2005年7月14日
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写真1 32インチワイド液晶ディスプレーと、DVDレコーダーのような外観のパソコン本体、サブウーファーがセットになった「PC-TX32J」。なお、写真は試作機を撮影したものであり、製品版とは一部異なる場合がある。 |
このところ、リビングルームに設置することを想定し、ファミリー層をメインターゲットとするAV志向パソコン――いわゆる“リビングPC”が注目を集めている。最新モデルではTV顔負けの大画面液晶パネルやTV視聴・録画機能の搭載は当たり前で、録画した映像を家庭内LAN経由で共有できるなど、家族みんなで楽しむのに適した機能を売りにするモデルが増え、メーカー各社とも独自の付加価値の搭載にしのぎを削っている。ここで紹介するシャープのMebius「PC-TX32J」も、そうしたリビングPCブームをリードする製品のひとつだ。
PC-TX32Jはオーディオビジュアル機能を充実させたMebius“AVセンターパソコン”の夏モデル。同社が販売する液晶TV“AQUOS(アクオス)”の技術を用いて作成した、TVチューナー搭載の32インチワイド液晶ディスプレーとハイブリッドレコーダをイメージさせるコンパクトなPCの組み合わせによるダブルチューナーモデルで、シャープでは従来の最上位機種「PC-TX26GS」をさらに発展させ、映像品質と使い勝手の向上に磨きをかけたという。
映像を忠実に再現する
新TVチューナーカード
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写真2 PC-TX32Jの本体。なお、上部には排熱用スリットなどがあるため、モノを載せないように注意書きがされている。 |
まずパソコン本体のスペックから見ていこう。チップセットはIntel 865GVで、CPUにはCeleronD 335-2.80GHzを採用。2つあるメモリソケットのうち一方に512MBのDDR SDRAMを標準で1枚搭載し、1GBのメモリモジュールを2枚搭載することで最大2GBまで増設可能。グラフィックス機能はチップセット内蔵で、HDDは250GB(UltraATA/100接続)。光ドライブはDVD+R DL(2層式DVD+R)対応でDVD-RAMの書き換え速度が最大5倍速のDVDスーパーマルチドライブを備える。ネットワークは10/100BASE-TX対応だ。CPUや光メディアドライブがPC-TX26GSから強化された以外は、基本的に同スペックなのだが、ひとつ決定的に違うポイントがある。それはPCIスロットに標準装備している新型のTVチューナーカードだ。
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写真3 本体前背面。前面は鏡面仕上げになっている。 |
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写真4 撮影用にカバーを外したところ(動作保証範囲外になるので注意)。大型のファンを組み合わせて、静音性を高めている工夫が見られる。なお、電源は内蔵せず、付属のACアダプターを使用する。 |
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PC-TX32JのTVチューナーカードは地上アナログ放送&CATV対応のTVチューナーユニットとMPEG-2エンコーダーを組み合わせたもので、ビデオデコーダーは10bitでのA/D変換に対応する。今回の目玉である高い映像品質を実現するカギのひとつがこの10bitデコーダーで、映像のA/D変換におけるダイナミックレンジが広い――つまり映像の輝度などにおける階調(濃淡)をより細かく表現できることから、オリジナルの映像品質を劣化させずにデジタル化できるというわけだ。一般に画面全体が暗い/明るいなど、明るさに偏りのあるシーンでは映像の一部が黒く潰れたり逆に白く飛んでしまいがちだが、PC-TX32JのTVチューナーカードはそうした厳しいシーンでの映像の再現にこそ真価を発揮できるというわけだ。
映像品質に多大な影響を与える“高画質化回路”も万全で、動き適応型3D Y/C分離やゴースト低減、FrameTBCと、主要な機能を搭載。TV番組はもちろんビデオ入力端子からの映像など、あらゆるソースの映像を高い映像品質で視聴・録画可能だ。
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写真5 内蔵TVチューナー。 |
また、外せないのが今回から“ダイレクトオーバーレイ”表示をサポートしたこと。従来はTVチューナーカード上のチップでMPEG-2フォーマットにエンコードした映像をソフトウェアでデコードしながら再生・表示していたが、PC-TX32Jでは映像のエンコードを行なう経路とは別にスクリーン表示用の経路を用意することで、デジタル化した映像を直接スクリーンに表示できる。録画時にもデジタル化した映像をダイレクト表示できるので、映像品質面で明らかに有利だ。このようにPC-TX32J付属のTVチューナーカードには、スペックだけでは捉えづらい、さまざまな強化ならびに機能拡張が施され、PC-TX26GSとはまったくの別モノに仕上がっている。
