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Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ デュアルレンズ搭載により、広角もズームも1台で!!
Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ
コダック
オープンプライス(店頭価格:5万円前後)
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/index.shtml

2006年1月20日

■世界初のデュアルレンズ構造を採用

縦に2つ並ぶレンズが特徴的
「Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ」。サイズが分かるように単3電池と比較したところ。シンプルなデザインの前面。中央にある丸いレンズカバーがデザインのポイントとなっている。

 コダックの「Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ(以下V570)」は、光学3倍ズームレンズ(f=39〜117mm)と超広角(ウルトラワイド、UW)レンズ、およびそれぞれに撮像素子を2つずつ装備するコンパクトデジタルカメラだ。“超広角レンズ”は、ズームやオートフォーカス機能のない単焦点・パンフォーカスレンズなのだが、焦点距離が23mmとデジタルカメラでは類を見ないほど広角な絵が撮れるのが特徴となっている。

 デジタルカメラの撮像素子(CCDまたはCMOSセンサー)はフィルムが感光する銀塩カメラとは異なり、その構造上の理由から光が斜めに入射するとセンサーが受ける光量が落ちるため、より高屈折となる広角側の周辺部では減光するという問題がある。さらに、ズームレンズの設計自体も望遠側よりも広角側に倍率を広げるほうが難しいと言われている。これらの問題を解決しつつ十分な画質を維持するには、高度な光学設計や高価なレンズ部材が必要となるため、特にコンパクトタイプのデジタルカメラにおいては広角レンズ搭載機が少なく、コンパクト機では比較的少ない広角側28mmクラス((株)リコーの“Caplioシリーズ”など)が重宝されている。

シンプルなデザインの前面
縦に2つ並ぶレンズが特徴的。上側がUWレンズ、下がズームレンズとなっている。

 V570は、ある意味発想の転換というかコロンブスの卵的な実装方法だが、実使用上では単焦点レンズならズーム機構がないぶん広角でも高い描写力を維持できるし、レンズごとに撮像素子を設けているので、直角に近い理想的な角度で入射するような設計も比較的容易だろう。

背面は両手で持っても使いやすい操作系
2.5インチ液晶ディスプレーを中心に、左右に分かれた操作系は両手で持ったときに非常に使いやすい。

 ボディ前面には2つのレンズが縦に並んで配置されているが、2本とも屈曲光学系を採用しており、プリズムで90度曲げられてカメラ左側にあるそれぞれの撮像素子に当たるようになっている。500万画素撮像素子を2つも備えるというのは、考えてみればもったいない話で、レンズからの光を切り替えて1つの撮像素子に当たるようにしたほうが効率的と考えたくもなるが、先に挙げたレンズに合わせた配置だけでなく、切り替え式光学系を盛り込むよりも撮像素子を2つ搭載したほうが機構を単純化できるなどコスト的にも利点があるのだろう。

ズームレンズからUWレンズへの切り替え
ズームレンズからUWレンズへの切り替え。背面のズームボタンを操作しながら、液晶ディスプレーを注視していると、レンズが切り替わったことがアイコンで分かる

 電源OFFの状態では本体前面は金属製カバーで覆われており、上面の電源ボタンを押せば小気味よい音とともにカバーがスライドして2つのレンズが現われて撮影可能となる。レンズの切り替えに特別な操作は必要なく(レンズ部分を回転させるような機構はない)、通常のコンパクトカメラのようにズームレバーで望遠側から広角側に変更していくと、ズームレンズの最広角でいったん停止してから、さらにUWレンズへと切り替わる。デジタルズームをONにした状態であれば、UWレンズ→UWレンズのデジタルズーム→ズームレンズ光学ズーム→ズームレンズ最望遠からのデジタルズーム、という順でシームレスに画角が切り替わる。

