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Socket939対応Athlon 64特集 Part.1 CPU/プラットフォームの性能と消費電力を再検証
Socket939対応Athlon 64特集 Part.1

月刊アスキー月刊アスキー 2005年5月号
2005年7月11日


Athlon 64の性能と消費電力

Windows XP Professional x64 Editionの登場を近くに控え、俄然注目を浴びているAthlon 64にフォーカス。気になる性能や消費電力などを改めて検証する。

3種類のコアが混在
省電力のWinchesterが人気

Athlon 4000+(CrawHammerコア)
Athlon 4000+(CrawHammerコア)
Athlon 3800+(NewCastleコア)
Athlon 3800+(NewCastleコア)
Athlon 3500+(Winchesterコア)
Athlon 3500+(Winchesterコア)
●【Socket939版Athlon 64】 左からAthlon 4000+(CrawHammerコア)/3800+(NewCastleコア)/3500+(Winchesterコア)。見た目の違いはほとんどない(マーキングのみ)。キャパシタなどは表面のヒートスプレッダの下に装着されており、裏面は全面ピンとなっている。

 AMDが1999年秋にx86の64bit拡張技術として“AMD64”(当時“x86-64”)を発表してから5年半あまり、Windows XP Professional x64 Editionの登場を近くに控えた今(編集部注:4月23日に店頭販売が開始されている)、ようやくコンシューマレベルでも64bitコンピューティングが現実的なものになろうとしている。そして、これを機会に、市場での存在感を増しているのが、そのAMD64に対応したAthlon 64だ。当初からAMDがアピールしていたように、Athlon 64/Athlon 64 FX/Opteronは、ソケットの形状を問わず、すべての製品でAMD64をサポート。ハードウェアレベルでは2年以上前から64bit Readyといえた。

 AMD64対応CPUは、同社おなじみとなったモデルナンバーでグレード分けされている。一般向けの主力であるSocket 939版Athlon 64は、1万円台半ばで購入できる3000+から、最上位モデルの4000+までラインナップされている。Athlon 64の場合はモデルナンバーが性能の目安であるため、モデルナンバーが同じでも仕様が違うこともあってややこしいのだが、下記の表にまとめたとおり、Socket939版に限ればそれほど複雑でもない。

 現状、CrawHammer、NewCastle、Winchesterの3つのコアが混在しているが、中にはOpteron用のSledgeHammerコアを採用しているとして販売されているものもあるようだ。このうち明確な違いがあるのはWinchesterコアで、他のコアのプロセスルールが130nm SOIであるのに対して、Winchesterでは90nm SOIと微細化されており、消費電力も低くなっている。これだけは覚えておきたい。

 CrawHammerとNewCastleとの違いは、今のところL2キャッシュの容量だと判断できるが、正直よく分からない。Athlon 64 4000+にしても、CPU ID情報を見るとCrawHammerと出てくるのでCrawHammerと書いているが、初期のCrawHammerと同じとは思えない。どうもAMDのコアネームはいつの間にか当初の開発コードネームの意味するところと違っていることがあり、あまりアテにならない印象もある。コアごとにきっちり仕様を分けて考えようとすると混乱するだけなので、実用上意味がないものに関しては深く考えないほうがいいかもしれない。現在のところは「Winchesterコアは省電力」とだけ覚えておけばよいだろう。ちなみに、Winchesterは3500+以下の下位グレードのみに採用されている。最近販売されている3500+以下のSocket939版Athlon 64はほとんどがWinchesterコアに置き換えられているようだが、まれにNewCastleも混じっていることもあるので、購入時には確認しておきたい。

●主なSocket939対応Athlon 64/Athlon 64FXの仕様
クロックコアプロセスルールL2キャッシュTDPTDP(最低)
Athlon 64 FX-552600MHzCrawHammer130nm1MB104W25W
Athlon 64 4000+2400MHzCrawHammer130nm1MB89W22W
Athlon 64 3800+2400MHzNewCastle130nm512KB89W22W
Athlon 64 3500+2200MHzNewCastle130nm512KB89W22W
Winchester90nm512KB67W20W
Athlon 64 3200+2000MHzWinchester90nm512KB67W21W
Athlon 64 3000+1800MHzWinchester90nm512KB67W21W



性能と消費電力を計測
価格性能比は3000+が断然

 今回はAthlon 64のモデルナンバーごとの性能をベンチマークで計測した。今回の目的は解析ではなく実利用時の感覚のため、実在のアプリケーションをベースにしたものを中心に絞っている。結果はグラフに掲載したとおりだが、3000+から3800+まではモデルナンバーが300上がるごとにクロックが200MHz上がっているが、3800+と4000+は同クロックでL2キャッシュ容量が異なるだけである。この点の違いを意識して見てもらいたい。全体的に見ると、やはり4000+と3800+との性能差は、モデルナンバーで200あるかどうかは微妙で、150程度が妥当なところかもしれない。ちなみに、コアの違いによる性能差は見られなかったので掲載は割愛している。