TV・DVDを大迫力で楽しめる
32インチワイドの“New亀山液晶”
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写真6 TVチューナーを内蔵する付属の32インチ液晶ディスプレー。比較のために週刊アスキーを置いてみたが、あまりにも小さく見えてしまう。 |
PC-TX32Jの顔ともいえる液晶パネルは、26インチワイドのPC-TX26GSよりも一回り大きな32インチワイドサイズ。これは同社のパソコンラインナップでも最大だ。液晶タイプは広い視野角と高速な反応速度を実現するASV方式の“低反射ブラックTFT液晶”で、輝度は450cd/m2、コントラストは800:1、応答速度は12ms以内。表示解像度は1366×768ドットで、付属パソコンに接続した場合は最大1360×768ドットまでサポートする。
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本体右側面。 |
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本体の背面のパソコン向け入力端子。アナログRGB(D-Sub15ピン)とデジタル入力(DVI-I)の2系統入力を持つ。 |
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写真7、8 本体右側面と背面の入力端子 |
この液晶パネルはパソコンのモニタだけでなく、TVチューナーやD4入力端子をはじめとする豊富な映像入力端子の搭載により、HD対応の薄型大画面TVとしても利用可能。TVチューナーはアナログ地上波のみで、単体では地上デジタル放送・BS/CSデジタル放送を受信できないが、外部デジタルTVチューナーを利用すればハイビジョン映像(720Pや1080i)を32インチの大画面で楽しめる。
内蔵TVチューナーにおいても高画質化回路が用意されており、3D Y/C分離やノイズリダクション、ゴースト低減をはじめ、動き適応型IP変換や3:2/2:2プルダウン、肌色補正など、高い映像品質を謳うリビング向けの大型液晶TVと同等の充実した構成となっている。映像表示は全画面のほか、ピクチャー・イン・ピクチャーや2分割(2画面同時)表示にも対応し、TVを存分に楽しむのか、パソコンを使いながらの視聴かなど、利用状況に応じて柔軟に使い分けられる。
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本体上部の電源スイッチ、およびチャンネルやボリュームのボタン。 |
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前面には外部の明るさを検知するセンサーを用意し、バックライトの輝度を自動調整する。 |
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写真9、10 液晶ディスプレーのスイッチ部とセンサー部 |
大画面+リモコンで
快適なリビングAV環境を実現
実際に借用してセットアップして試したところ、際立つのはやはり32インチワイドという液晶パネルの大きさだ。このスクリーンを縦横サイズに直すと幅697.7×高さ392.7mm。その存在感は圧倒的で、さらに、サブウーファーが付属することもあり、TVはもちろん外部入力のDVD-Videoやゲームなども大迫力で楽しめる。
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写真11 付属サブウーファー。 |
TV視聴・録画機能については、液晶ディスプレーとパソコン内蔵のダブルチューナー構成で、2番組の同時録画はできないものの、2番組の同時視聴や裏番組の録画が行なえる。
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TV視聴を行なうピクセラ「StationTV」。画面はPCで操作をしながら視聴するのに最適なウィンドウモード。 |
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手動による予約設定でも、10feetGUI+リモコンの効果で快適に操作できるようになっている。 |
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画面1、2 ピクセラ「StationTV」の画面。 |
パソコンでTV番組の視聴・録画を実行するソフトはピクセラ「StationTV」。いわゆる“10feetGUI”と呼ばれる、少し離れた場所からの操作に対応できる大きく分かりやすいアイコンとユーザーインターフェイスを持つソフトで、視聴・録画はもちろん録画予約などもリモコンだけで快適に操作できる。付属キーボードもワイヤレスタイプで、“リビングPC”の名にふさわしく、ソファーでくつろぎながらTV視聴や録画の操作できるというワケだ。なお、リモコンは液晶ディスプレーのコントローラだけでなく、パソコンのポインティングデバイスとしても利用可能だ。
