2006年11月9日
ソニーの“VAIO”シリーズに、新たなラインナップが加わった。その名は“type G”。ファン搭載の12.1インチディスプレー搭載ノートとしては世界最軽量(※1)を謳うビジネスマシンだ。それだけではなく、ハードの堅牢性においても配慮がなされている機種だ。今回、そのフォトレポートをいち早くお伝えする。
※1 2006年11月1日広報発表時、ソニー調べ。12インチ液晶搭載パソコンとして
編集部一同びっくりの軽さ
type Gは大きく分けると2ラインナップが存在する。光ドライブ非搭載の1スピンドルモデルと、光ドライブを内蔵する2スピンドルモデルだ。さらにビジネスユーザーを主軸においている機種だが、法人チャネル向け販売とオンラインでのCTO販売(個人向けは“VAIO OWNER MADEモデル”、法人向けは“法人向けカスタマイズモデル”)はもちろん、コンシューマー向けの店頭販売も行なう。コンシューマー向け店頭販売モデルは2機種、法人向け標準仕様モデルは3機種が存在するが、今回はCTO販売モデルの「VGN-G1AAPS」(1スピンドルモデル)を借用した。なお、type Gの全体的な発売概要についてはこちらのニュース記事をご覧いただきたい。
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サイズはA4版雑誌とほぼ同サイズ。ちなみに右はリニューアルした「月刊アスキー」創刊号。 |
1スピンドルモデルの本体重量はスペック値で約898g(軽量バッテリー搭載時)だが、A4ジャストの本体サイズ(幅277×奥行き215×高さ23.5〜25.5mm)からは想像できない軽さである。編集部で10人程が手にとってみたが、一様に「うわ、何これ! 軽ぅ〜」などとドッキリを仕掛けられたかのように驚いていた。ちなみに2スピンドルモデル(DVDスーパーマルチドライブ搭載モデル)では、重量は1.116kgとなる。
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ディスプレーの薄さは約4mmと極薄だ。 |
堅牢性を売りにするビジネス向けのモバイルパソコンだと、筐体デザインが無骨なものが多いが、type Gはソニー製品らしく、かなりスタイリッシュな印象を受ける。それに一役買っているのが液晶ディスプレーの厚みだ。約4mmと非常に薄く、同社の“type T”を踏襲した、スタイリッシュな形に仕上がっている。なお、ディスプレーは12.1インチのTFT液晶パネルを採用し、解像度はXGA(1024×768ドット)となっている。
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本体側面の傾斜はコネクタの視認性を考慮しつつ、持ちやすいというメリットがある。 |
本体は側面が“く”の字型に飛び出した形になっているのも本体デザインの特徴だ。これは“POLYGONAL(多角形体) DESIGN”と呼ばれている。同社には本体側面が“Σ”のように凹んだデザインを採用した“type BX”というノートパソコンがあるが、あれとは真逆の形状となっている。ただしコンセプトは同じで、インターフェース部に傾斜を付けることで、コネクター類を上からでも視認しやすくなるというメリットがある。
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左側面。左からACコネクター、USB、有線LANコネクターが並ぶ。中央下方にはPCカードスロットも搭載。 |
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右側面。左からi.LINK端子、モデム端子、アナログRGBコネクター、USBコネクターとなっている。ちなみに2スピンドルモデルはi.LINK端子がなく、代わりに光ドライブが搭載される。 |
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前面。中央がメモリースティックスロットとSDメモリーカードスロット。右側には各種インジケーターと音声入出力端子が並ぶ。 |
VAIO OWNER MADEモデルで選択できる主な仕様は以下の通り。
- 選択可能なCPU
- Core solo U1400-1.20GHz
Core solo U1300-1.06GHz
Celeron M 423-1.06GHz
- 選択可能なメモリー構成
- 1.5GB(512MB(オンボード)+1GB)DDR2 SDRAM
1GB(512MB(オンボード)+512MB)DDR2 SDRAM
512MB(512MB(オンボード)×1)DDR2 SDRAM
- 選択可能なHDD構成
- 80GB
60GB
40GB
- 選択可能なドライブ構成
- DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R 2層記録対応)
DVD/CD-RWコンボドライブ
ドライブなし
- ワイヤレスLAN/Bluetooth
- IEEE 802.11a/b/g/Bluetooth機能
なし
- キーボード
- 日本語配列
英語配列
日本語配列かな無し
- バッテリー
- 軽量バッテリー
標準バッテリー
- FeliCa
- あり
なし
- 指紋認証/セキュリティーチップ
- 両方あり
セキュリティーチップのみ
両方なし
- 付属ソフトウェア
- Ofiice Professional Enterprise 2003
Office Personal 2003
なし
堅牢性を高めるための工夫が満載
ただ、あまりにも本体が軽くディスプレーも薄いため、正直なところ「これで堅牢性は本当に保たれているのか」と思ってしまうのだが、外装はディスプレー背面、パームレスト部、底面にカーボン素材を採用し強度を高めているという。ディスプレー背面、底面に関しては、レーシングカーなどに採用されているカーボン繊維を何層にも重ねた“マルチレイヤーカーボン”が採用されており、マグネシウム合金に比べ3割軽量で2倍の剛性を誇るという。
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本体底面と天面(ディスプレー背面)にはマルチレイヤーカーボンを使用する。ちなみに中央の穴にバッテリーを装着する。 |
さらにディスプレーは衝撃を分散させる“フローティング構造”を採用。液晶パネルをネジで固定するのではなく、ディスプレーのフレーム(べゼル)にはめ込む形で実装することで、衝撃が一点に集中することを防ぐ。つまり、そもそも“衝撃から守る”というスタンスではなく“衝撃を受け流す”というスタンスのようだ。そのため、パネルの裏面には基盤やケーブルは配置されておらず、ディスプレーにある程度の圧力がかかっても、それらが故障するということはない。
