2001年11月8日
銀塩カメラ用レンズで定評のある独LEICA(ライカ)との提携による松下電器の新デジタルカメラ製品が「LUMIX DMC-LC5」と「同 DMC-F7」だ。DMC-LC5は400万画素CCDを搭載し、マニュアル撮影などの機能を豊富に備えた中上級者向け高級機だ。
風格のある外観の高機能カメラ
DMC-LC5は、1/2インチと2/3インチの中間にあたる1/1.76インチ有効385万(総401万)画素CCDと光学3倍ズームレンズを搭載し、マニュアル露出などの多彩な撮影モードを備える中・上級者向けのデジタルカメラだ。
光学3倍ズームの沈胴式レンズを中央に配置し、レンズの上に光学ファインダを、背面には液晶モニタを装備するなど、本体デザインはカシオ「QV-4000」や、液晶モニタ可変アングルを除くとキヤノン「PowerShot G2」とほぼ同様だ。レンズ周囲のマニュアルフォーカスリングや各部のダイヤルのギャザー(ギザギザ)や、上面軍艦部に向かう立ち上がりの部分をはじめとする各面のエッジ処理、グリップ部のラバーなど、全体的に高級感のある表面処理がなされており、ダイヤルを回したときのクリック感や、プッシュ式スイッチを押し込んだ感触も良好だ。
背面に装備する2.5インチTFT液晶モニタ(20万画素)は、多くのデジタルカメラが装備する1.8インチ以下の液晶モニタ(11万画素)を見慣れた目からすれば非常に大きく感じる。見ための印象だけでなく、大きな画面と解像度の高さのおかげで漢字混じりの日本語表示メニューや詳細なステータス表示などの情報量も一覧性が高く見やすい。なお、撮影モードなどの基本情報は本体上面の左側に配置されたモノクロ液晶に表示されるため、カラー液晶モニタを消灯したままでも利用できる。
撮影機能に関しては、本体上面のモードダイヤルでプログラムオート/絞り優先/シャッター速度優先/マニュアルなどの撮影モードを選択し、絞り値やシャッター速度に関しては背面のカーソルキーで設定する。本体背面の光学ファインダ右にあるボタン「露出補正/連写/フラッシュ調光/オートブラケット」は、繰り返して押すことで個々の設定が液晶画面に表示され、カーソルキーで選択する。このあたりのユーザーインターフェイスは、機能ボタンの取捨選択(何を物理的なスイッチにし、何をメニュー内から設定するか)が、PowerShot G1/G2とよく似ており、基本的な撮影機能に関してはメニューツリーに入ることなくワンタッチで選択ができて便利だ。
デジタルカメラの多くはオートフォーカスに「像面AF」、つまりCCDからの画像信号を検出しつつレンズを動作させ、最もピントが合ったところでレンズを止めるという方式を採っている。これに対し、LC5では、専用のパッシブAFセンサを併用する「ハイブリッドAF」を採用する。これは、AFセンサで測距してだいたいの合焦位置までレンズを高速で動かして、そののちCCDセンサの画像検出による精密なピント合わせを行うというもの。オリンパスの「CAMEDIA E-20」が採用するアクティブAFセンサ(赤外線を照射する)のように低光量時でもフォーカスが速いというわけではないが、CCD像面AFのみに比べて合焦速度が高速になる。
フォーカスに関しては、レンズ横のダイヤルをMF(マニュアルフォーカス)にしてフォーカスリングを回すと手動でもピント合わせが行える。大きく解像度の高い液晶を持つといってもピントの合いは視認しづらいが、合焦したときには画面上にフォーカスサインが表示されるの安心だ。
また、デジタルカメラには珍しくフォーカスブラケティング撮影機能を持つ。一般的にブラケット撮影といえば、露出を上下に補正した画像を連写する機能がほとんどだが、デジタルカメラの中には彩度やコントラストを補正しつつ連写する製品もある(ミノルタの「DiMAGE 7」「同 5」)。LC5のフォーカスブラケティングは、名前のとおりピントの合った位置とその手前と奥を連写するものだ。液晶画面で見てピントが合っているように見えても、PCに転送して拡大表示すると微妙にピントがずれていたというようなミスが避けられるだろう。
最高画素数(2240×1680ドット)でも4枚/秒で最大8枚まで撮影可能な連写機能、最大5枚(最高画質では4枚)までのオートブラケット撮影機能を持つほか、通常の撮影時においても撮影間隔は約1秒(実測)、起動からファーストショットまで約5秒と、動作が高速なのが特徴だ。
バッテリはDVカムコーダに使われているような(同一品番の製品はない)カマボコ型のリチウムイオン充電池が付属する。同社では、液晶ONで2時間の撮影(30秒に1回撮影、フラッシュ使用50%)が可能としているので、約240枚撮影が可能ということになる。実際に利用しても半日程度で電源警告が表示されるため、少々電池寿命は短いように思えた。また、充電は本体付属のACアダプタを接続したカメラ本体側で行う。予備の電池を購入したとしても1度に1個しか充電できないのは不便だ。同社のDVカムコーダ用充電器が利用できるので、旅行などでは予備電池とともにそろえておきたい。
使い勝手は快適、画質は?
