2006年11月27日
カメラを向けるだけで画像の中から“人の顔”を認識し、その顔部分にピントや明るさ、人肌に合わせたホワイトバランスまでを自動調整する顔認識機能を搭載するデジタルカメラが増えてきた。10月末に発表された富士フイルムの「FinePix F31fd」は、同社としてはネオ一眼「FinePix S6000fd」に次いで顔認識機能「顔キレイナビ」を搭載する、待望のコンパクトデジタルカメラとなる。
基本スペックは今年3月発表の「FinePix F30」を踏襲
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富士フイルムの顔キレイナビ搭載コンパクトデジタルカメラ「FinePix F31fd」。 |
基本的には2006年3月に発表された「FinePix F30」(有効630万画素)に顔認識機能を搭載したもので、基本スペックや本体の外観に大きな変更はない。撮像素子に1/1.7インチ有効630万画素の“スーパーCCDハニカムVI HR”と35mmフィルムカメラ換算時36〜108mmの光学3倍ズームレンズを採用、背面には2.5インチ液晶ディスプレーを搭載するなど、基本仕様はF30と同一だ。xDピクチャーカードスロットに加えて、記憶媒体となる内部メモリーは26MBへと大容量化した(F30では10MB)。また、新たに高速赤外線通信機能“IrSimple”に対応し、赤外線経由で同社のフォトプリンター“Pivi(ピビ)”シリーズや携帯電話機へ画像をワイヤレス転送できるようになった。
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F30との違いはグリップ部の指掛かりが大きくなった点。従来の楕円形のものから四角く縦に広がって指を掛けやすくなったほか、滑り止めのラバー(黒い部分)も追加されたのはうれしい。 |
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カーソルとその周囲の4つのボタンによって操作のほとんどが済むというインターフェースはFinePixコンパクト機に共通するもの。ズームボタンの下にある7個の丸いポッチはラバー製で、親指を当てた際の滑り止めになっている。 |
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最高ISO 3200相当までの高感度撮影や、高感度撮影とフラッシュ+低感度撮影を連写して好みの画像を選べる“高感度2枚撮り”、フラッシュのプリ発光による自動調光機能“iフラッシュ”など、F30に備わったさまざまな撮影機能はそのまま継承する。撮影モードはオート、マニュアル(露出補正が可能)、“A/Sモード”(絞り/シャッター速度優先)などを本体上部のモードダイヤルで変更するもの。A/Sモードでは絞り優先にするかシャッター速度優先にするかをあらかじめメニュー内で設定しておき、絞り値かシャッター速度はカーソルで指定する。
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FinePixシリーズで最近用いられているデザインスキームであるL字型モノコックが採用されており、背面から右側面にかけて厚い金属の1枚板で構成され、手に取ったときの剛性感は高い。上面のモードダイヤルで撮影モードを切り替え、高感度によって手ぶれを防止するモードもダイヤルポジションのひとつとして用意されている。 |
本体デザインは直方体形状のボディーに沈胴レンズを配置したオーソドックスなタイプで、ボタン類の配置にも大きな変更はない。本体前面に右側にある指掛かりが大型化し、グリップしたときのホールド性はよくなった。“顔キレイナビ”のON/OFFはカーソル右下にある“露出補正”ボタンと兼用になっており、撮影モードがオートの時は顔キレイナビに、M(マニュアル)モードでは露出補正に、A/Sモードではそれぞれの値をカーソルで変更するためのトグルとなっている。顔キレイナビを使用した際には人の顔に合わせた自動露出となるため、露出補正ボタンとの兼用には問題ない。
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左側面にはラバー蓋内にAV出力兼USB端子とDC入力端子を備える。フタの上にある黒い部分が赤外線ポート。 |
確かに強力な顔キレイナビ
新機能である顔キレイナビも強力だ。本機は顔認識用処理エンジンを搭載した新・画像処理チップの採用などにより“世界最速”を謳うだけあって、カメラを人に向ければほぼ瞬時と言っていいほどの反応速度で画面上の顔にカーソル(四角形のインジケーター)が表示されてAFが効く。
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顔キレイナビはかなりクイックに動作する。印刷物などを含めてテストしたが、風景の中からの顔の認識や動いている被写体への追従なども非常に高速だ。 |
