2004年12月14日
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ソニー/ソニーマーケティングの「VAIO type X VGX-X90P」。 |
今冬商戦向けのHDD&DVDレコーダーの新製品では、2つのTVチューナーを内蔵して裏番組録画が可能なことをアピールした“W(ダブル)チューナー搭載”製品がトレンドとなっている。また、パソコン用のTVチューナーカードでも、2〜4枚を1台のパソコンに装着して、複数チャンネル同時視聴・録画対応をうたった製品が流行りとなっている。今ではパソコンでTVや音楽、ビデオなど複数メディアを容易に扱うための最新OS“Windows XP Media Center Edition 2005”でも、Wチューナーが標準でサポートされるほどだ。こうした“複数チャンネル同時録画”という流行を作り出したのは、5月10日の発表会で披露された“VAIO type X”だった、というのは言い過ぎだろうか。
しかしWチューナー搭載HDD&DVDレコーダーや、TVチューナーカードを複数枚装着しただけのTVパソコンとtype Xとでは、特に使い勝手において圧倒的な差がある。それはtype Xのコンセプトから生じる要因であり、単にTVチューナーをたくさん積むだけでは追いつけない“type Xの魅力”である。ここでは前回のインタビューに引き続き、type Xは何が違うのかについて迫ってみたい。
type X 各部フォトレビュー
まずはtype X「VGX-X90P」本体の各部について見てみよう。最近の小型薄型化されたデスクトップパソコンを見慣れた目で見ると、type Xのボディはかなり大きく見える。本体サイズは幅465mm×奥行き160mm×高さ430mmで、ミニタワー型デスクトップ“VAIO type R”よりも一回り大きい。その代わりというわけではないが、type Xはリビングに置いてもマッチするように、パソコンとしては珍しい床置き、それも鏡面上のパネルのついた広い面(一般的なミニタワー型パソコンでいう側面)を前に向けた設置を前提としたデザインで設計されている。背面にはAV関連のコネクタや放熱のための通風口が配置され、こちらを壁に向けて設置するという仕組みだ。
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type Xの前面は、鏡面パネルと黒の本体パネルだけでコネクタ類は一切なく、シンプルで美しくデザインされている。高級AV機器の横に置いても違和感がない。 |
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type Xの背面。美しくデザインされた前面との違いは一目瞭然。各部のスリットは放熱のための通風口になっている。右下にはAV関連のコネクタが集積する。 |
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“EJECT”スイッチを押すと、前面右上のパネルが下にスライドして開き、連動して光ドライブのトレイが出てくる(写真左)。トレイが出る空間の上には、メモリーカード用のスロットが並び、“OPEN/CLOSE”スイッチを押すと、その部分だけが顔を覗かせる(写真上)。 |
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背面のコネクタ群。ビデオ入力は2系統(S-Video/コンポジット)、出力はD4端子とS-Video/コンポジット端子が各1系統。オーディオ出力は5.1ch分が用意されている。 |
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本体左側面(左)と右側面。コネクタ類は、通常はカバーで覆われていて露出しない。このあたりにもデザイン面でのこだわりが垣間見える。 |
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本体左側のコネクタ群。“NETWORK”と書かれたコネクターは、左が1000BASE-T、右が100BASE-TX。その左のVAIOロゴのついたコネクターはDVI出力端子。 |
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本体右側面のコネクタ群。ビデオ入力系が1系統と、ヘッドホン出力、マイク入力、USB 2.0×2、IEEE 1394が並ぶ。 |
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付属のキーボートとマウスは、電波式のワイヤレスタイプとなっている。リモコンは赤外線方式だが、リモコン受光部は前面と右側面の2カ所に装備されているので、右側面を前に向けた普通のタワー型パソコン的な設置をしても、リモコンで問題なく操作できるというわけだ。
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付属のタッチパッド付きワイヤレスキーボード。パームレスト部分はキーボードカバーにもなる。基本的にVAIO type Vシリーズなどと同様のもの。 |
