IBMのキーボードへのこだわりはキータッチだけでなく、キーそれぞれの形状にまで及んでいる。例えば、上下左右のスクロールキーは、手元を見なくてもほかのキーと判別できるよう、上に出っ張った凸形状(カマボコ型)になっている(「スペースバー」「無変換」「変換」などもそうだが、こちらは親指で押しやすくするためだ)。
しかし、健常者には便利な工夫も、口にスティックを加えてキーを押さないといけない手が不自由な人々には必ずしも歓迎されない。スティックが滑って上手くキーが押せなくなるからだ。そこで、最近の機種ではスティックでもキーが問題なく押せるようにキートップに突起が設けられている(
写真e)。このように「ユニバーサルデザイン」を意識した工夫もなされているのだ。
また、キーボードを外してよく眺めると、底板の手前部分が少しせりあがっているのがわかる(
写真f)。PCを使っている最中に飲み物をキーボードにこぼした経験のある人もいるかと思うが、これはそんな失敗に備えるためのものだ。本体を手前に傾けることでこぼした液体を外に流し出すことができる。キーボードの裏面も、なるべく水が基板上に入り込まないように、シールドされている。これはあくまでも応急処置で、本体の故障を100%防止できるわけではないが、非常時に少しでも本体が故障する確率が低くなるように、という配慮なのだ。
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写真e 1997年に登場したA4オールインワンノート「ThinkPad 380」と最新機種の「ThinkPad T30」のカーソルキー。T30のカーソルキーには横方向の突起がある。これは「マウススティック」と呼ばれる棒でキーを押しやすくするための配慮だ。 |
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写真f 右上のキーが外された部分に注目。最近のThinkPadでは、こぼした液体を簡単に逃がせるように底板の周囲が若干せり上がっている。細かい部分だが、こういったこだわりがThinkPadと他社のノートを分かつ特徴となっている。 |
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写真g ブラッシュアップという観点から1つ。「ThinkPad 600」ではスクロールボタン付きのTrackPointが初めて搭載されたが、デザインを優先するため、青い線と周囲の突起が左右ボタンの赤線と同じ長さになっていた。しかし、これでは押しにくいということで、以降の機種では突起部分がボタン全体に広がっている。(青線の長さは変えずデザインの統一を図っている)。 |
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写真h さらに細かい変更点。従来のThinkPadではファンクションキーとESCキーの形状が同一だったが、打ち間違いやすいというユーザーの指摘から、最近のモデルではESCをひと回り大きくし、さらに仕切り線を入れて、打ち間違わないようにしている。 |
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写真e〜h 細部にわたるThinkPadのキーボードへの工夫とこだわり |