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IXY DIGITAL 900 IS 光学式手ぶれ補正+広角ワイドの万能無比なIXY DIGITAL
IXY DIGITAL 900 IS
キヤノン
オープンプライス
(実売価格:5万円前後)

http://cweb.canon.jp/camera/dcam/index.html

2006年10月13日

手軽に“ぶれ”のない撮影が可能となる光学式手ぶれ補正に加え、広角側28mmという街角スナップに強力なレンズを搭載するのが「IXY DIGITAL 900 IS」だ(関連記事)。

「IXY DIGITAL 900 IS」
キヤノンの「IXY DIGITAL 900 IS」。

 今年3月に発表された“IXY”(イクシィ)シリーズ初の光学式手ぶれ補正付きデジタルカメラ「IXY DIGITAL 800 IS」(600万画素)の上位モデルにあたる製品で、撮像素子が有効710万画素になったほか、搭載する光学3.8倍ズームは広角側が28mm相当(35mmフィルムカメラ換算時)からと、IXYとしては初の広角ズーム機でもある。

前面
グレーシルバーのボディー部にレンズ周囲の鏡面仕上げがアクセントになっているという、いかにもIXYシリーズらしいフロント。

 IXYシリーズは光学2倍ズームであった初期モデルから、光学4倍ズームの800 ISまで、一貫して広角側は35mm前後であったのだが、室内や後ろに下がれない場所などでも広い範囲を一度に写し込める広角レンズの搭載はありがたい。また望遠側も105mmと、いわゆる広角35mm光学3倍ズームレンズと変わらないため、ポートレートなど撮影しがいのあるレンズとなっている。

上部
前後と右側の3種類の外装が曲面で組み合わされている。電源ボタンは普段は白っぽい樹脂製で、電源を入れるとLEDによって点灯するようになっている。

 ボディーは従来機「IXY DIGITAL 700」などに似たデザインとなっており、光学ファインダや背面のモードダイヤルなど最近のIXYシリーズに共通するデザインとなっている。なお、800 ISでは「IXY DIGITAL 80」などのように半埋め込み型のモードダイヤルを採用していたが、本機ではIXY DIGITAL 700などと同様の円形のダイヤルを搭載する。ダイヤルとはいっても一周回転するわけではなく、再生モードから動画撮影モードまで120度程度回るのみのレバーなのだが、カチッという操作感に加えてダイヤルを回転させる部分の突起に親指を当てた状態が、ちょうどカメラをホールドしやすい。

側面
右側面は鏡面仕上げとなっているが、上半分はUSBとAV出力のコネクターカバーとなっているため樹脂製なのやや安っぽいのが残念。

 本体の厚みは25.1mmで、IXY DIGITAL 700の27.4mm、800 ISの26.4mmからさらに薄くなり、実際に手に取ってみてもスリムな印象を受ける。ボディーの前後で異なる素材の外装を用い、曲面構成を生かしてデザイン上のポイントにするのは、ここ最近のIXYシリーズに共通する特徴だ。特に本機では上面が複雑な面構成になっており、3種類の素材の接合する部分に電源スイッチを設けているなど、デザイン上でやや目新しい部分もある。操作性は従来からのIXYシリーズと共通で、シャッターボタン周囲のズームレバーや背面のモードダイヤルとカーソル、FUNCボタンによる“撮影時クイックメニュー”などとなっている。

 光学式手ぶれ補正に関しては特にスイッチ類を用意しておらず、メニューからモードを切り替える。ON/OFFのほか縦方向のぶれのみ補正する“流し撮り”モードを持つのは、“PowerShot IS”シリーズなどほかの光学式手ぶれ補正搭載機と同様だ。また、画像認識によって人の顔に優先的にピント・露出合わせを行なう“フェイスキャッチテクノロジー”も搭載する。

背面
背面には2.5インチ液晶ディスプレー、光学ファインダー、モードダイヤル、カーソルと一通りのパーツが配置されつつも窮屈な印象は少ない。

 光学式手ぶれ補正機構の動作もあって駆動時間が少し長めなのは気になるところだが、バッテリー寿命は800 ISの約240枚からさらに増えて約270枚(いずれも液晶ディスプレー表示での撮影枚数)へと、丸1日持ち歩いても余裕で撮影できる程度になったのはありがたい。

付属品一覧
付属品を並べたところ。


 広角レンズでは周辺部にゆがみなどが出るかがが気になるところ。本機でも周辺の描写はやや劣化してしまい、色収差と見られる色ムラや画像のぶれが生じている。小さなレンズで広角と手ぶれ補正を両立させているのだから、ある程度やむを得ないところではあるだろう。

サンプルその1
アップ
サンプル1 ハイコントラストな画像では白く飛んだ部分の周囲などに着色がわずかに見られるが、全体的にかっちりとした描写となっている。プログラムオート、1/640秒、F3.5、ISO 80。元画像は3072×2304ドットで、それぞれ640×480ドットにリサイズもしくはトリミングしたほかの補正はかけていない。
サンプルその2
アップ
サンプル2 場所の広さや臨場感を出したいなら広角28mmがありがたい。発色も鮮やかで秋空の高さもいい感じになる。周辺部で若干描写力が落ちるのが気になった。プログラムオート、1/250秒、F7.1、ISO 80。