左右側面と上部のボタン類
屈曲光学系を採用するため撮影時もレンズが出ない。右側面にACアダプタ用DC端子とSDカードスロットがある。
本体底面
本体底面からリチウムイオン充電池を装着する。底面の中央部に三脚穴が設けられているため三脚をセットした時の安定性はよい。


■クイックな操作感と細かい配慮

カラーモードの違い
カラーモードには“ナチュラル”“ビビッド”“シック”“モノクロ”“セピア”の5種類が用意されている。撮影サンプルでは左から“ビビッド”“ナチュラル”“シック”で、ビビッドを用いるとかなり鮮やかな発色になる。

 撮影機能は基本的にプログラムオートのみで、絞り優先/シャッター速度優先などのマニュアル露出は搭載されていない。“ポートレート”や“スポーツ”、“花火”、“書類”、“キャンドルライト(増感撮影)”、“流し撮り”など、合計22種類のシーンプログラムが用意されているほか、メニュー内から“LT(長時間露出)”を選べば最長8秒までのスローシャッター撮影も行なえる。ちょっと凝った撮影をしたい場合は、カーソルボタンの左右を押すだけで露出補正となるほか、リアルタイムヒストグラム表示もあるなど、コンパクトデジタルカメラとして撮影機能はかなりよくまとまっていると言える。



パノラマ撮影の元になる構図
UWレンズによる撮影と、パノラマ撮影を行なったもの。

 面白い機能として、カメラ単体での“パノラマ合成”と“広角時歪み補正”が挙げられる。パノラマ合成機能は、最大3枚までの写真から共通部分を組み合わせて横長のパノラマ写真をカメラ内で合成するもので、2〜3枚目の撮影時には画面端に前のカットの一部が表示されて位置合わせができる。最近のデジタルカメラではさほど珍しい機能ではないものの、V570のUWレンズを使えば最大180度の景色を収めることができて、なかなか強力だ。

パノラマ撮影の結果
パノラマ撮影の元画像は4544×1228ドット。ビル(インターコンチネンタルホテル)の形状が特異だったせいか、自動合成をミスしてしまっている。なお、パノラマ撮影は右から撮影を開始し、露出は最初のカットで決めてしまうため、右側は順光だが左端は逆光となった。

 また、超広角撮影で悩ましいのが広角ならではの“歪み”である。まっすぐなはずの建物のラインなどがタル型に歪んでしまう。V570の広角時歪み補正機能では、メニューから“歪み補正”を選ぶことで直線状に補正することができる。タル型の歪みはある意味広角レンズで撮影した“いかにもな絵”という効果に使う場面もあるので、ユーザーが任意に補正のON/OFFを選べるのはありがたい。

補正OFF
補正OFF
補正ON
補正ON
UWレンズにて撮影。広角レンズならでの歪みにより、全体がタル型になっているが(補正OFF)、歪み補正を使うと画像処理によって直線に近い形状となる(補正ON)。

 不満な点を挙げるとすれば、フラッシュ発光モードやISO感度、AF・AEモードなどを設定変更しても、電源OFFとともにリセットされてしまう点だろう。街角スナップではフラッシュを焚かず、かつISO感度はノイズの少ない低感度固定で撮影することが多いのだが、ポケットから取り出して毎回こんな設定をしていてはシャッターチャンスを逃してしまう。シーンプログラムの“カスタム”にいくつかの設定は記憶できるようにはなっているが、電源ONの後でシーンモードからカスタムを呼び出す手間がかかる(シーンプログラムでは前回選んだモードが記憶されているため、手順としては“SCNボタン”を1回押だけで呼び出せるのはありがたいのだが)。多くのデジタルカメラのように、直前に行なった設定を記憶しておくかリセットされるかを、ユーザーが選択できるようにしてほしかった。

