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光学式手ぶれ補正を搭載したスイバルレンズボディーの望遠機
COOLPIX S10
ニコン
オープンプライス
http://www.nikon-image.com/jpn/index.htm
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2006年9月26日
ニコンの「COOLPIX S10」は光学式手ぶれ補正付き10倍ズームレンズを搭載した600万画素望遠機で、今となっては珍しいスイバル(回転)レンズボディーを採用するのが大きな特徴だ。
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ニコンの「COOLPIX S10」。 |
スイバルデザインの光学10倍ズームレンズ機としては同社には「COOLPIX S4」(600万画素機、2005年9月発表)があり、本機はS4に光学式手ぶれ補正を搭載した後継機にあたる。
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ボディーに比べて太いレンズ部を滑らかな曲線でつなぐために、前面は緩やかなS字カーブを描いている。四角いシャッターボタンの右側にあるのがズームレバーで、左右に力をかけるとズームする。 |
ボディーはS4と同様に液晶パネル搭載のボディー部(右)とレンズ部(左)が270度回転する構造で、ハイ/ローアングルや自分撮りなどが容易となっているのも回転式ボディーならでは。S4でもボディー部よりレンズ部のほうが若干太くなっていたが、S10は本体の厚みが37mm(S4)から40.5mmへと太くなったうえに、ボディー側を絞ったクサビ状のデザインにより、レンズ部の厚みがさらに強調された感じだ。
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インターフェースはUSB/AV出力兼用コネクタが1つあるのみ。右側面下にある小さなフタは電池室へのアクセスパネルとなっており、電池型のコネクタを経由してのACアダプタ利用を可能としている。 |
スイッチ類など操作部も変更され、S4ではシャッターボタンの周囲にあったズームレバーは本体右肩部にある小さなレバーとなり、撮影や動画撮影のモード切り替えは“モード”ボタンで表示されるアイコンメニューでの切り替え(従来はスライドスイッチ)になるなど、インターフェースには工夫が見られる。メニュー操作の中心となるのはジョイスティック状の“マルチセレクタ”になっているのは従来同様だ。
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スイバルして撮影状態にした本体背面 |
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本体前面 |
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大型の液晶パネルもあって操作部は上側に集中する。マルチセレクタの上方向はフラッシュモードの切り替えだが、スペースがないためかアイコンは上面に刻印されている。液晶画面の表示(写真左)は撮影中のステータス。 |
ズームレンズはレンズの鏡胴内部だけでズーム用レンズ群が移動するタイプなので、電源を入れてもレンズの伸張動作はない。撮影機能はS4と同じくプログラムオートとシーンプログラム+露出補正というもので、マニュアル露出系の機能は搭載されていない。人の顔を画像認識してフォーカスを合わせる“顔認識AF”はS4でも搭載されていたが、S10では露出や発色も同時に調整する“フェイスクリアー”機能に進化した。また、撮影感度は最高ISO 800相当まで設定できるようになっており、光学式手ぶれ補正に加えて「高感度でぶれない」を謳っているのも最近のコンパクトデジタルカメラの流行を取り入れていると言えるだろう。
バッテリーはリチウムイオン充電池「EN-EL5」を採用する。同社コンパクト機のいくつかで採用されている薄型の充電池で、S4で採用していた単3電池×2本構成よりも容積的に小さいながら約300枚と、S4にNi-MH充電池を使用した場合(約290枚)よりも撮影枚数は多くなっている。ボディーを薄型化できたのも、リチウムイオン充電池を採用したことが特に大きいのだろう。
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USB、AVケーブル類のほか、リチウムイオン充電池と充電器、レンズキャップなどが付属する。 |
光学式手ぶれ補正機構と光学10倍ズームという強力な組み合わせに加え、撮影アングルの自由度が高いスイバルボディーの威力は大きい。単にハイ/ローアングル撮影しやすいだけでなく、自分の胸や腹に押し付けるようにしてホールドを安定させる“ウェストレベル撮影”を行ないやすいのはスイバルボディーならではだ。付属のレンズキャップはヒンジ付きのフタとなっていて、撮影時には側面にスイングオープンするだけというのも手軽だ。
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サンプル1 広角側は38mm相当と、それほど広角寄りというわけではないのが残念だが、周辺部の画像の歪みは少ない。プログラムオート、1/314秒、F4.0、ISO 100。元画像は2816×2112ドットで、640×480ドットにリサイズおよびトリミングした以外の補正はかけていない。 |
