2003年12月2日
ブリックパックに入る超小型ボディ
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250mlのブリックパックとの比較。幅・奥行きはほぼ同じだが、高さではIP1Kのほうが低く、小ささが際立つ。ブリックパックにはさまざまな大きさのものがあるのでこの比較はあくまでもひとつの例だが、小さいことはおわかりいただけるだろう。 |
ソニーのデジタルビデオカメラのラインナップには、業務に堪える高性能3CCDモデルから気軽に使える軽量コンパクトなハンディタイプまで、さまざまなものが存在する。そんなラインナップで特に異彩を放っているのが、ビデオフォーマットにソニーオリジナルの「MICROMV」(マイクロエムヴィ)を採用し、メール・Webブラウザとしての機能も搭載する「DCR-IP」シリーズだ。
このDCR-IPシリーズの新製品として10月に発売されたのが、「Handycam DCR-IP1K」(以下、IP1K)だ。映像を気軽に楽しむため持ち歩きやすさ(携帯性)に重点を置いた軽量コンパクトなモデルで、ネットワーク機能こそ搭載しないもののMICROMVでの撮影に加えてメモリースティックDuoへの静止画・動画記録、さらにはPCとの連携など、コンパクトサイズながらも豊富な機能を搭載している。
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左側面には2インチの液晶モニタとバッテリを搭載する。なお、標準搭載のバッテリは「NP-FF51」で、IP1Kの液晶バックライトをオンにした状態だと40分〜1時間分程度使用できる。長時間の撮影を考えるなら、予備のバッテリが欲しいところだ。 |
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右側面にはMICROMVカセットのユニットがあるのみでボタン類は一切なく、シンプルなデザインとなっている。 |
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IP1Kでまず驚くのはボディサイズと重量だ。本体は39(W)×69(D)×91(H)mmで、250mlのブリックパックにも入ってしまう小ささ。このサイズなら、パンツのポケットに入れて持ち歩くのもラクラクだ。手の中にすっかり収まるサイズで話題を呼んだ同社のMICROMV対応ビデオカメラ「Network Handycam DCR-IP7」と比較しても、約30%ものコンパクト化に成功している。
重量はバッテリを外した状態で約230gで、標準添付のバッテリ(NP-FF51)とテープを加えても約280g。普段からカバンに忍ばせておくこともできそうだ。
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本体前面にはレンズのほかにバッテリの充電状態などを示すLEDが搭載されている。レンズはもちろんカールツァイスだ。 |
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背面。録画ボタンにフォトボタン、ズームスライダーと撮影に最低限必要なボタンが集中的にレイアウトされている。 |
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カメラ部は光学10倍のズームレンズと総画素数107画素の1/5インチCCDの組み合わせで、デジタルズームを併用することで最大120倍のズーム撮影に対応。手ぶれ補正は電子式で、プログラムAE(露出調整)はオートのほか絞り優先、シャッタースピード優先など6モードをサポートしている。フォーカスとホワイトバランスはオートに加え、マニュアル操作も可能だ。
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MICROMVカセットのセットは一般的な縦型のDVビデオカメラ同様に、本体側面から行う。 |
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MICROMVカセットの大きさは46(W)×8.5(D)×30.2(H)mm。一般的なビデオカメラで使われているminiDVカセットと比較すると、その小ささがよくわかる。 |
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VTR部は冒頭で触れたとおりMICROMVを採用。MICROMVとはビデオの圧縮・復元にMPEG-2を採用するビデオフォーマットで、家庭向けのデジタルビデオ規格であるDVと同じフレームサイズ・フレームレート(720×480ドット/29.97fps)の映像を12Mbpsで記録できる。記録メディアはminiDVカセットよりも一回り小さな専用のテープカセット「MICROMVカセット」を使う。なお、現在市場に流通しているMICROMVカセットは最大60分の記録に対応する「MGR60」のみ。
撮影開始まで2アクション
撮りたいモノを“即”撮れる
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IP1Kを手で持ったところ。小柄な女性の手でも楽に持つことが可能だ。 |
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背面の録画ボタンとズームスライダーは、IP1Kを手で持ったときにちょうど親指の部分に当たるよう設計されている。 |