 また、コントラストの激しい部分ではエッジの着色が若干見られるなど、コンパクトカメラらしい弱点が見られるものの、十分な露出であればしっかりとした描写と発色が得られ、特に発色は鮮やかに彩度を強調しつつも不自然さが少ない絵作りは、さすがに“IXY DIGITAL”の名を冠する製品と思わせる。

サンプルその3
アップ
サンプル3 マクロ撮影は広角側3cm、望遠側で30cmまで近接可能。通常撮影が45cmなので、特に望遠側を用いて背景をぼかしたいときなどは撮影距離とマクロのON/OFFの選択は微妙なものになる。プログラムオート、マクロモード、1/125秒、F5.8、ISO 80。

 高感度撮影に関しては、ここ最近のIXY/PowerShotシリーズと同様だ。ざらつきは増えるものの輝度のあるノイズを抑えることによってリサイズなどで比較的きれいに見えるようにするものだが、ISO 1600ともなればかなり画像が荒れてくる。画像処理エンジンの進歩(DIGIC III搭載)もあって、800 ISの最高感度であるISO 800で比較するとノイズ感は確実に減っているように感じるのだが、やはりISO 800〜1600ではかなりざらついてくる。手持ちで撮らざるを得ない状況だとしても、できれば感度アップはISO 400程度に抑えておきたいところだ。ISO 1600の高感度モードは今期のIXY/PowerShotのラインナップの多くに追加されているが、光学式手ぶれ補正がある本機であればISO 400までに止めてもシャッター速度は1/10秒程度となり、広角であれば夜景を撮れることを考えればISO 1600もの高感度はあまり活躍の場がなさそうだ。もちろん意図的にシャッター速度を上げることで被写体(特に夜景ポートレートの人物など)の動きを防ぐという意味合いもあるだろうが、初心者がむやみに感度を上げてざらついた画像を撮ってしまうよりは、安定した画像が撮れる感度域(ISO 400程度まで)に抑えて使ったほうがいい。

サンプルその4
アップ
サンプル4 手ぶれ補正モードの「流し撮り」を使用してみた。上下方向のぶれのみを抑えるため、スポーツ写真などで重宝するだろう。プログラムオート、1/25秒、F4.5、ISO 100。

 コンパクト機でも光学式手ぶれ補正の有用さは言うまでもないことだが、やはりIXY DIGITALの携帯性さや小気味よい動作とあいまって非常に軽快に使える製品となっている。特にIXY初となる28mmからの広角ズームレンズの使い勝手もよく、普段からの持ち歩いてのスナップ、特に建物などを撮るには最適だ。

サンプルその5
アップ
サンプル5 光学式手ぶれ補正があれば1/5秒でも3段分、つまり1/40秒相当として使えるため、手ぶれなしでもなんとか撮影可能だ。手持ち撮影、プログラムオート、1/5秒、F2.8、ISO 400。
サンプルその5
アップ
サンプル6 VGAサイズにリサイズしても空にはざらつきが残るなど、やはりISO 1600ともなるとノイズ感はけっこう出てしまう。プログラムオート、1/25秒、F2.8、ISO 1600。

 単にコンパクトなだけではなく、画質や操作性、高級感のある外装などが高いレベルでバランス取れているのがIXYシリーズの魅力であるのだが、同様の高機能スタイリッシュデジタルカメラ製品も増えてきている。光学式手ぶれ補正(IS)レンズの先駆的メーカーながらコンパクト機では強いインパクトのある製品がなかった同社ではあるが、望遠機の「PowerShot S3 IS」、入門・普及型の「PowerShot A710 IS」と並んで、コンパクトスタイリッシュな本機の追加によって強力なISラインナップが揃ったと言えるだろう。

IXY DIGITAL 900 ISの主なスペック
製品名 IXY DIGITAL 900 IS
撮像素子 有効710万(総740万)画素、1/2.5インチCCD
レンズ 光学3.8倍ズーム、f=4.6〜17.3mm(35mmフィルムカメラ換算時:28〜105mm)、F2.8〜5.8
静止画撮影 最高3072×2304ドット
ISO感度 オート/高感度オート、ISO 80/100/200/400/800/1600相当
動画撮影 640×480ドット/30fps(MotionJPEG圧縮AVI形式)
液晶ディスプレー 2.5インチ低温ポリシリコンTFT(約20万7000画素)
記録メディア SDHC/SDメモリーカード/MMC(16MB付属)
インターフェース USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力
電源 リチウムイオン充電池(NB-5L)
撮影可能枚数 約270枚(CIPA準拠)
本体サイズ 89.5(W)×25.1(D)×58.0(H)mm
重さ 約150g(本体のみ)

(行正 和義)




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