2006年2月23日
1月に発表された「E-330」はオリンパスの一眼レフデジタルカメラの普及機「E-300」の後継にあたり、コンパクトなボディサイズに新機能“フルタイムライブビュー”を搭載した製品だ。
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写真1 オリンパスの一眼レフデジタルカメラの普及機「E-330」。 |
第二の撮像素子を搭載
一般的な一眼レフカメラではレンズから入射した光を撮像素子の手前にあるミラーによって上に反射し、ペンタプリズムによって光学ファインダーに導くのに対し、E-330では横方向に反射するという独特の光路を採用する。これによって軍艦部(レンズ上側にある一眼レフ独特のペンタプリズム内蔵の突起部)がない、すっきりとした上面を持つデザインになっているのは従来機「E-300」と同様だが、E-330では光学ファインダーの直前にハーフミラーを設け、光の一部をライブビュー専用撮像素子(500万画素CCD)へ導いている。
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写真2 ボディ単体にして前から見ると、横方向にミラーアップ(?)する独特な構造が見える。 |
このライブビュー専用撮像素子で生成された画像信号を表示するのが、背面にある“マルチアングル液晶モニター”だ。同社の「CAMEDIA C-8080 WideZoom」などのレンズ一体型機で採用されていた液晶ディスプレーのヒンジ機構がさらに改良され、下に45度、上に90度の角度が付けられる。これにより、極端なハイアングルやローアングルでも液晶パネルを正面に見ながらフレーミング(構図確認)ができ、そのままシャッターを切ればミラーアップしてメインの撮像素子(後述)に光が当たり、見たままの像が撮影できるわけだ。E-330では、この専用撮像素子を使ったライブビューを“Aモード”と呼んでいる。
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写真3 液晶ディスプレーは“スーパーコンパネ”表示によってカメラのステータスが一目で分かる。液晶ディスプレーの右上にあるのがライブビューボタンとディスプレーモードの切り替えボタン。 |
これに対し、撮影前からミラーアップしておくことでメインの撮像素子で得た映像を継続的に液晶ディスプレーに表示することも可能だ。こちらは“Bモード”ライブビュー(もしくは“マクロライブビューモード”)と呼ばれる。撮像素子からの画像を液晶ディスプレーに表示してフレーミングを行なうという動作はコンパクトデジタルカメラではごく一般的なものだが、一眼レフデジタルカメラにおいてはあまり採用されていない。その理由は、撮像素子を連続的に稼動させると熱によるノイズが増加し、特に一眼レフデジタルカメラのような大型CCDでは顕著に画質が悪化するためだ。
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Aモード |
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Bモード |
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写真4、5 AモードとBモードの違い。 |
E-330ではメインの撮像素子に新開発の“Live MOSセンサー”(750万画素、4/3インチ)を採用することで、連続動作によるノイズ発生を抑制している。この撮像素子はCMOSセンサーと同様のMOS(Metal-Oxide Semiconductor)テクノロジーで作られているものの、新配線技術によってCCDなみの受光面積を実現したというもの。
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写真6 左右両サイド。光学ファインダーがやや後部に飛び出しているものの液晶ディスプレーはヒンジがあるにもかかわらず薄く作られている。軍艦部がないことからカメラバッグなどへの収まりはよい。 |
一般的な一眼レフカメラの構造と同様に、ミラーによって反射した光(光学ファインダー側)にAFセンサーを配置しているため、Aモードではオートフォーカスが効くが、Bモードではマニュアルフォーカスのみとなる。ただし、Bモードでは10倍の拡大表示が可能で、マクロ撮影時などでより細かなフォーカシングができるというメリットがある。
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写真7 上面部。大きめのグリップとモードダイヤルなど基本的な配置は一般的な一眼レフカメラと同様だが、光学ファインダーとホットシュー左にオフセットされ、内蔵フラッシュと干渉しないようになっている。 |
このほか、「E-500」(2005年9月発表)で新たに採用されたいくつかの機能がE-330にも継承されている。露出モードではハイライトやシャドー部を基準にして露出を決定する“ハイキー/ローキー設定”、2つの画像を並べて同じ位置を拡大表示できる“ライトボックス機能”、背面の液晶ディスプレーをステータス表示にした際にカーソルキーで設定項目を選べるなど、いずれも使い勝手はかなり高い。
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写真8、9 液晶ディスプレーはWヒンジ構造により、上側を引き出すことで下方向へ45度、さらに下側を引き出せば真上から見ることも可能となる。 |
液晶ライブビューを中心とした充実の機能
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写真10 液晶ディスプレーをチルトさせつつグリッド表示させたところ。ウェストレベルで腰の位置に構えつつ構図を決められるのはかなり快適。 |