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本体デザインはIP7を一回り小さくしたようなスタイルで、本体上側にレンズとマイク、左側面に2インチの液晶モニタを搭載。背面にはズーム操作のためのスライダーに録画・フォトボタン、モード切替の機能を兼ねた電源スイッチなど撮影に最低限必要なボタン類が並ぶ。ビデオカメラとしては珍しくビューファインダーが省かれているが、気軽に片手で撮影するスタイルでは特に問題ない。
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メニューの操作はタッチパネル。液晶パネルは2インチと小さいながらも、メニューの文字などが大きいことからわかりにくさは感じられない。ただ、操作がシビアなので指の太い人などは誤操作しやすいかもしれない。 |
メニュー操作はタッチパネル方式で、設定項目はプログラムAEなどを扱う「カメラ設定」、日時などを扱う「基本設定」といった具合にカテゴリごとにわかりやすく整理されている。よく使う設定項目をメニューに登録することで、自分なりに使いやすくカスタマイズが可能だ。
撮影開始は、単純に撮影するだけなら電源スイッチをオンにして録画ボタンを押すだけの2アクションでOK。電源と連動して開閉するレンズカバーを搭載しているため、レンズキャップを外す“ひと手間”もない。撮影したくなったところで即座に撮影を開始できる機動性の高さはうれしい。
撮影時の操作では、ボディの小ささからレンズやマイクに指がかかったりズームスライダーの操作時にカメラがぶれやすいなど、手で持つ位置に気をつけたり撮影しながらのズームは控えるといった注意が必要だ。また、フォーカスのマニュアル操作タッチパネルからの操作となるため、撮影しながらの設定変更がやや難しい。従ってIP1Kの使用スタイルとしては、基本的にフルオートのコンパクトカメラやデジタルカメラと同様、カメラにお任せで撮影しつつ、状況に応じて一部設定をメニューからロックする――といった形になる。
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撮影サンプル1(オリジナルサイズ、720×480ドット) |
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撮影サンプル1(320×240ドットにトリミングして、640×480ドットにリサイズしたもの) |
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撮影サンプル1 MICROMVによる撮影サンプル。風に揺られる木の葉のように動く細かいものの表現は甘くなる傾向にあるものの、解像度が高いだけあって建物の描写などは細部までしっかりしている。 |
気になる映像品質は、水面の描写などMPEGが苦手とする映像の表現では甘めの描写となるなどDVと厳密に比較すると分が悪いものの、実際に映像をTVや液晶モニタで見る限りはさほど気にはならない。IP7では発色が若干浅めになる印象を受けたものの、IP1Kでは新たに搭載された14bit A/Dコンバータなどの効果で改善されている。全般にコンパクトサイズのビデオカメラとしては健闘している。詳しくは撮影サンプルをご覧いただきたい。
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撮影サンプル2(オリジナルサイズ、720×480ドット) |
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撮影サンプル2(320×240ドットにトリミングして、640×480ドットにリサイズしたもの) |
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撮影サンプル2 MICROMVによる撮影サンプルその2。波打つ水面のようにMPEGが苦手とする冗長性の低い映像では、ブロックノイズが発生しやすい。もっとも、実際に動いている映像を見る限りはそれほど気にはならないだろう。 |
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静止画の撮影サンプル。 |
静止画撮影はメガピクセル対応
PCとの連携も強力に
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ハンディカムステーションと本体をドッキングさせたところ。ステーションの下部は回転するようになっていて、本体の向きを調整可能だ。 |
IP1KではMICROMVカセットに対する映像の記録はもちろん、メモリースティックDuoに対する静止画・動画の記録にも対応する。
静止画撮影でサポートするフレームサイズは1152×864/640×480ドットで、100万画素相当のデジタルカメラとして使用可能だ。動画に関してはデジタルカメラの動画撮影機能をイメージさせるもので、フレームサイズが352×240/144×96ドットのフルモーション(30fps)動画記録をサポート。ビデオフォーマットにMPEG-1を採用する点は従来(DCR-IPシリーズ)から変更ないが、IP1Kでは一度の撮影で記録可能な時間の制限が撤廃され、メモリースティックDuoに空きがある限り続けて録画できるようになった。これにより機能の名称も「MPEGムービーAX」と変更されている。記録した動画は従来どおりWindows Media Playerで再生可能。メモ代わりにちょっとした動画を記録し、すぐPCに転送したい場合にはMICROMVで記録するよりも手軽だ。状況に応じて使い分けたい。なお、従来のDCR-IPシリーズと同様、MICROMVや外部ビデオ入力からの映像をメモリースティックDuoに対してダビングすることも可能だ。
