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エプソンダイレクトの「Endeavor Pro3300」は、同社のフラグシップモデルとなったミドルタワー型のデスクトップパソコンだ。ボディーの基本設計は従来モデルを継承しつつ、デュアルコアアーキテクチャを採用したPentium エクストリーム・エディション/Pentium Dと、それに対応する最新プラットフォームのIntel 955Xチップセットを搭載しているのが特徴だ。同社ならではのB.T.O.システムにより、パーツ構成は柔軟にカスタマイズしてオーダーできる。 Endeavor Pro3300の特徴は、デュアルコアCPUであるPentium DおよびPentium エクストリーム・エディションに対応したことにある。デュアルコアとはCPUが実際の演算を行なう部分であるコアを2セットぶん搭載したアーキテクチャーのことで、ひとつのCPUでデュアルCPUシステムと同等の効果があるのに近い構造となっている。アプリケーション自体がマルチスレッド処理に対応しているエンコーダソフトなどで大きな性能向上が期待できるほか、複数のアプリケーションを同時に動作させるような場合にも、レスポンスが低下しないというメリットある。しかし、逆にいえばシングルスレッドのアプリケーションをひとつのみ動作させる場合はデュアルコアのメリットはない。その代表が3Dゲームだ。ゲーム用途にはシングルコアで高クロックなCPUのほうが性能では有利になる。 Endeavor Pr3300は、Pentium エクストリーム・エディション 840-3.20GHz、Pentium D 840-3.20GHz/830-3GHz/820-2.80GHzと、Intelのすべてのデュアルコア製品がB.T.O.メニューから選べる。それだけでなく、従来シングルコアのPentium 4も、最高クロックの670-3.80GHzを筆頭に、660-3.60GHz/650-3.40GHz/640-3.20GHz/630-3GHzと、プロセッサナンバ600番台の製品をフルラインナップ。さらにPentium 4の上位バージョンである、Pentium 4 Extreme Edition-3.73GHzも選べるなど、Intelのハイエンド系CPUをほぼ網羅する。用途や予算に応じて自在にチョイスできる。
PC2-5300 DIMM、シリアルATA II HDDを採用
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本体内部(給排気ダクトやカード支えなどは外してある)。メモリーは現在最高速のPC2-5300 DIMM、HDDはシリアルATA IIと、周辺も最新でまとめられている。RAID構成も指定でき、最大4台のHDDを利用したRAID 0/1/10に対応する |
CPU以外のパーツにもみどころが多い。マザーボードはデュアルコアに対応したIntel 955Xチップセットを搭載した製品を採用。これまでのIntel 925X/915系チップセットとの違いとしては、デュアルコアCPUへの対応以外に、DDR2-533(PC2-4300)より高速なDDR2-667(PC2-5300)に対応したこととがまず挙げられる。メモリーは本製品もPC2-5300 DIMMに対応しており、容量も512MBから3GBまで豊富に用意されている。なお、2本1組で利用することでデュアルチャンネルアクセスが有効となるが、もちろん、用意されている選択肢はすべてデュアルチャンネルの構成である。
また、HDDがシリアルATA II対応HDDとなったこともポイントだ。ネイティブコマンドキューイングに対応しており、バッファーにためたリードコマンドを並べ替えてアクセスすることでアクセスを効率化。無駄なシーク動作を省くので、ランダムアクセスの高速化が期待できる。容量は80GB、160GB、250GBの3種類だが、HDDの台数は追加が可能。さらにRAID構成も選択できる。チップセットが新しくなったことで、シリアルATA HDDが4台まで接続可能になり、4台のHDDを使ったRAIDも利用可能になっている。分散アクセスすることで高速化するRAID 0、データをミラーリングして保護するRAID 1、そしてそれらを組み合わせたRAID 10が可能。最大1TB(RAID 0)まで搭載可能。
ビデオカードもB.T.O.で豊富に選べる。ベンチマークテスト用の評価機では、ATIテクノロジーズのフラッグシップであるRADEON X850XTを搭載したビデオカードを採用。2スロットぶんのスペースを占有するが、ファンの動作音は非常に静かだ |
PCI Express x16対応ビデオカードの選択肢も豊富。RADEON X850XTを筆頭に、RADEON X800XL、GeForce 6600GT、GeForce 6600、さらにGeForce 6200TC(16MB)と、ハイエンドからコストを抑えたエントリーカードまで幅広く用意されている。高速なCPUと組み合わせた快適なゲーム環境が構築できる。また、すべてのビデオカードがデジタル出力(DVI-I)を装備し、液晶ディスプレーとの相性は抜群。デジタルならではのクッキリと鮮やかな表示が楽しめるだろう。さらに全モデルがTV出力端子を搭載しており、GeForce 6600以上のモデルではすべてHDTV出力にも対応。なお、ワークステーション向けとして、各種CAD/クリエイティブ系アプリケーションにチューニングしたドライバが使えるQuadro FX1400も用意されている。
ミドルタワー筐体を採用していることもあり、光学ドライブは2台まで搭載可能。1台目のドライブとしては、DVD±Rの2層書き込みなどすべてのDVDメディアへの書き込みに対応したスーパーマルチドライブのほか、CD-ROMドライブ、DVD-ROMドライブ、コンボドライブと4種類から選択可能。2台目としては、コンボドライブとスーパーマルチドライブのほか、MOドライブも選べるようになっている。
