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3倍録画機能をサポートしたDVカメラ
FV20
キヤノン
16万円
キヤノン販売 カメラ相談センター
03-3455-9353
http://www.canon-sales.co.jp/dv/product/fv20.html
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2001年03月23日
キヤノンの「FV20」は、スタイリッシュなデザインが印象的な、シューティングスタイルのデジタルビデオカメラ。コストパフォーマンスが高いことで知られる「FV10」の後継モデルで、標準価格16万円とリーズナブルな価格設定ながら「長時間記録モードの搭載」「プログレッシブフォト撮影」など、より多くのシチュエーションに対応できるような機能を追加している。ここではFV20の基本的なスペックと、注目の新機能についてご紹介しよう。
手堅くまとめた基本スペック
スタイリッシュな外観も魅力
まず最初に、FV20の基本的なスペックを見てみよう。ビデオカメラの目(網膜)ともいえる映像素子は約48万画素(有効画素数29万画素)の1/4インチCCDを採用し、ズームは最大で光学10倍、デジタル併用で200倍に対応。プログラムAEは、すべてをカメラに任せる「全自動」、基本的にはカメラに任せるもののユーザーが設定を細かく変更できる「オート」、動きの激しい映像の撮影に最適な「スポーツ」、絞りを開けることにより被写体を引き立てる「ポートレート」、発表会の舞台の撮影などに最適な「スポットライト」、雪原などでの撮影時に被写体が白トビしてしまうのを防ぐ「サーフ&スノー」、全体的に暗いシーンで使用する「ローライト」の7種類を用意している。
フォーカスはオートのほか、ユーザ自身の手による操作(マニュアル操作)にも対応。遠景や近景を効果的に活用するかたちで撮影を行う場合や、オートではピントが合わない場合に重宝するだろう。ただし、フォーカスの調整は本体横のダイヤルにより行うため、手持ちで被写体を追いかけるような状況での使用には向いていない。 なお、AEシフトは±2の間の15段階、シャッタースピードは1/60〜1/8000の8段階による調整に対応している。このようにビデオカメラとしての基本スペックはほぼ従来どおりで、非常に手堅くまとまっている。
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3色に輝くイルミネーションパネル。カメラモードではマニュアルフォーカスやAEシフトを実行するためのトグルとして、再生モードではDVCのコントローラとして機能する。 |
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液晶モニタのサイズは2.5インチ。サイズとしては大きいものではないが、映像の確認に支障はない。ちなみに、液晶モニタの周囲には、グレーのトランスルーセントパネルが付いている。 |
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SDカードスロット。FV20ではこのスロットに挿し込んだSDカードもしくはMMC(マルチメディアカード)に、静止画(プログレッシブフォト)の記録が可能だ。プログレッシブフォトの解像度は640×480ドットと、35万画素のデジタルビデオカメラに相当する。 |
豊富な長時間記録モードを搭載
3倍の記録時間を実現するELPモード
FV20の最大の特徴は、なんといっても「豊富に用意された長時間記録モード」に尽きる。通常の「SP」モードの1.5倍の記録時間をサポートする「LP」モードに加え、「ESP」「ELP」という2つの長時間記録モードを搭載している。これらの搭載は、キヤノンによればデジタルビデオカメラでは初の対応だという。ESP/ELPモードは、ともにDVフォーマットで規定されている(素性のたしかな)記録モードで、SP/LPモードに対してそれぞれ2倍の記録時間を実現できる。つまり、ESPモードではSPモードに対して2倍の、ELPモードの場合は3倍もの時間の記録に対応する。たとえば、80分仕様のDVC(デジタルビデオカセット)にESPモードで記録すると160分、ELPモードで記録する場合は240分もの映像を収録できるようになる。DVCは時間あたりのコストが高い(60分のメディアで850円前後が相場)だけに、これはかなりおいしい話だ。長時間にわたる撮影を必要とする状況――たとえば、研修会や講演会といったイベントのログの作成など――には重宝するだろう。