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タッチパッドの裏側には、タッチパッドの有効/無効を切り替えるスイッチがある。 |
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キーボード側面には、キーボードの電源スイッチがある。写真右上の銀色のボタンは本体のスタンバイスイッチ。 |
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続いて次ページでは、type Xの根幹である“X3ビデオサーバー”と、統合AVソフト“Do VAIO”に組み込まれた“タイムマシンビュー”について見ていこう。
“タイムマシンビュー”がもたらすtype Xの決定的な優位性
type Xには合計7基のTVチューナーが搭載されているが、一般的なTVパソコンとは異なり、7基すべてがパソコンに直接PCIバス経由で接続されているわけではない。パソコンに直結されているのは1基だけで、残りの6基は“X3ビデオサーバー”と呼ばれる、パソコンから独立した“HDDレコーダー”に搭載されている。ここがまず普通のTVパソコンとは大きく違う点だ。
1台のX3ビデオサーバーには、3基のTVチューナーとMPEG-2エンコーダー、シリアルATA接続の250GB HDD、ネットワークインターフェースなどが搭載されており、完全にパソコンとは独立して動作する。type XにはこのX3ビデオサーバーが2台内蔵されているので(ソニースタイルモデルでは1台に変更も可能)、3チューナー×2+パソコン本体のTVチューナーで合計7チューナーとなるわけだ。どのくらい独立しているかというと、type Xの本体に電力が供給されると、パソコン部分が稼動している/いないに関わらず、勝手に起動して(設定されていれば)録画を始めるというもの。パソコン側がフリーズしたり、OSが起動していなくても、X3ビデオサーバーは電力が供給される限り動作しつづける。通常のTVパソコンでは、起動しなかったりOSがフリーズすれば当然録画もできなくなるが、type XのX3ビデオサーバーなら、そうした問題は起きない。
X3ビデオサーバーとtype Xのパソコン側とは、本体内のネットワーク(100BASE-TX)とスイッチングハブを介して接続されている。type Xのネットワーク端子をインターネットアクセス環境(例えば家庭のブロードバンドルーターなど)に接続すると、パソコン側だけでなくX3ビデオサーバーもインターネットに接続できるようになる。録画は独立して行なえるX3ビデオサーバーだが、録画した動画を見たり、それをDVDに記録したりといった操作は、type Xのパソコン側で行なう。ビデオの視聴や管理には、VAIOシリーズ共通の統合AVソフト“Do VAIO”を使用する。type XのDo VAIOには、X3ビデオサーバー専用の機能であるタイムマシンビューが備わっていて、これを使ってX3ビデオサーバーが録画したビデオを管理する。
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新聞のテレビ欄のようなレイアウトで、録画した番組を一覧できる“タイムマシンビュー”。 |
X3ビデオサーバーは設定された時間帯の番組をすべて録画する。しかも単純に設定時間分をまとめて1番組として録画するのではなく、ソニーコミュニケーションネットワーク(株)が運営するTV情報サイト“テレビ王国”のEPGデータを元に、自動的に番組単位で切り分けて録画してくれる。そしてタイムマシンビューは録画した日時順に、新聞のTV欄のようなレイアウトで録画済みビデオを分類表示する。この機能・インターフェースのおかげで、いつどのチャンネルでどんな番組が録画されたのかが後から一目で分かり、とても使いやすい。録画時間帯を毎日24時間カバーできるように設定しておけば、24時間録り続けるので、見たい番組を録り逃すなんてことは一切ない。「録り逃しの悪夢よさらば!」となるわけだ。このEPGに基づいた番組の自動切り分け・分類表示こそが、type Xとそれ以外のTV録画ソリューションの“決定的な違い”と言える。
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X3ビデオサーバーがどの曜日/時間を録画するかの設定は、Do VAIOから行なう。 |
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チューナー1つごとに、録画チャンネルや曜日、何時から何時まで録るか(1指定につき最長12時間)、録画モード(ビットレート)を指定できる。番組単位のビットレート指定はできない。 |
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X3ビデオサーバーが使う“テレビ王国”のEPG(画面はDo VAIOの別の機能のものです)。番組タイトルやジャンル、(EPGにあれば)出演者といったEPG情報も、自動でビデオに付記される。 |
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EPGが正常に受信された状態で録画されたビデオには、タイトルやジャンルなどが自動で付加される。 |