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サンプル2 撮影サンプル1と同じ場所を最大望遠で撮影。望遠時もディテールが甘くならずシャープな仕上がりとなっており、光学式手ぶれ補正もあって望遠撮影では威力を発揮するだろう。プログラムオート、1/250、F4.0、ISO 100。 |
撮影結果は良好で、彩度や輪郭強調などの画像処理は控えめながらしっかりとした発色と絵作りとなっている。高倍率の望遠機は広角側の周辺歪みや望遠側の解像力不足などが起こりやすいが、これといったレンズ描写力不足も見られないのも非常にいい。
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サンプル3 高感度で夜景を撮るような状況ではやはりざらついてしまうものの、ノイズは比較的抑えられており輪郭などががたついてしまうこともない。広角側で撮影、露出補正+2.0。プログラムオート、1/2.7秒、F3.5、ISO 800。 |
しかし気になるのはボディーデザインを始めとする操作性だ。S4のボディーは前面と背面が平行な直線デザインだったのだが、本機では太いレンズ部のある左側から、グリップとなる右側に向けて曲線を描きつつ細くなるというデザインに変更されている。右側に向かって細くなるグリップ部というのは、どう考えてもホールド性に問題がある。本体前面にあるCOOLPIXのロゴ部分の表面がギザギザに加工されていて指が滑らないようになってはいるのだが、グリップを握り込むようなホールドができるわけでない。リチウム充電池を採用したことによってボディー部の容積を抑えることができ、少しでも小さく見せるための工夫なのだろうが、どのみち光学式手ぶれ機構と光学10倍ズームのレンズ部の太さによって厚み自体はそれほど変わらないのだから、あえてグリップを若干薄くしたデザインは理解に苦しむ。本機に限らず、同社のコンパクト機の多くがスリムデザインを優先して、ホールド性をなおざりにしているように見えるのは残念でならない。
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サンプル4 彩度強調が弱めなので十分な日差しがないと地味な発色になりがちだが、空の青さや植物の緑などは極めて自然な色合いと言える。マクロ撮影、プログラムオート、露出補正-0.3。1/260秒、F4.0、ISO 50。 |
また、マルチセレクタの裏側にあたる前面は滑らかとなっていてスティックを上下左右に動かすための力が逃げやすいのも気になったほか、本体上部の端に設けられたズームレバーも操作する上でシャッターボタンから指を離してしまうことを考えれば従来型のシャッターボタン周囲のリングのほうが使いやすかったように感じる。メニュー/画面表示にしても、シャッター半押し後にシャッター速度が表示されないため手ぶれの限界値の目安が付きにくく、ISO感度をマニュアル指定した場合も画面端に「ISO」と表示されるだけで数値が出ないなど、オート中心の操作性とはいえやや不親切な印象がある。
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サンプル5 地面に置くようなローアングルでもきっちりフレーミングできるのはスイバルデザインならではの利点。プログラムオート、1/78.6秒、F3.5、ISO 100。 |
スイバルデザインは同社のベストセラー機“COOLPIX 900”シリーズからの伝統的なスタイルであり、ボディーとレンズを平行にしておけば収納時には比較的場所を取らず、撮影時にぐいっと捻るだけでアングルを決められるボディーはバリアングル液晶パネルを搭載したデジタルカメラに比べても軽快に使える。加えて、ボディーとレンズを両手で握り込むことによる安定感も格別なものがある。デザイン的にやや気になるところはあるものの、光学式手ぶれ補正+光学10倍ズームを備えることによって望遠系デジタルカメラの中でも非常に強力な製品であることは間違いないだろう。
| COOLPIX S10の主なスペック |
| 製品名 |
COOLPIX S10 |
| 撮像素子 |
有効600万(総618万)画素 1/2.5インチCCD |
| レンズ |
光学10倍ズーム、f=6.3〜63mm(35mmフィルムカメラ換算時:38〜380mm)、F3.5 |
| 静止画撮影 |
最大2816×2112ドット |
| ISO感度 |
オート、ISO 50/100/200/400/800相当 |
| 動画撮影 |
640×480ドット/30fps |
| 液晶ディスプレー |
2.5インチTFT(約23万画素) |
| 記録メディア |
内蔵16MBフラッシュメモリー、SDメモリーカード |
| インターフェース |
USB、AV出力、DC入力(ACアダプターはオプション) |
| 電源 |
専用リチウムイオン充電池(EN-EL5) |
| 撮影可能枚数 |
約300枚(CIPA準拠測定値) |
| 本体サイズ |
約112.5(W)×40.5(D)×74.5(H)mm |
| 重さ |
約220g(本体のみ) |
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(行正 和義)
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