月刊アスキー 2004年10月号 2005年2月28日
LGA775世代となって、マザーボード各社はそれぞれの独自機能もさらに強力に進化させてきた。ASUSTeKの最新マザーボードに導入された新機能を中心に見ていこう。
負荷を瞬時に検知する
AI NOS
ASUSTeKの独自機能は、これまで“ASUS AI”としてアピールされてきたが、LGA775世代からはそれをより強化するとともにいくつかの新機能を加え“Ai Proactive”に進化した。“Proactive”とは英語で「先のことを考えた」「事前に対策する」といった意味。文字どおりユーザーニーズを先取りしたインテリジェントなフィーチャーというわけだ。
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画面1 AI NOSを利用するにはBIOSセットアップの「JumperFree Configuration」から「AI Overclocking」を「AI NOS」に設定する。 |
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画面2 「NOS Mode」の詳細説明はないが、「Sensitive」は負荷に敏感に反応し、「Heavy Load」はピーク時を長く保つものと推測される。 |
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そのAi Proactiveの大きな柱となる新機能がこの「AI NOS(Non-delay Overclocking System)」だ。自動オーバークロック機能の一種だが、これまでのAI Overclockingと違うところは、通常時は定格で動作しつつ、システムの負荷が増した時のみオーバークロックを行なうというもの。常時オーバークロックして無駄な電力を消費することなく、必要なときだけハイパワーを得られるというわけだ。そして、「このシステム負荷」の検知は、電流の増減で判断するため他社の同等機能よりもより高速にできるとしている。
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画面3 「Turbo NOS」は、NOSで自動オーバークロックする上限率。3%から20%まで、6種類から選べるようになっている。 |
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画面4 「Twin Turbo NOS」では負荷に応じて2段階で調整するようだ。オーバークロック率はTurbo NOSでの設定値以上の設定のみが表示される。 |
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NOSの設定はBIOSで行なうが、設定が豊富なわりにその解説は十分でない。そこでいろいろ設定を試してみた。NOSのモードには、オーバークロック率を含め完全自動の「Auto」のほか、「Standard」「Sensitive」「Heavy Load」とある。PCMark04のテスト結果を見ると、それぞれの比較では後ろに行くほどピーク性能の時間が長いように思えるが、どれもオーバークロック率の低い「Auto」と比較して、性能的に物足りない。
一方、エンコードのテストではCPU負荷が常時ピークとなるためか、オーバークロック率どおりの結果となったが、設定ごとの差はまったくなかった。また、2段階調整する「Twin Turbo」は、PCMark04ではむしろ逆効果という結果になってしまった。エンコードでは高速化するが中間のクロックでとどまることがないので2段階調整にする意味は薄いだろう。ちなみに、AI NOSもAI Overclockingも機能として提供されるだけであって、オーバークロック状態での動作を保証するものではない。利用はくれぐれも自己責任で行なっていただきたい。
●ベンチマークテスト結果
●PCMark04
●Windows Media Encoder9
PCMark04では処理に応じてクロックの変更が行なわれるが、Windows Media Encoder9ではいったんピークまで上がると最後までそのままだった。NOSのモードごとの性能はPCMark04では出ているが、オーバークロック率の割にスコアは物足りない。また、Twin Turbo設定はPCMark04では逆効果で、エンコードではオーバークロック率に応じた結果だが、すぐピークに達してしまうので、2段階調整自体の意味がない印象だ。
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●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- マザーボード
- P5GD2 Premium
- グラフィックス
- Extreme AX600XT/TD(RADEON X600XT)
- OS
- Windows XP(SP1)
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FSBリミッターを解除する
オーバークロック機能
通常Intel 925XやIntel 915P/Gチップセットには、FSBクロック224MHz(QDRデータ転送によりFSB894)を上限にリミッターが設定されているという。実際、多くのマザーボードは、この上限を越えることができない。これは近いうちに登場するFSB1066(クロック266MHz)のPentium 4との差別化をきちんと図るためと思われるが、ASUSTeKのマザーボードは、リミッターを超えてFSBクロックを設定できるような独自設計を導入しており、同社によると最大278MHz(FSB1112相当)の実績があるという。
今回は試しにCPU倍率が変更できるES(エンジニアリングサンプル)のPentium 4を使ってFSBをアップさせてみた。今回の環境ではどんなに倍率を下げてもFSBクロックを266MHzで動作させることはできなかったが、クロック240MHz(FSB960)での動作は可能で、たしかに224MHzのリミットを超えることはできた。
●PCMark04(SYSTEM)ベンチマークテスト結果
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FSBクロック240MHzでの動作が実際に可能で、ASUSTeKのボードならFSBリミッターを超えられることを実証した。 |
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●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- マザーボード
