなされれば、見られるサイトが増えるかもしれない。

 個人的に残念なのは、本体のマイクとスピーカーを利用したハンズフリー通話機能が搭載されなかった点だ。PDAとして使い込むと画面を見ながら電話の相手と予定を相談したい状況はよくある。しばらくは、有線式のイヤホンマイクを利用してハンズフリー通話をするしかなさそうだ。

ライトメール
絵文字に対応した「ライトメール」に新たにチャットモードが追加された。これまでも同様の使い方は可能だったが、メッセンジャーふうの画面が新設され、親しみやすくなった

 重箱の隅を突けばきりがない。デザインも使い勝手も、ここまで来ればメインのケータイとしてオススメできる。特に、外出中にノートパソコンでやっている軽作業をケータイだけで手早く片付けたいという人は、一度真剣に導入を検討してみてはいかがだろうか。

W-ZERO3 [es]の主なスペック
製品名 WS007SH(B)/WS007SH(W)
OS Microsoft Windows Mobile 5.0 software for Pocket PC 日本語版
CPU Intel PXA270-416MHz
メモリー フラッシュメモリー128MB(ユーザーエリア約60MB)
SDRAM 64MB(ワークエリア)
ディスプレー 2.8インチモバイルASV液晶パネル(タッチパネル)
表示解像度 640×480ドット
カードスロット miniSDカードスロット×1、W-SIMスロット×1
インターフェース USB×1、音声入出力
通信機能 PHS
連続通話時間 約7時間
連続待受時間 約500時間(電波状態ランプ消灯時)
約300時間(電波状態ランプ点灯時)
内蔵カメラ 有効約131万画素CMOSセンサー
本体サイズ 56(W)×21(D)×135(H)mm
重量 約175g

(ヤシマノブユキ)




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