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予約リストの内容を確認したところ。 |
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ビデオやオーディオといったコンテンツを家庭内ネットワークで共有できる「StationAV」。 |
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画面3、4 ピクセラ「StationTV」と10feetGUIの画面。 |
価格はオープンプライスで、SHARP PC ONLiNEの販売価格は32万9805円。低価格化が進んだパソコンとして考えると高価な部類になるが、1インチ1万円が買い時と言われる大画面TVに、ビデオレコーダとしての機能を重視したスタイリッシュなパソコンが付属する、と考えるとかなり割安感がある。また、家電だけでは真似できない家庭内LANを利用した録画映像や音楽の共有環境「StationAV」が利用できるメリットもあり、コストパフォーマンスはすこぶる高い。リビングの中心に置き家族のみんなで使う――そうした用途にはまさにピタリの一台だ。
手持ちのパソコンも大画面液晶パネルでリビングPCにグレードアップ
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“液晶IT-TV”「IT-32M2」。 |
本文で触れたPC-TX32J付属の液晶ディスプレーは、同社が発表した新しい“液晶IT-TV”のベースモデル「IT-32M2」と同スペックのもの。つまり液晶パネルは単体での入手も可能だ(カラーリングは異なるが)。手持ちのPCをリビングPCにグレードアップしようと検討している人にとっては、この液晶パネルのみ購入するのもひとつの手だろう。
なお、液晶ITTVにはPCのスクリーンとTV・外部ビデオの表示にのみ対応するベースモデルのほか、USBポートを備えLANコンバータ機能を搭載するネットワーク対応モデル「IT-TX32X2」もある。IT-TX32X2のワイヤレスLANでサポートするプロトコルはIEEE802.11a/b/gで、設定はバッファローの「AOSS」に対応。バッファローのアクセスポイントがある環境であればボタンひとつで簡単に接続できるよう工夫されている。
SHARP PC ONLiNEでの販売価格は、ベースモデルのIT-32M2が22万9803円で、ネットワーク対応モデルのIT-32X2が25万9812円だ。
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| Mebius PC-TX32Jの主なスペック |
| 製品名 |
PC-TX32J |
| CPU |
Celeron D 335-2.80GHz |
| OS |
Windows XP Home Edition SP2 |
| メモリ(最大) |
DDR SDRAM 512MB(2GB) |
| チップセット |
Intel 865GV |
| 液晶ディスプレー/解像度 |
32インチワイドASV方式低反射ブラックTFT/1366×768ドット |
| ビデオ |
チップセット内蔵 |
| HDD |
約250GB |
| 光学ドライブ |
DVD+R DL対応DVDスーパーマルチドライブ(DVD-RAM5倍速、DVD-R12倍速、DVD-RW6倍速、DVD+RW8倍速、DVD+R12倍速、DVD+R DL8倍速) |
| カードスロット |
CFカード TypeII×1、SDカード/メモリースティック(PRO対応)/スマートメディアスロット |
| 通信 |
10/100BASE-TX |
| I/O |
USB 2.0×4、IEEE 1394×1(4ピン)、外部ディスプレー出力端子、ビデオ入力端子(S-Video×1、コンポジット×1)、オーディオ入出力(光デジタル含む)など |
| TVチューナー |
本体側:地上アナログ放送(高画質化回路搭載、視聴録画対応) 液晶ディスプレー側:地上アナログ放送(高画質化回路搭載、視聴用) |
| サイズ |
本体:約439(W)×326(D)×61(H)mm 液晶ディスプレー:約801(W)×280(D)×645(H)mm サブウーファー:約173(W)×245(D)×280(H)mm |
| 重量 |
本体:約7.1kg 液晶ディスプレー:約19.9kg サブウーファー:約3.4kg |
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(伊藤 裕也)
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