- P5GD2 Premium
- グラフィックス
- Extreme AX600XT/TD(RADEON X600XT)
- OS
- Windows XP(SP1)
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意外に効果は大きい
PEG Link Mode
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画面1 PEG Link Modeのモードは、BIOSセットアップで調整できる。デフォルトは「Auto」。 |
ASUSTeKのマザーボードは「PEG(PCI Express Graphics)Link Mode」という独自のグラフィックス高速化機能を持っている。PEG Link ModeはBIOSで手動調整できるようになっているので、設定を変更して試してみた。結果は、「Normal」と「Faster」のスコア差が3DMark03で200以上あり、意外にも大きな効果があることが分かった。この仕組みについて同社から詳細な説明はなく、何をやっているのか分からない点に一抹の不安はあるが、今回試した限りではどのモードにおいてもテスト中に不安定な動作は見せなかった。
●3DMark03ベンチマークテスト結果
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手動で、Normal、Fast、Fasterへと設定変更するごとに着実にスコアを伸ばした。 |
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●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- マザーボード
- P5GD2 Premium
- グラフィックス
- Extreme AX600XT/TD(RADEON X600XT)
- HDD
- MaXLineIII 250GB
- OS
- Windows XP(SP1)
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メモリレイテンシを削減する
HyperPath 2
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画面1 HyperPath 2の有効/無効はBIOSセットアップから変更できる。デフォルトはAuto。 |
「HyperPath 2」は、メモリレイテンシを削減する機能。従来875PチップセットのPATと同じような働きをするものだ。875PのPATはノースブリッジ内部のデータ経路を最適化するものだったが、925Xチップセットで導入された、915Pや915Gにはないメモリアクセス最適化機能は、これとはまったくしくみが異なるものだ(詳細は明らかにされていない)。HyperPath 2は、915Pで925X相当の性能を出せるようにするものではなく、925Xおよび915P/Gで、従来PATを使えるようにしたものと考えられる。HyperPath 2によりメモリアクセスは着実に高速化するが、HyperPath 2を使っても925Xには及ばないようだ。
●Sandra2004 SP2 メモリ帯域ベンチマークテスト結果
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Intel 925XとIntel 915Pの間には歴然としたメモリアクセス性能の差があるようだが、HyperPath 2の効果はしっかり現れている。 |
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●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- マザーボード
- P5GD2 Premium
- グラフィックス
- Extreme AX600XT/TD(RADEON X600XT)
- OS
- Windows XP(SP1)
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電力ゼロで冷却できる?
StackCool
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写真1 StackCoolは、P5シリーズ裏面に貼られた特殊プレートから熱を逃がし、ボード上の温度を下げるフィーチャーだ。 |
Ai Proactiveの目玉的なフィーチャーとされているのが、この「StackCool」だ。ガラス素材を銅で挟んだ特殊なプレートをPCB底面に貼り付け、ボード上の発熱を逃がすというしくみ。電力をいっさい消費することなく、マザーボード上の温度を10℃下げる効果があるという。そこでStackCoolの有無でどのくらい周辺温度が違うか比べてみた。LGA775ではCPUクーラーもmPGA478に比べて周辺温度の冷却に有利になっているため単純な比較はできないが、最大20℃前後の温度差があった。使用後はPCB裏のプレートに熱が集まっていたことからも相当効果は高いと思われる。
●StackCoolテスト結果
| メモリソケット側 | レギュレータ付近 |
P5GD2 Premium (LGA775/StackCoolあり) | 35〜38℃ | 43〜62℃ |
P4GD1 (mPGA478/StackCoolなし) | 36〜40℃ | 50〜81℃ |
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エンコード中のCPUソケット周囲の温度を放射温度計で計測。単純な比較はできないものの、P4GD1は全体的に高いうえ、きわめて高温な部分がいくつかあったのに対し、P5GD2 Premiumは60℃あたりを上限に安定して低い温度を保っていた。
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●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)、Pentium 4 3.40EGHz
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- CPUクーラー
- ともにリテールパッケージ付属のもの
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(鈴木 雅暢)
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