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仮にWチューナー搭載のHDD&DVDレコーダーを3台用意して、type Xと同じことをさせることを想像してみよう。例えば時間帯を“12時から24時まで”と指定して録画した場合は、12時間分がまとめて1本のビデオ(1ファイル)として録画されてしまう。EPGを自動取得する機能はHDD&DVDレコーダーでも珍しくはないが、すべての番組を番組単位で録画するには、ユーザーが手作業でEPGから録画予約をしなくてはならない。番組表は毎日異なるわけで、こんな作業は毎日続けられるはずもない。また、“キーワード指定”の録画機能を使っても、希望の全番組を漏らさず録ることはまずできない。X3ビデオサーバーはこうした手間を完全に払拭してしまうわけだ。既存のHDD&DVDレコーダーやTVパソコンを何台束にしても、type Xを真似できない最大の理由はここにある。
ただし、タイムマシンビューにも弱点はある。EPGの番組情報を元にして動作するため、スポーツ中継の延長などがあった場合、延長分が他の番組として録画されてしまい、EPG情報と実際の番組が同一に戻るまで、ずれつづけてしまうのだ。それでも録り逃しは発生していないので、ほかのHDD&DVDレコーダーやTVパソコンと比べればかなり救われるはずである。
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深夜〜早朝などの、放送がない時間帯が録画時間帯に含まれていた場合は、何も映っていない画面がひたすら録画される。ここを自動で判別する機能が備わるとよいのだが……。 |
タイムマシンビューでのビデオ視聴は、見たいビデオを選んで再生を選択するだけ。特に悩むこともなく簡単にできる。本体内部のLAN経由で情報をやりとりするため、タイムマシンビューの表示時には若干待たされるが、再生後はパソコン側でビデオやDVDを見ているのとなんら変わりなく操作できる。注意点としては、“X3ビデオサーバーが現在録画中の番組は見られない”ことだ。そうした番組を見たい場合は、パソコン側のTVチューナーで見ることになる。パソコン側のTVチューナーは1基だけなので、type Xでも放送中の番組を同時に複数チャンネル表示することはできない。可能ならばリアルタイムの複数チャンネルを視聴可能に改善してほしいところだ。
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画面はテレビ表示中のもの(モザイク処理済み、以下同様)だが、X3ビデオサーバーのビデオを見る際もインターフェースは基本的に同等だ。 |
タイムマシンビュー以外に、設定したキーワードやジャンルを元にビデオを検索して一覧表示する、“キーワードビュー”という表示モードもある。たとえば“韓国”というキーワードを設定すると、EPG情報に“韓国”と書かれたビデオを抽出して、表形式で表示する。ソニーの“スゴ録”などは、キーワードを含む番組を自動で録画する機能を持つが、type Xなら指定した時間帯の全番組を元々録画しているので、“選んで録る”のではなくすでに録画済みビデオ群から“選んで見る”わけだ。
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キーワードビューの画面。左側の2列は、キーワードに“たけし”“韓国”と指定して該当したビデオ。それ以外の5列はジャンルで分類されたビデオ。使ってみると便利な機能だ。 |
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キーワードやジャンルを指定もDo VAIOから行なう。あくまでEPG情報を元に検索・分類を行なうので、EPG情報にない出演者や、省略されたタイトルには引っかからない。 |
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肝心の画質だが、X3ビデオサーバーが搭載するMPEG-2エンコーダーチップは、低ビットレート時でもブロックノイズが目立たず、画質が良好な点を評価して採用したのだと言う。またゴーストリダクション機能や3次元Y/C分離といった、基本的な高画質化機能も備わっている。実験してみると、長時間モード(2.5Mbps)と標準モード(4Mbps)では、画質の違いはほとんど感じられないほどだった。古い世代のTVパソコンの4Mbps(高画質化機能のない場合)と比べたら、高画質化機能とエンコーダーの画質の良さにより、むしろtype Xの2.5Mbpsのほうがきれい見えるように感じる。2.5Mbpsで24時間録画を行なった場合、X3ビデオサーバーの250GB HDDでは約3日分の映像を記録できる。十分見られる画質で3日間丸ごと録れれば、録り逃しや見逃しの心配はほとんどないだろう。画質はやや落ちるが1.25Mbpsならば6日間は録れるし、Sony StyleモデルでX3ビデオサーバーのHDDを400GBに増量すれば、2.5Mbpsでも24時間録画で約4日分、1.25Mbpsならば約8日分も録画できる。
DVD記録はVAIOの手軽さを継承
