薄型化が進むB5ノートの素材には、1mm以下の厚みでも十分な強度が出せるマグネシウム合金が第1の選択肢となる。
しかし、マグネシウム合金を薄く均一に成形するのは難しく、歩留まりを上げるためには筐体形状を工夫して奥行きのない成形しやすい形にするなど、デザイン上の制約も多くなる。それに対してプラスチックの成型はあまり難しいものではないので、デザインの制約を受けることが少ない。
また、マグネシウム合金筐体を成形する金型は、プラスチック成形用の型の約2倍と高価である。金型を使って成形する部品のコストの中で、金型の消却コストは無視できないほど大きい。それだけ、金型の値段は高いのだ。余談だが、設計の現場では、量産用の金型を変更するという設計変更は、問題対策の最終手段だと考えられるのが一般的である。たとえそれが一番有効で簡単な手段でも、型変更にかかるコストと、型精度を確認する手間を考えると、リスクのほうが大きいからだ。金型を丸ごと作り直すような変更はもってのほかである。
金型の値段が2倍になれば、生産コストだけではなく、設計変更の自由度もかなり奪われると考えた方がいい。
また、マグネシウム筐体とプラスチック+メッキの筐体の重量差も気になるところだが、同じ厚さではマグネシウム合金よりもプラスチック+メッキの方がだんぜん軽い(=比重が小さい)。「LaVie J」の場合、厚みが2倍近くになるため、マグネシウム合金筐体の方が多少軽く作れるそうだが、肉厚になったからといって、単純に重くなると考えるのは早計だ。