 また、Athlon 64は消費電力の面からも注目されているため各作業時の消費電力もワットチェッカーで計測したので参考にしてほしい。やはりWinchesterコアの製品の優秀さが目立ち、特に負荷時の電力消費の少なさはすばらしい。また、Cool'n'Quietの効果も大きいことが分かる。Cool'n'Quietのオン/オフでパフォーマンスの差がつくかどうかも一通り試したが、グラフに掲載したようにほとんど変化はなかった。

テスト環境
マザーボード
ASUSTeK A8N-E
メモリー
PC3200 DIMM 512MB×2(3-3-3-8)
グラフィックスカード
Extreme N6600GT(128MB)
HDD
HGST Deskstar 7K80
光ドライブ
HL-DT-ST GSA-4163B
電源
ENERMAX EG-701AX-VE(700W)
OS
Windows XP Professional SP2
ドライバー
nForce Driver 6.53、ForceWare 71.81

ベンチマークテストの結果

●システム性能(PCMark04 1.3.0)

PCMark04 1.3.0
PCMark04 1.3.0の総合スコア。ファイル圧縮/解凍、暗号化/解読、ウイルススキャンなど、実際のコンピューティング環境をシミュレートするようなテストが含まれる。3800+まではグレードが上がるごとに8%強の性能アップを果たしているが、4000+でのL2キャッシュ増量の効果は薄い。

●エンコード性能(PCMark04 1.3.0)

PCMark04 1.3.0
PCMark04 1.3.0のSystem Test suitesから動画のエンコードに関する項目だけをピックアップして掲載している。クロック上昇の効果はどちらも10%弱と高いが、L2キャッシュの増量は、CPUの負荷が比較的軽いDivXのほうが、効果が大きく出ている。両方を総合すると4000+と3000+の差は30%弱。

●64bit画像処理(Panorama Factory v3.3)

Panorama Factory v3.3
OSにはWindows XP Professional x64 Edition RC2を利用。Smoky City Designの「Panorama Factory v3.3」の64bit版と32bit版でパノラマ画像作成にかかった時間を計測している。クロックの差が大きく反映するテストだが、32bitで4000+を使うよりも64bitで3000+を使ったほうが高速な点にも注目。

●消費電力

サンワサプライのワットチェッカーで計測した消費電力。3Dゲーム時はシーンにより大きく変動するため、DOOM3 v1.1でほぼピークに達する最後のバトルシーンでの値を掲載している。
アイドル時Webブラウズ時3Dゲーム時エンコード時
Athlon 64 4000+
(2.4GHz/L2 1MB
/CrawHammer)
112W127W203W181W
Athlon 64 3800+
(2.4GHz/L2 512KB
/NewCastle)
113W126W204W170W
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB
/NewCastle)
110W124W197W167W
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB
/Winchester)
93W104W171W129W
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB
/Winchester/C'n'Q)
86W93W161W128W
Athlon 64 3200+
(2GHz/L2 512KB
/Winchester)
93W103W166W129W
Athlon 64 3000+
(1.8GHz/L2 512KB
/Winchester)
93W103W161W127W

●3Dゲーム性能

3Dゲーム性能
DOOM3 v1.1(SXGA/HIGH QUALITY/FSAAなし)と、大航海時代Onlineベンチマーク(XGA/32bit/フルスクリーン/最高グラフィック)でゲーム性能を比較した。DOOM3はビデオカードの比重が大きく差は少ないが、大航海時代ではほぼモデルナンバーに比例して性能向上が見られている。

●Cool'n'Quietオン/オフの性能差

Cool'n'Quietオン/オフの性能差
Cool'n'Quietのオンとオフでどのくらい性能が違うのか、オン/オフ両方の設定でそれぞれのベンチマークを実行してみたが、どのテストでも性能差がほとんどつかなかった。Cool'n'Quietでのクロック切り替えは、かなりインテリジェントに負荷を検出して行なわれているようだ。

 ベンチマークのスコアからコストパフォーマンスも算出してみた。表では「CP」の数字が小さいほうが、コストパフォーマンスに優れていることを示している。これでみるとAthlon 64 3000+のコストパフォーマンスが断然良く、下位モデルほどお買い得であることが分かる。

●コストパフォーマンス
Athlon 64 3000+のベンチスコアを100として、エンコード/3Dゲーム/64bit画像処理の項目ごとにレイティングを算出。「CP」の値は実売価格からそのレイティングの平均を割ったもので、平均レートの1あたりにかかる金額を示す。つまり、数字が小さいほうが、コストパフォーマンスが高い。
エンコード3Dゲーム64bit平均実売価格(円)CP
Athlon 64 4000+
(2.4GHz/L2 1MB)
1291151321256万2699501
Athlon 64 3800+
(2.4GHz/L2 512KB)
1261121291224万1839342
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB)
1181091221162万9569255
Athlon 64 3200+
(2GHz/L2 512KB)
1101051091082万763192
Athlon 64 3000+
(1.8GHz/L2 512KB)
1001001001001万6469165

(鈴木 雅暢)




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