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付属のリモコン。再生・録画のどちらにも使用できる便利なアイテムだ。こちらももちろん本体同様ポケットサイズとなっている。 |
PCとの連携は、付属の「ハンディカムステーション」とソフトの組み合わせにより実現している。ハンディカムステーションは4ピンのIEEE1394(i.LINK/MICROMV)とUSB、AV入出力端子を搭載するドッキングステーション。MICROMVカセットの映像やメモリースティックDuoに記録した映像・静止画の入出力が行えるほか、電源端子の搭載によりIP1Kを接続するだけでバッテリの充電も開始される。
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ビデオのキャプチャや編集処理を実行できる「Movie Shaker 3.1 for MICROMV」。ビデオ編集の方法にはストーリーボードを採用、初めてビデオ編集をする人でも理解しやすい構成となっている。編集した結果をMICROMVに書き戻すことも、モチロン可能だ。 |
MICROMVとPCとの間で実際に映像をやりとりするソフトは、ソニーオリジナルのビデオミキシングソフト「MovieShaker 3.1 for MICROMV」(以下MS 3.1)。PCへの映像の取り込みは、映像を確認しながらリアルタイムにキャプチャボタンを押すほか、あらかじめ指定した複数のシーンを後からまとめてPCに取り込む“バッチキャプチャ”、MICROMVに録画したすべての映像をまとめて取り込む“ダビング”といった機能も搭載するため、複数シーンのキャプチャも簡単に実行できる。MS 3.1ではトリミングや複数シーンの連結、字幕スーパーの挿入なども可能で、簡単なビデオ編集ならMS 3.1だけで対応可能だ。
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VAIOに付属するDVD作成ソフト「Click to DVD」。お任せモードを使うと、たったの2ステップでMICROMVに記録されたデータをすべてPCに転送し、その映像をDVDレコーディングメディアに対してDVD-Videoとして保存できる。VAIOユーザーにはうれしい付加価値だ。 |
なお、ソニーのデスクトップ/ノートパソコン“VAIOシリーズ”を所有しているユーザーなら、VAIOに収録されているDVD作成ソフト「Click to DVD」を使うことによりMICROMVで撮影した映像を最短2ステップでDVD-Video化できる。VAIOユーザーにはうれしいポイントといえよう。
価格は16万円で、店頭での実売は12万円台後半あたりとなっている。パッケージにはACアダプタやハンディカムステーション、ソフト類など撮影に必要なものがすべて収録されているので、アクセサリキットの購入などでほかに出費がかかることはない。
メモリに記録するタイプのビデオカメラや動画撮影機能つきのデジタルカメラを探せばIP1K以上にコンパクトなモデルもあるものの、それらはビデオフォーマットが低解像度のMPEG-1やMPEG-4となる。映像のきめ細かさで考えるとDV記録のビデオカメラが断然有利だが、IP1Kは、このDVと同じ記録解像度を維持しながら、ポケットサイズを実現している。このバランスがIP1K最大の魅力だ。
コンパクトなデジタルカメラを扱う要領で気軽に持ち歩き、スナップ感覚で映像を撮影したい人にお勧めしたい。
| Handycam DCR-IP1Kの主なスペック |
| 製品名 |
Handycam DCR-IP1K |
| 撮像素子 |
1/5インチ有効69万画素(動画時)もしくは有効100万画素(静止画時、総画素数107万画素)CCD |
| レンズ |
光学10倍ズーム(デジタル120倍)、f=3.2〜32mm(35mmフィルムカメラ換算でのテープ記録時:46〜460mm/メモリーモード時:38〜380mm)、F1.8〜2.3 |
| 手ぶれ補正 |
電子式 |
| 記録方式 |
映像:MICROMV/MPEG-1、静止画像:JPEG |
| 記録画素数 |
MICROMV:720×480ドット、 MPEG-1:352×240/144×96ドット、 JPEG:1152×864/640×480ドット |
| 記録媒体 |
MICROMV:MICROMVカセット、 MPEG-1/JPEG:メモリースティックDuo |
| 液晶モニタ |
2インチ液晶モニタ(21万画素) |
| インターフェイス |
IP1K本体:AV入出力、 ハンディカムステーション:USB、IEEE1394(I.LINK/MICROMV)、AV入出力 |
| バッテリ |
インフォリチウムFバッテリ |
| 本体サイズ |
39(W)×69(D)×91(H)mm |
| 重量 |
230g(本体のみ)/約280g(装備重量※NP-FF51使用時) |
| 付属ソフト |
MovieShaker 3.1 for MICROMV、ImageMixer 1.5 for Sony |
| 付属品 |
バッテリ(NP-FF51)、ACアダプタ、リモコン、ハンディカムステーション、メモリースティックDuo(8MB)、ほか |
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(伊藤 裕也)
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