付属品
付属のクレードルに乗せたところ。クレードルに乗せることでパソコンやプリンターにUSB接続可能となる。


■スリムコンパクトでの広角という快適さ

 実機を手に町を歩いて撮影してみると、23mmという画角の広さが実に心地いい。UWレンズはパンフォーカスなので、ズームレンズでしっかりピントを合わせた画像と比較するとやや甘い印象を受けるものの、周辺部の画像の流れや減光も目立たなくて十分な描写力だ。ノイズリダクション機能が弱めなので、画像を拡大するとややざらついた印象にはなるものの、同社ならではの鮮やかで濃い発色は街中のスナップを記録していても心地よい。やや不便に感じた点は、ズームレンズの広角側が39mm相当とデジタルカメラの中でもかなり広角に弱いため、風景やポートレートなどで多用する35mm前後の焦点距離を求める際にはパンフォーカスのUWレンズデジタルズームを使うしか選択肢がないことくらいか。

リサイズ
480×640ドットにリサイズ
切り抜き
中央部分を切り抜き
撮影サンプル1。UWレンズにて撮影。超広角ならではの迫力ある画像が楽しめる。プログラムオート(ISO 64、F2.8、1/100秒、以上はExif値より)。元画像は2567×1932ドットで、PhotoshopでVGAサイズ(640×480ドット)にトリミングおよびリサイズを行なったほかは、画像処理をかけていない。
リサイズ
480×640ドットにリサイズ
切り抜き
中央部分を切り抜き
撮影サンプル2。サンプル1と同じ位置からズームレンズ広角側で撮影。全体を収めるにはかなり下がらなくてはならないが、細部のシャープさはUWレンズに比べてはっきりしている。プログラムオート(ISO 64、F3.9、1/50秒)。

 デュアルレンズ&デュアルCCDというユニークな機構と、23mmの広角レンズが最大の特徴である本機だが、なによりの利点はそれらの独自機構を備えつつもほかのコンパクトデジタルカメラ(=シングルレンズ&シングルCCD)と遜色のないサイズや重量に収まっており、欠点らしい欠点がほとんど見当たらないことだろう。確かにUWレンズがパンフォーカスである点に、中〜上級者は物足りなさを感じるだろうが、これほどコンパクトで超広角撮影ができるカメラは他に類を見ない(せいぜい28mmクラスの本体にワイドコンバージョンレンズを装着するしかない)。

リサイズ
480×640ドットにリサイズ
切り抜き
中央部分を切り抜き
撮影サンプル3。UWレンズで撮影(プログラムオート、ISO 64、F5.6、1/400秒)。こってりとした濃い色あいはKodakならではの絵作りだ。拡大するとややノイジーなのが分かる。

 もちろんV570の広角撮影機能は中〜上級者が絵作りに使うだけでなく、入門者にも後ろが窮屈な場所での集合写真や景勝地での記念写真など、広角を求めるケースは案外多いものだ。広角から望遠まで“普通のズーム感覚で”使えるコンパクト機であるということはV570の大きな魅力だ。これを機会に広角レンズの重要性が一般ユーザーにも広まり、とかく広角撮影の重要性が見落とされがちなデジタルカメラ市場に一石を投じる1台となってほしい製品である。

Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラの主なスペック
製品名 Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ
撮像素子 1/2.5インチ有効500万(総536万)画素CCD
レンズ1(UW) f=3.8mm(35mmフィルムカメラ換算23mm)、F2.8、パンフォーカス
レンズ2(ズーム) 光学3倍ズーム、f=6.4〜19.2(39〜117mm)、F3.9〜4.4
記録画素数 最大2567×1932ドット、JPEG形式
動画記録 最大640×480ドット/30fps、MPEG-4
液晶ディスプレー 2.5インチハイブリッド型(23万画素)
記録メディア SDカード/内蔵32MBメモリ(画像保存領域:28MB)
電源 専用リチウムイオン充電池
インターフェース ドックコネクター(付属“フォトフレームドック2”にUSB端子)、DC入力
本体サイズ 幅101×奥行き20.4×高さ49.8mm
重さ 約125g(本体のみ)

(行正 和義)




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