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写真11 記録メディアはxD-PictureカードとCF TypeIIのデュアルスロット。バッテリーは専用リチウムイオン充電池を採用する。 |
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銀塩カメラからデジタルカメラ、しかもマルチアングル液晶モニターやレンズ回転機構を搭載したモデルを使いはじめると、極端なハイアングルやローアングルといった普段では撮りにくい構図に凝るだけでなく、ウェストレベル(腰位置)でカメラを構えることで安定したホールディングができるため重宝する。また、液晶ディスプレーにグリッド(等分/黄金分割)や目盛り線(十字)が表示できるのは実際のフレーミングでかなり使える。一眼レフカメラでは交換式のグリッド付きマットスクリーンを用いたり、ニコンDシリーズなどでファインダー内のグリッドを液晶パネルによってON/OFFする機能があるが、用途に応じてグリッドや表示する情報の種別を選べるのは、液晶ディスプレーによるライブビューならではの機能だ。
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写真12 LIVE VIEWボタンを押してモードを選択(左上)、AモードでAFもしくは液晶を見ながらのMFを行なう(右上)。この状態ではでピントが合っているように見えるものの、Bモードにして任意の位置にカーソルを合わせてから拡大表示するとピントが来ていない(左下)ので、ここでじっくりとピントを合わせる(右下)。 |
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写真13 液晶ディスプレーにはステータス(スーパーコンパネ)とライブビュー(ステータス表示あり/なし)に加えて各種ガイド線を表示できる。 |
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使っていてやや気になるのは光学ファインダーの暗さで、ハーフミラーでライブビュー用撮像素子に振り分ける光は、レンズから入射した光の約3割を用いているそうで(暗い光を使うためライブビュー用撮像素子では9画素混合という高感度設計になっている)、残りの光(約7割)をファインダーで見ることになるのだが、95%というやや狭い視野率もあって一眼レフカメラのユーザーから見ると物足りない印象が残る。
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撮影サンプル1 暗部のノイズ感も少なく、かつエッジの効いたシャープな絵作りとなっている。絞り優先AE、1/320秒、F5.0、ISO 100。元画像は3136×2352ドット。640×480ドットにリサイズおよび中央部のトリミングを行なったのみで、それ以外の画像処理はかけていない。 |
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撮影サンプル2 ノイズの少ない画像処理は細部が潰れがちに見えるが、細かなディテールもきちんと描写されている。絞り優先AE、1/160、F10、ISO 100。 |
画像に関しては、ノイズ/ざらつき感のほとんどないすっきりとした画像処理となっている。このため、画像によってはややのっぺりとした印象となる部分もあるが、細部の描写はしっかりしている。また、階調表現にも弱さは感じられず、ハイライト/シャドー部ともに白とび/黒つぶれすることなく階調がしっかり残るなど、新型MOSセンサーの実力はなかなか高いようだ。
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撮影サンプル3 逆光時でもシャドー部が潰れておらず、しっかり描写されている。シーンプログラム風景モード、1/200秒、F10、ISO 100。 |
E-330は、Eシリーズで(ということは同社一眼レフデジタルカメラということだけではなく、とりもなおさず“フォーサーズ製品全体”でも)“最も入門機”ということになるが、各社の一眼レフデジタルカメラのローエンド機を見ると、どうしても上位モデルに比べて機能面の省略が目立ってしまう。一眼レフデジタルカメラ全体にとっての新機軸を採用しつつ、液晶ディスプレーを見ながら撮影するのが一般的だったコンパクトデジタルカメラ利用者にも抵抗感なく使えるという点で、E-330は単にラインナップの中で最も安いというだけではない、優れた一眼レフ入門機と言えるだろう。
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撮影サンプル4 マルチアングル液晶モニターはマクロ撮影時に威力を発揮する。絞り優先AE、1/160、F11、ISO 100。 |
| E-330の主なスペック |
| 製品名 |
E-330 |
| 撮像素子 |
有効750万(総794万)画素4/3インチLiveMOSセンサー(メイン撮像素子) 有効500万画素1/2インチCCD(フルタイムライブビュー専用) |
| レンズ |
フォーサーズマウント |
| 記録媒体 |
xD-Pictureカード、CF TypeII |
| 記録画素数 |
最大3136×2352ドット |
| 液晶ディスプレー |
2.5インチ半透過型TFT(21万5000画素) |
| インターフェース |
USB、ビデオ出力、ホットシュー |
| 電源 |
専用リチウムイオン充電池(オプションによりCR123A×3本利用可能) |
| 本体サイズ |
140(W)×72(D)×87(H)mm(本体のみ) |
| 重量 |
約550g(本体のみ) |
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(行正 和義)
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