ただし、ESP/ELPモードを使用するにあたり、注意しなければならないポイントが2つある。ひとつめは撮影した映像の質感、つまり画質について。ESP/ELPモードでは映像の圧縮率をSP/LPモードの1/5から1/10に引き上げることで1フレームに必要なトラック数を減らし、DVCに記録する時間を稼いでいる。このため、ESP/ELPモードで記録した映像は(SP/LPモードで記録した映像と比較すると)描写が甘く、また、色の再現性も落ちることになる。映像の質感を大事にする場合は、SP/LPモードでの記録がベストだ。
下には、SPモード(通常)とELPモード(3倍)のサンプルを掲載した。ELPモードの映像は、PCで直接扱う手段がなかったため、FV20からのアナログ出力をソニーのメディアコンバータ「DVMC-DA2」でDVデータに変換し、そのデータをDV Raptorでキャプチャすることで画像を得ている。また、SPモードは、ELPと同様のアナログ経由、そしてIEEE1394接続によるデジタルキャプチャの両方を掲載した。このように並べて比較すると、一目見ただけで画質にかなりの開きがあることがわかる。具体的には、FV20によるELPモードの映像はSPモードの映像に対して絵のディテールが甘く、寝ぼけた感じになってしまう。また、発色も全体的に淡白で、深みがなくなる。サンプルの木の幹の重なり具合や枯草の発色で、特によく確認できるだろう。この画質の差をどのように判断するかが、ESP/ELPモードを使ううえでのポイントとなるだろう。
SPモードとELPモードの画質比較
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SP |
SP(アナログ経由) |
ELP(アナログ経由) |
| SCENE 1 |
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| SCENE 2 |
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他社の対応を望みたいESP/ELPモード
長時間記録は大きなメリット
そしてもうひとつ、ESP/ELPモードで記録した映像の再生や、DVポート経由でのDVデータのコピー(=映像のデジタルコピー)は、ESP/ELPモードを搭載するDV機器でなければ基本的に対応できない。しかも、現時点ではESP/ELPモードに対応するDV機器そのものが非常に少ない(なにせ3月中旬現在でESP/ELP対応を謳っているDV機器はFV20しかない)。これはPCとの連携に関しても同じことが言える。つまりは、FV20のELPモードで映像を記録したDVCを他のDV機器で再生したり、IEEE1394経由でデジタルのままPCに取り込んで編集したりすることは、現状ではできないと考えてよい。
試しに、ESP/ELPモードで記録したDVデータを、Texas Instruments製コントローラを搭載したIEEE1394インターフェイスとユーリードのビデオ編集ソフト「Ulead VideoStudio 4」の組み合わせと、カノープスのDVキャプチャデバイス「DV Raptor」で試してみたが、どちらもデータのデコードを適切に実行できなかった。さらに、カノープスに対してFV20の対応状況(ESP/ELP含む)と今後のサポートの可能性について問い合わせたところ「FV20の動作は未確認で、今後の対応は未定」とのことだった。ESP/ELPモードは今後多くのDV機器でサポートされるであろうフォーマットだけに、カノープスほか関係メーカー各社には、ぜひともその対応をお願いしたいところだ。
ESP/ELPモードにはこのようにちょっと気をつけなければならない点もあるが、それでも、長時間記録できるメリットは大きい。メリットとデメリットを見極めたうえで、有効に活用したい。FV20本体の価格は16万円。店頭での実売は11万円前後といったところだ。実際にはこれに加え、アクセサリキット(バッテリパックやACアダプタなど、FV20を使うのに必要なキット)の価格がプラスされることになる。アクセサリキットの価格は1万6000円。アクセサリキットを含めても、10万円台前半で入手できるわけだ。性能に関しては前述のとおりで、そのコストパフォーマンスは非常に高い。映像を気軽に楽しみたい、また、ビデオカメラをもっといろいろなシチュエーションで活用したい――といった人に最適なビデオカメラだ。
| CCD |
1/4インチ46万画素(有効29万画素) |
| 液晶モニタ |
2.5インチ |
| レンズ |
明るさF1.8〜2.9/焦点距離f4.2〜42mm |
| ズーム |
光学10倍/デジタル200倍 |
| 手ぶれ補正 |
電子式 |
| ホワイトバランス |
オート/セット/屋内/屋外 |
| サイズ |
57(W)×134(D)×102(H)mm |
| 本体重量 |
約540g |
(伊藤裕也)
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