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キーボード部。パームレストなどにはカーボン素材を使用。またキートップの文字はレーザー刻印となっている。写真のキーボード配列は日本語キーボードながら“かな”の表記がない“日本語配列(カナなし)キーボード” |
type Gはほかの機種と比較して品質試験の基準値を高く設定しているという。品質試験としては落下試験やディスプレー開閉試験、ディスプレー背面への外部加圧試験、振動試験、LCDガラスへの直押試験などを実施しており、特に考慮しているのが
- パソコン動作時/非動作時の“不意の落下”
- 揺れる満員電車内で耐えうる“加圧振動”
- 手や肘で強く押してしまう“一点加圧”
――なのだという。このあたりは借用機材ということで、実際に試すわけにはいかなかったが、ソニーによると、例えば落下については動作時で72cm、非動作時で90cmの高さからの落下試験を実施し、強度を高めたとのことだ。
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小型化されたACアダプター。幅は約8cm。 |
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ACアダプターを直接コンセントに差せる“ウォールマウントプラグアダプター”を付けた状態。 |
そのほか、type Gでは電源周りにもモバイルパソコンらしい工夫が施されている。例えばACアダプターは幅約8×奥行き3×高さ2.5mmという超コンパクトなサイズに納まっている。重量も約170g(電源コード含まず)と軽量で、持ち運びに重宝しそうだ。さらにACアダプターそのものを(ケーブルを介さずに)直接コンセントに挿すことができる“ウォールマウントプラグアダプター”も付属。机上にコンセントがある場合など、長いケーブルが必要ないときに便利だ。
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バッテリーはヒンジの手前に装着する仕様になっている。 |
バッテリー駆動時間は、標準バッテリーで約12.5時間、軽量バッテリーでは約6時間となる(※2)。標準バッテリーと軽量バッテリーは、本体への装着の関係上、同じ大きさとなっている。重量は標準バッテリーのほうが軽量バッテリーよりやや重いが、標準バッテリーでも後部が出っ張るといったこともなく、本体サイズは変わらない。
※2
CPUにCore Solo選択時。測定方法はJEITA(Ver.1.0)による。
“バッテリーいたわり充電モード”など新しい試みも
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“バッテリーいたわり充電モード”の画面。 |
type Gでは、新しいオリジナルの機能(ソフトウェア)もいくつか追加されている。まず、バッテリーの寿命を約1.5〜2倍に伸ばすことができる“バッテリーいたわり充電モード”。バッテリー充電時に100%充電するのではなく、50%または80%で留めることで、バッテリーの過充電を防ぎ、充放電回数の延長を実現してくれるもの。
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“外部機器・メディア使用制限ユーティリティ”の画面。 |
また、最近は情報漏えいが社会的な問題になっているが、置き忘れや盗難、外部メディアを介しての漏えいなど、物理的な事例も多い。そこでtype Gでは、メディアの書き込み/読み込みを制限できる“外部機器・メディア使用制限ユーティリティ”を搭載している。PCカードスロットとメモリースティックスロット、SDメモリーカードスロット、光ドライブ、i.LINK(IEEE 1394)接続機器に対して一括で読み出し/書き込み制限をかけられる。また、USB接続機器に対しては書き込み制限をかけることが可能となっている。ただし、USB機器以外は一括での制限となるため、たとえばメモリースティックのみに制限をかける、といったことはできない。さらにUSBについても(ハブを介して)複数の機器が接続されている場合は、個々の機器に制限をかけることはできない。
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“設定状態表示”の画面。各項目を選択して右下の“設定”ボタンをクリックすることで、関連した設定を呼びだれる |
さらに現在、マシンがどのような設定状態になっているかを一目で確認できる“設定状態表示”機能も搭載。表示項目は“セキュリティー”“デバイス使用設定”“電源・動作設定”の3カテゴリで、それぞれの設定に対して有効/無効などをこの機能から呼び出して設定することができる。
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“プレゼンテーション機能”はデフォルトではキーボード右上の“S1ボタン”(左写真の左上)に割り当てられており、ボタンを押すことでプレゼンテーションモードに切り替わる。右はプレゼンテーション機能の設定画面。 |
最後に、ボタン1つでマシンをプレゼンテーションに最適な状態に切り替えてくれる“プレゼンテーション機能”を搭載。デフォルトでは、スクリーンセーバーがオフになり、電源設定が“プレゼンテーション”に切り替わる。そのほか設定によって音量指定や壁紙変更、ボタンを押した際に指定したアプリを起動させたり、もしくは終了させることができる。
そのほか、セキュリティー機能は従来のVAIOシリーズと同様で、指紋認証センサーとTPMセキュリティーチップの選択が可能。「Protector Suite QL」と呼ばれるソフトウェアによりWindows起動時のログオンや会員制ウェブサイトへの指紋認証によるログオンなどを実現する。またFeliCaリーダーの選択も可能で、“おサイフケータイ”や会社の社員証などに採用されているFeliCa ICによる認証もできる。
VAIOでは“type T”が比較的似ているモデルだが、Tは機能性を重視している分、重量も1kgを超えるスペックになる。対してtype Gは基本的に非常にシンプルなマシンだが、ビジネスシーンにおいて必要と思われる機能は満載している。ビジネスに特化したモバイルマシンが欲しいということであれば、type Gは最良の選択のように思える。
(編集部 橋本 優)
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