最近のコンパクト機の多くが搭載している顔認識AF・AEだが、カメラに搭載するプロセッサーの処理速度の限界から顔認識が遅れて1秒前後かかってしまうものもある。顔認識AF・AEは記念写真などのスナップ向けということもあって、撮影時に被写体を待たせてしまっては意味がない。画像処理プロセッサを新規に起こしてでも高速化を図ったという同社の姿勢は高く評価できるだろう。
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同梱品はUSBケーブルとAVケーブル、ACアダプターなど。本体下部は半分程度が大きく開いて電池とxDピクチャーカードスロットが現れる。 |
基本機能がほとんど同じなので使い勝手そのものはF30と変わりなく、撮影画像に関しても同社ならではの明るくて彩度が高い発色はなかなかのもの。自動露出やホワイトバランスなど、ほとんどの場合でぴったりと決まるのは同社ならではだ。
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サンプル1 鮮やかでくっきりとした発色はFinePixシリーズならでは。細部もシャープ感のある仕上がりとなっている。元画像は2848×2136ドット、絞り優先オート、シャッター速度1/170秒、F8.0、ISO 100。640×460ドットにリサイズおよびトリミングしている以外の画像補正はかけていない。 |
もうひとつの新機能である赤外線通信による画像転送・印刷機能も面白い。IrSimpleは従来のIrDA赤外線転送方式に比べて4〜10倍の速度を実現するという高速転送方式で、プリンターや携帯電話機などへのデータ転送のためにプロトコル(手順)が最適化されたもの。1枚あたり1MBを軽く超えるようになったデジタルカメラ画像を転送する際は、従来の赤外線転送(IrDA)では10〜20秒かかってしまい、その間は赤外線受光部からずらさないように保持する必要があるなど使い勝手がいいとは言えなかった。
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IrSimple対応のプリンターで出力してみた。“送信”すれば5〜6秒でデータが転送して印刷開始されるのはなかなか快適。 |
実際に対応プリンターに印刷してみたところ、1枚印刷するためにわずか5〜6秒の転送時間で済んで、転送に待たされるという意識はほとんどなかった。カメラからの印刷手順にしても、再生時のメニューから“赤外線通信”を選んで“送信”を押すだけと文字通りシンプル。インクジェット複合機など対応するプリンターも増えてきていることを考えれば、今後はダイレクトプリントにおける赤外線通信の需要も増えてきそうだ。
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サンプル2 マクロは最短5cmまで近接可能。ややシャープネスがきつめの印象はあるもののきっちりとした印象となった。プログラムAE、シャッター速度1/300秒、F7.1。 |
F30は高感度による手ぶれ防止など、スナップ機として手ごろな機能とサイズにまとまった製品で、絞り優先/シャッター速度優先撮影もできるなど使いでがあるモデルだ。今回のFinePix F31fdはさらに顔認識機能を搭載したことにより、スナップカメラとしての完成度がいっそう高まったと言えるだろう。
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サンプル3 最高感度であるISO 3200での撮影ではやはりノイズが多めとなる。とはいえ夜景でもなんとか手持ち撮影できる程度のシャッター速度で撮れるのはありがたい。プログラムAE、シャッター速度1/10秒、F2.8、ISO 3200。 |
| FinePix F31fdの主なスペック |
| 製品名 |
FinePix F31fd |
| 撮像素子 |
有効630万画素、1/1.7インチスーパーCCD ハニカムVI HR |
| レンズ |
光学3倍ズーム、f=8.0〜24.0mm(35mmフィルムカメラ換算時:36〜108mm)、F2.8〜5 |
| 静止画撮影 |
最大2848×2136ドット |
| ISO感度 |
オート、ISO 100/200/400/800/1600/3200相当 |
| 動画撮影 |
640×480ドット/30fps(MotionJPEG圧縮AVI形式) |
| 液晶ディスプレー |
2.5インチTFT(約23万画素) |
| 記録メディア |
内蔵26MBフラッシュメモリー、xDピクチャーカード |
| インターフェース |
USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力、DC入力(ACアダプター別売)、IrSimple |
| 電源 |
専用リチウムイオン充電池(NP-95) |
| 撮影可能枚数 |
約580枚(CIPA準拠) |
| 本体サイズ |
約92.7(W)×27.8(D)×高さ56.7(H)mm |
| 重さ |
約155g(本体のみ)/195g(装備重量) |
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(行正 和義)
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