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【撮影サンプル1】元画像は2240×1680ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。絞り優先モードF2.2、1/39秒(Exifデータ値)。 |
実際に利用してみると、液晶画面の広さや各種ボタン類の操作性など、いずれも使い心地は良好だ。画像の再生やメニュー選択などの反応もキビキビとしているほか、オートフォーカス動作も速く、迷うことなく短時間で合焦するのはパッシブAFセンサー併用の威力だろう。連写機能やオートブラケット撮影のほか、通常撮影時の撮影間隔の短さやレスポンスの良さもあいまって非常に使いやすい。
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【撮影サンプル2】元画像1680×2240ドットを480×640ドットにリサイズ。絞り優先モード、F2.1、1/11秒。35mmフィルムカメラ換算で33mmというレンズは、35mm以上が多いデジタルカメラの中では多少広角に寄っているため、屋内でも広い領域を撮ることができる。 |
画質に関しては、試作機であるため製品版とは異なることを前提に見てほしい。とくに高輝度部分でエッジに色が載っているのは改善される予定とのことだ。また、試作機では長時間露光時の画質補正ができないため夜景撮影は行わなかったが、もともと本機ではダークフレームを撮影して合成する方式のスローシャッターノイズリダクションを装備していないこともあり、夜景にはあまり強くない(シャッター速度は8〜1/1000秒まで設定可能)。
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【撮影サンプル3】元画像1680×2240ドットを480×640ドットにリサイズ。マクロモード、プログラムAE、F2.4、1/32秒。 |
全般的に画質はおとなしめで、最近のデジタルカメラにありがちな派手な彩度強調や輪郭強調、画素の平坦化によるノイズ軽減処理は少ない。そのため、やや地味な印象を受けるものの、自然でくせのない画像だ。先に述べたようにブルーミングが生じるなどハイライト部分には言及しないが、中間調から暗部にかけてのグラデーションはうまく再現されている。ただし、階調表現はおだやかな印象で、もうすこしコントラストのメリハリがあってもいいだろう。暗部をはじめとして全体的にノイズが多く、ざらつき感があるので、このあたりが製品版でどうなるのか非常に気になるところだ。
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【撮影サンプル4】元画像1680×2240ドットを480×640ドットにリサイズ。プログラムAE、F6.7、1/79秒。 |
「ライカレンズ搭載」がうたわれたため、画質に関して過度な期待をしている人も多いようだが、LC5の画質は最近のデジタルカメラ製品と比べてとりたてて良好というわけではない(もちろん試作機なので正当な評価ではないが)。ただし、キビキビとした動作やダイヤルやスイッチの操作性、風格のあるボディデザインなど、いずれも好感が持てる。PowerShot G2やQV-4000と並び、高機能400万画素機を購入する際の選択肢に入れておきたい。
LIMIX DMC-LC5の主なスペック
| 撮像素子 |
1/1.76インチ有効390万(総401万)画素補色CCD |
| レンズ |
光学3倍ズーム f=7〜21mm(35mmフィルムカメラ換算:33〜100mm相当)、F2.0〜2.5 |
| 記録媒体 |
SDメモリーカード(32MB付属)/マルチメディアカード |
| 記録画素数 |
2240×1680/1600×1200/1120 ×840/640×480ドット |
| 液晶モニタ |
2.5インチ低温ポリシリコンTFT(20万画素) |
| 動画 |
320×240ドット、10枚/秒、最長約5.5分 |
| インターフェイス |
USB、AV出力、DC入力 |
| 電源 |
専用リチウムイオン充電池 |
| 本体サイズ |
127.5(W)×63.4(D)×82(H)mm |
| 重量 |
360g(本体のみ) |
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(アスキーPC Explorer編集部・行正 和義)
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