録画されたビデオでX3ビデオサーバー側のHDDが一杯になると、古いビデオから自動的に削除される。X3ビデオサーバーは自分自身のHDDにしか録画できないので、パソコン側のHDDがいくら余っていても、X3ビデオサーバー側が満杯になれば自動削除が行なわれる。自動削除を無効にすることも可能だが、それでは追加の録画が不能になる。保存が必要なビデオは、パソコン側に転送して保存することになる。転送の指定はビデオを選んで“転送”を選択するだけだ。転送されたビデオは、パソコン側で録画したビデオと同じように扱われる。ビデオ編集やDVDへの記録も、パソコン側に転送してから行なう。(そんな必要はないと思うが)一度転送したビデオをX3ビデオサーバー書き戻すことはできない。
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X3ビデオサーバー側のHDD容量が一杯になると、古いビデオには削除予定を示すごみ箱マークが付く。削除したくないビデオなら、自動削除前にパソコン側に移動すること。 |
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X3ビデオサーバーからの転送は、まず各ビューでビデオが選択された状態で“転送”を選ぶ。 |
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転送を確認するダイアログ。 |
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転送は即座に行なわれるわけではなく、X3ビデオサーバーの負荷に応じて徐々に行なわれる。ネットワーク経由での転送になるので、多少時間もかかる。 |
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録画したビデオをDVDに記録するには、いくつかの方法が用意されている。一番簡単なのは付属ソフト「Click to DVD」の機能を使ったDVD作成だ。Do VAIOでDVDに記録したいビデオを選び、メニューから“DVDへ書き込む”を選ぶだけで準備が完了する。記録メディアの容量が許す限り、複数のビデオを1枚のメディアに記録することも可能だ。これらの操作はすべてリモコンだけでできる。作成されたDVDには簡単なメニューもつくので、特に編集の必要がない場合はこれで十分だろう。光学ドライブは2層式DVD+Rにも対応しているので、1枚のメディアにビットレート2.5Mbpsのビデオで8時間程度の記録が可能だ。また、選択したビデオの合計サイズがDVDメディアの容量をオーバーする場合は、後述するTMPGEncを使って適切な容量に収まるように自動で再変換を行なう機能もある。
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DVDへの一番簡単な書き込みは、Do VAIO上で録画されたビデオを選択して表示されるメニューから“DVDへ書き込む”を選ぶと開始される。 |
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ビデオを選択した状態のダイアログ。ここから追加で記録したいビデオを選ぶことも可能だ。 |
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X3ビデオサーバーから転送した2つのビデオを選択してみた。ここまでの操作はすべてリモコンだけ。 |
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作成されたDVDのメニュー画面。EPGの番組情報がDVDに引き継がれているのが分かる。 |
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CMカットなどの編集が必要な場合は、付属のMPEG-2再圧縮ソフト「TMPGEnc 3.0 XPress for VAIO」(TMPGEnc)を使うのが手軽だろう。付属のTMPGEncには、Do VAIOの録画ビデオを取り込む機能がついていて、TMPGEnc側で簡単にファイルを取り込める。ビデオ編集はGOP単位だが、CMカットや複数のビデオを1本につなげる程度は簡単にこなせる。エフェクトを加えた、より手の込んだビデオ編集をしたい場合は、やはり付属の「Adobe Premiere Standard」の出番となるだろう。簡単DVD作成から本格的ビデオ編集まで、type Xなら付属ソフトですべてをこなせるわけだ。
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type X付属の「TMPGEnc 3.0 XPress for VAIO」には、Do VAIOからビデオ取り込み機能が加わっている。 |
X3ビデオサーバーの設定はブラウザーベース
X3ビデオサーバーの録画時間帯設定はDo VAIOから行なうが、それ以外の設定、例えばX3ビデオサーバー側のネットワーク設定やファームウェアのアップデートなどは、“X3ビデオサーバー設定”という別の設定ソフトを介して、Internet Explorer上で行なう。X3ビデオサーバーには、ネットワーク上のほかのパソコンに映像を配信する“VAIO Mediaサーバ”の機能が備わっている。この機能を使うための設定(クライアント機器の登録)もここから行なう。またtype Xから電源コードを外す場合には、このソフトからX3ビデオサーバーの電源をオフにしておく必要もある。しかし、パソコン側とX3ビデオサーバーの接続設定には、“type Xネットワーク設定”という別のソフトを使う必要がある。このインターフェースの不統一は、ぜひ改善してもらいたい点だ。
