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■製品レビュー
(PC本体)
A4ノート


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ノートPC 裏 技術情報 後編:NEC LaVie 【特別企画】Notebook開発の汗と涙を密着取材 Part.2
ノートPC 裏 技術情報 後編:NEC LaVie

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2002年9月21日


ノートPC 裏 技術情報 前編:日本IBM ThinkPad
ノートPC 裏 技術情報 前編:日本IBM ThinkPad(写真をクリックすると当該記事に移動します)
技術者の仕事は過酷だ。納期が迫れば徹夜も辞さない。土壇場の仕様変更もある。製品への思い入れがなければ始まらない仕事なのだ。特にノートPCにはサイズや重量の制約があり、性能と品質を両立するための技術的な工夫がデスクトップPCの何倍も要求される。それだけ、設計に関わる技術者の苦悩も多い。前回のThinkPadに続いて、ここではNECの最新マシンにスポットを当て、ノートPC設計のコンセプトと開発の現場に迫る。



ノートのフォームファクタと構造

 ノートPCは「省サイズデスクトップ機」と「モバイル機」という2つの方向に進化している。前者はデスクトップに迫る高機能化。後者は小型化と薄型化を最優先にした設計となっている。従って、同一メーカーの製品ラインナップでも、デスクトップ並みの機能を装備したA4ノートと、携帯性を重視したB5ノートでは製品コンセプトや設計時に重視される要素が当然異なってくる。機種によって盛り込まれる技術が大きく変わってくるのだ。
 ここでは、ラインナップの豊富さでは国内随一であるNECの「LaVie」シリーズにフォーカスを当て、ノートPC開発に不可欠な、

  1. 放熱
  2. 筐体の剛性を保ちながら薄型化する
  3. 小型化と使い勝手の両立

──といった問題について見ていこう。

デザイン重視のC、
コスト重視のJ

LaVie C
写真1 「LaVie C」は、CPUにIntelのMobile Pentium 4-1.8GHz、512MBメモリ、60GB HDD、UXGA表示に対応した15インチ高輝度広視野角ハイレゾ液晶を搭載した、「LC950/3E」ほか5モデルを用意(写真をクリックするとニュース記事に移動します)。
LaVie J
写真2 「LaVie J」は、従来機のマイナーバージョンアップだが、Mobile PentiumIII-866MHz/Mobile Celeron-650MHz搭載の2モデル構成で、CF&PCカードのダブルスロット、IEEE1394、USB2.0ポートなど高い拡張性を持つ。
写真1、2 5月10日にフルモデルチェンジを果たした「LaVie C」(左)と「LaVie J」(右)。

 NECは5月に「LaVie」シリーズの夏商戦向けモデルを発表した。LaVieシリーズの主力はPentium 4を搭載したA4オールインワンノートの「LaVie C」である。  今回のモデルチェンジでは「CORE DESIGN」のキャッチフレーズのもと、天面/キーボードに「ピアノ調のクリア塗装」、パームレストに「革シボ」という特殊な塗装がなされている。これは、「高級感」「デザインの美しさ」「手触り」などを重視した選択で、デザインコンセプト主導で生まれた製品と言える。

 「LaVie C」に施されているピアノ調の塗装は、本体および天面に光沢グレイのクリア塗装を採用している。特に特殊な塗装技術や材料が使われているわけではないが、鏡のように光る素材感が印象的だ。また、パームレスト部の革シボ加工は、プラスチックの型にシボ(革製品によく見られる凹凸)を付け、それにポリエステルウレタン系の樹脂顔料を20〜40μmの厚みで施したもの。柔らかい素材の樹脂顔料を採用したことで、ノートPCとしては珍しいソフトな触感を実現している。

 一方、薄さ23.7mmのB5ノート「LaVie J」は、プラスチック筐体に厚メッキ処理をして強度を持たせるという手法(メタライズドコンポジット工法)を選んでいる。モバイルノートで主流となりつつあるマグネシウム合金という道をあえて選択しなかったのは、「コストと小型化の両立」を重視したためである。

 LaVie Jの筐体は、加工が容易なカーボン配合プラスチックの上に、銅を1μmの厚さで両面メッキし、そのメッキ層を電極としてさらに15μm厚のニッケルメッキを施している。これは自動車の世界で「エンブレム」などに用いられている手法だ。
 メッキ層は無電解ニッケルメッキを厚くしたものだが、ニッケル自体が固い自動車用のメッキ材を使用している。その固いニッケル材料を使い、通常なら10μm程度のメッキ層を、ニッケルメッキ層だけで15μmという厚メッキにすることで、薄いプラスチックだけでは不十分な強度を補強しているのである。

 このように、「安価で加工もしやすいプラスチックの薄肉ベース」+「固くて厚いメッキ層」という合わせ技で、加工性がよく低コストで、強度のある筐体が完成した。  マグネシウム合金筐体の厚みは0.65〜0.7mm、LaVie Jの筐体はプラスチックの厚みとメッキ層トータルで1.2mm。薄さではマグネシウム筐体に負けるが、その差は0.5〜0.55mm。本体の上下に用いたとしても1mm程度の違いだ。
 NECは、その厚みの差よりも、マグネシウム筐体より20〜30%安くなるコストダウン効果を重視し、この構成を採用している。確かにカタログスペックの薄さでは他社の薄型ノートPCに劣る。だが、それは実使用上はあまり大きな差ではないし、安い価格で製品が提供された方がユーザーにとってもメリットが大きい。

 派手に目立つカタログスペックよりも、実を取った構成なのだ。こういった選択は、なかなか一般ユーザーに評価されにくいのだが、敢えてそれに踏み切った設計バランスの良さは評価に値するものである。

マグネシウム合金筐体とプラスチック筐体という選択肢
 薄型化が進むB5ノートの素材には、1mm以下の厚みでも十分な強度が出せるマグネシウム合金が第1の選択肢となる。
 しかし、マグネシウム合金を薄く均一に成形するのは難しく、歩留まりを上げるためには筐体形状を工夫して奥行きのない成形しやすい形にするなど、デザイン上の制約も多くなる。それに対してプラスチックの成型はあまり難しいものではないので、デザインの制約を受けることが少ない。
 また、マグネシウム合金筐体を成形する金型は、プラスチック成形用の型の約2倍と高価である。金型を使って成形する部品のコストの中で、金型の消却コストは無視できないほど大きい。それだけ、金型の値段は高いのだ。余談だが、設計の現場では、量産用の金型を変更するという設計変更は、問題対策の最終手段だと考えられるのが一般的である。たとえそれが一番有効で簡単な手段でも、型変更にかかるコストと、型精度を確認する手間を考えると、リスクのほうが大きいからだ。金型を丸ごと作り直すような変更はもってのほかである。

 金型の値段が2倍になれば、生産コストだけではなく、設計変更の自由度もかなり奪われると考えた方がいい。
 また、マグネシウム筐体とプラスチック+メッキの筐体の重量差も気になるところだが、同じ厚さではマグネシウム合金よりもプラスチック+メッキの方がだんぜん軽い(=比重が小さい)。「LaVie J」の場合、厚みが2倍近くになるため、マグネシウム合金筐体の方が多少軽く作れるそうだが、肉厚になったからといって、単純に重くなると考えるのは早計だ。




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