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X3ビデオサーバーの設定は、“X3ビデオサーバー設定”から設定する側を選んで、ウェブブラウザーから行なう。 |
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実際の設定画面のひとつ“IPアドレス設定”。ただし手動で2台分を設定するのは面倒なので、ルーターのDHCP機能に任せるのが無難だ。 |
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ウェブブラウザーの設定画面から、実際にX3ビデオサーバーの電源をオフにしている様子。X3ビデオサーバーの動作を止めるにはこの方法しか用意されていない。 |
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X3ビデオサーバーとパソコン側の接続設定を行なう“type Xネットワーク設定”。ルーターを使っていれば、基本的には使う必要がない。 |
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ちなみにX3ビデオサーバーがEPG情報を利用するには、X3ビデオサーバーがインターネットに接続できる状態にある必要がある。一般的な家庭でのインターネット接続環境は、DHCPサーバー機能を持つブロードバンドルーターを利用したものだろう。その場合はブロードバンドルーターとtype XをEthernetケーブルで接続するだけで、パソコン側とX3ビデオサーバーそれぞれに個別のIPアドレスが割り当てられて、問題なくX3ビデオサーバーはインターネットに接続できる。しかし個々のマシンに手動でIPアドレスを割り当てていたり、ブロードバンドルーターを介さずに直接パソコンをインターネットにつなげているような環境では、手動でX3ビデオサーバー側のIPアドレスを設定する必要が生じて、かなり面倒な設定が必要になる。type Xを使う際には、ブロードバンドルーター経由でのインターネット接続を強くお勧めする。あるいはWindows XPが動作している他のパソコンがあるなら、そのパソコンにネットワークカードを追加して、Windows XPのインターネット接続共有機能を利用する方法も手軽でいいだろう(type Xの評価とは離れるので詳しい解説は、ここでは割愛する)。
VAIO Mediaでホームサーバーとしても活躍
type Xは録ったビデオをそれ自身で見るだけでなく、付属ソフト“VAIO Media Integrated Server Ver.3.1”を使って、ホームAVサーバーとして家庭内やインターネット経由でほかのパソコン(およびネットワークメディアレシーバー「ルームリンク」)に配信する機能も備えている。しかもパソコン側にあるビデオ/オーディオだけでなく、X3ビデオサーバー内にあるビデオをネットワーク経由で配信することも可能だ。まず視聴する側のパソコンにクライアントソフト「VAIO Media Ver.3.1」をインストールして、そのパソコンをtype X(もしくはX3ビデオサーバー)に登録する。パソコン側とX3ビデオサーバーで個別に登録するのがやや手間だが、一度登録してしまえば済む。クライアントソフトはtype Xからほかのパソコンにネットワーク経由で渡すことも可能で、VAIO以外のパソコンでも基本的には問題なく動作する(ソニーによる動作確認機種はWindows XP対応のVAIOのみ)。LANでつながったパソコンに配信するのが主な使い方だが、登録されたパソコンであれば、インターネット経由で外部に配信することできる。例えば、旅行先から家のtype Xに接続して、録り貯めたビデオを見られるわけだ。ただし、外部から見る場合は、ビデオがMPEG-4に自動変換されるので、画質はやや落ちる。
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LANでつながったほかのパソコンから、X3ビデオサーバーを参照している様子。type Xの電源が入っていなくても、X3ビデオサーバーからの配信は可能だ。 |
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録画されたビデオを選んでいる様子。さすがにタイムマシンビューは使えないので、見たいビデオを選び出すのにやや手間がかかる。 |
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VAIO Mediaで録画しておいたスポーツ中継を見る。LAN内ならMPEG-2で配信されるので、type Xで直接見るのと変わらない画質で楽しめる。 |
筆者は元来、ホームAVサーバーの類にはあまり関心がなかった。しかしtype Xを編集部内で試用してみると、type Xの6チャンネル24時間録画は、まさにホームAVサーバーに待ち望まれていた機能であると感じた。VAIO Mediaのクライアントソフトさえインストールしてしまえば、LANのどのパソコンからでも、録り貯めたビデオが見られるのだ。パソコン側の機能にはライブのテレビ放送を配信する機能もあるので、ライブもビデオも配信できる。type Xさえあればあらゆる番組が録り貯められるので、TVパソコンはもう身近には必要ない、とさえ思ったほどだ。
D4端子付きTVやデジタル放送録画にも対応
type Xにはハイビジョン品質でのデジタル放送録画機能も備わっている。と言ってもtype X自身にデジタル放送チューナーが備わっているわけではない。ほかのデジタル放送チューナーやチューナー内蔵TVとi.LINK経由で接続し、type XをHDDレコーダーとして使うことになる(パソコン側の500GB HDDに記録)。いわば外部ストレージとしてtype Xを利用するわけだ。そのため録画された番組の視聴操作は、チューナーを備えた機械の側で行なう必要がある。また、録画した番組をtype X上で見ることはできないし、編集も不可能だ。その点では限定された機能にとどまるが、デジタル放送を導入してもtype Xを活用できるのは大きなメリットだろう。
また、type Xと大画面&高解像度表示対応TVを組み合わせた時の面白い機能として、D4端子で接続した高解像度TVを、Windowsのセカンダリモニターとして使用できることが挙げられる。D4端子に高解像度TVをつないでセカンダリモニターとして使えるように設定すると、Do VAIOの画面が自動でTV側に表示されるようになるのだ。TV番組の録画映像を見るなら、大画面TVに映したほうが見栄えはいい。もちろん高解像度TVをプライマリモニターとして使うこともできる。地味な利点だが、D4端子のような高解像度でのTV出力に対応するパソコンはほとんどない現状では、大きな特徴と言えるだろう。
肝心のパソコン側の機能だが、3.60GHz駆動のPentium 4 560と、PCI Expressに対応するIntel 915Pチップセットを搭載し、グラフィックスカードにもRADEON X600 XTを搭載(PCI Express x16接続)するなど、パソコンとしての性能もハイエンドクラスのものを備えている。非常に内部の密度の高いパソコンなので、筐体内の拡張の余地はないも同然だ。残念ながら評価機は製品前の試作品であったため、CPU性能やグラフィックスカード性能の測定はできなかったが、基本性能が高いので数年使っても性能が陳腐化する心配はないだろう。
実際に数週間試用してみたが、X3ビデオサーバーによる24時間録りっぱなし機能は、想像していた以上に“TVを見る楽しみ”を広げてくれる。見たい番組を録り逃さないのはもちろん素晴らしいことが、タイムマシンビューで普段は気にも留めなかった番組を見つけて、「こんな番組があったのか」と、驚いたり喜んだりすることもたびたびあった。キーワードに引っかかった番組を自動録画するHDD&DVDレコーダーなどでは、基本的に自分の興味がある番組しか引っかからない。しかし、世の中には膨大な数のTV番組があるわけで、キーワードで指定したもの以外にも面白い番組はたくさんある(はずだ)。そうしたものも逃さず録ることができるtype Xは、TV好きには最高のTVパソコンだろう。パソコンとしては高めの製品だが、価格には代えられない価値が確実にあると言えよう。
| VAIO type X VGX-X90Pの主なスペック |
| 製品名 |
VGX-X90P |
| CPU |
HTテクノロジ対応Pentium 4 560-3.60GHz |
| チップセット |
Intel 915P Express |
| メモリ(最大) |
DDR2 SDRAM(PC4200) 1GB(最大2GB) |
| グラフィックス |
ATI RADEON X600 XT(DDR SDRAM 128MB) |
| HDD |
1TB(パソコン用500GB、X3ビデオサーバー用250GB×2) |
| 光ディスクドライブ |
DVD+R DL(2層式DVD+R)対応DVD±RW(DVD+R DL 2.4倍速/DVD-R 8倍速/DVD-RW 4倍速/DVD+R 8倍速/DVD+RW 4倍速/CD-R 40倍速/CD-RW 24倍速) |
| スロット |
PCI Express x16×1(空き0)、PCI×1(空き0)、メモリースティック×1、CF TypeI/II×1、xDピクチャーカード×1、SDメモリーカード/MMC×1 |
| 通信 |
10/100/1000BASE-T×1、10/100BASE-TX×1 |
| I/O |
USB 2.0×5、IEEE 1394×2、DVI-I出力端子、D4ビデオ出力端子、光角型デジタル出力×2など |
| サイズ(W×D×H、スタンドのぞく) |
465(W)×160(D)×430(H)mm |
| 重量 |
約19.5kg |
| OS |
Windows XP Professional SP2 |
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(編集部・小西利明)
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