通信機能とサウンド機能はマザーボードにオンボード搭載されており、7.1ch出力に対応したHDオーディオのサウンドや、Gigabit Ehternet(1000BASE-T)をサポートする。B.T.O.ではSound Blaster Audigy2 ZS Platinum や、無線LAN(802.11b/g対応)のPCIボードの追加、ゴーストリデューサー機能、3次元Y/C分離フィルターなどの高画質機能を搭載した高画質TVチューナーキット(シングルチューナまたはダブルチューナ)など多彩に用意されており、
拡張性、メンテナンス性、静音性など、すべてにおいてハイレベルなボディー。樹脂製のアタッチメントが各所に装着されており、レバー操作だけで各種パーツの着脱が可能になっている |
ボディーの根幹部分は、従来機である「Endeavor Pro3100」を継承しており、冷却効率とメンテナンス性を追求したオリジナルの高級ミドルタワーケースを採用。各所にブルーの樹脂製アタッチメントが装着されているが、これらはサイドカバーや各種パーツのロックとして機能しており、フロントマスクだけでなく、サイドダクト、拡張カードスタビライザー、HDD、光学ドライブ、そして拡張カードまで、すべての構成パーツの着脱に対して工具が不要。すべてレバー操作のみで行なえるようになっている。非常に良好で、現状での使い勝手だけでなく、将来的な拡張性、増設にも余裕をもって対応できる設計になっている。
静音性も優秀だ。スチール製のガッチリした肉厚のシャシーは、光学ドライブやHDDとの共振など皆無。サイドカバーにはCPUに直接フレッシュエアーを供給できるサイドダクトCPUクーラーをサイドダクトを介してサイドカバーに直結して熱移動の効率を向上、さらに大型12cm角のケースファンを使って背面方向に効率よく排気する。このCPUファン、ケースファンともに負荷に応じて自動的に回転速度を調整する回転速度制御に対応している。ケースの冷却効率がよいために、待機状態はもちろん、ムービー再生やちょっとした3Dゲームをやるくらいなら十分静粛な状態のまま利用可能になっている。今回はPentium D 840、RADEON X850XT、シリアルATA RAID(2台)という豪華な構成で試したが、デュアルコアがフルパワーで動作するエンコードを続けるとそれなりの音がするが、それでも轟音というほどではなく、ちょっとした扇風機くらいのもの。それ以外は何をしても意外なほど静かなまま利用できた。ビデオカードのクーラーも静音タイプが使われているためか、3Dゲーム中でもほとんど気にならなかった。
本体前面および背面 | |||
ここでは、デュアルコアCPUの特性や、最新モデルの実力の参考として、ベンチマークテストを実施してみた。Endeavor Pro3300の構成はPentium D 840-3.2GHzを利用し、現在も併売されている従来モデルのEndeavor Pro3100を比較対象として使っている。それぞれの構成は表に示したとおりだ。
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デュアルコアの特徴は、「PCMark05」の“System Test Suites”の項目別のテストによく現れている。ウェブページ表示とファイル暗号解読はそれぞれ単独のテストだが、オーディオ変換とビデオエンコードは並行して走らせる。テキスト編集(検索&置換)と画像表示(JPEGのデコード)も同様で、マルチタスク環境を想定したものとなっている。結果は見ての通り、ファイル暗号解読ではほとんど変わらない結果であるのに対し、2つのテストを同時に走らせるテストでは4項目ともに大幅なアップを見せた。Pentium 4はシングルコアとはいえHyper-Threadingをサポートするためマルチタスク環境には強いはずだが、それでも大きな差となっている。
マルチスレッドに対応しているエンコードアプリケーションでは、やはりデュアルコアは強く、「TMPGEnc 3.0 Xpress」「Windows Media Encoder 9」ともに50%以上もスコアが伸びている。3D系ベンチマークテストは、現状デュアルコアのメリットは生きてこない。3DMark05ではほとんど同じスコアだったが、FinalFantasy XI Official Benchmark 3では、理由はよくわからないが、少しEndeavor Pro 3300のシステムのほうが上だった。
PCMark05のSystem Test Suitesから抜粋。単一のテストであるWebページ表示やファイル暗号解読ではほとんど差がないが、オーディオ変換とビデオエンコード、テキスト編集と画像表示、マルチタスク環境を想定したテストではデュアルコアの威力が全開 |
TMPGEnc 3.0 Xpress。220MBのAVIファイル(DVコーデック)をDVDクオリティのMPEG2ムービーに変換するのにかかった時間。Pentium Dを搭載したEndeavor Pro3300のシステムのほうが59%も高速 |
Windows Media Encoder 9。160MBのMPEG2ファイルをDVDクオリティのWMVムービーに変換するのにかかった時間を計測した。Pentium Dを搭載したEndeavor Pro3300のシステムのほうが53%も高速 |
Futuremarkの定番3D系ベンチマークテスト「3DMark05 1.2.0」。実際のゲームシーンを再生し、そのフレームレートからスコアを算出する。ビデオカードの性能を大きく反映することもあり、両者にはほとんど差がない |
スクウェアエニックスの人気オンラインゲーム「FinalFantasy Official Benchmark3」の公式ベンチマークテスト。高解像度のHIGHのスコア。Endeavor Pro3300のシステムのほうが10%程度高速だった |
スペックを細かく見れば見るほど、すべてのパーツがこだわりをもって厳選されていることがわかる。最新のCPUをフルに生かせる周辺構造になっており、性能面では文句なし。静音にしても単純にファンの回転速度を変えたり、部分的に静音パーツを使用しただけでなく、ケースをはじめとして、すべてのパーツに意識が徹底されていることが見て取れる。汎用的な素直なパーツで構成されているため自作PCと比較されることもあるが、自作で実現するにしても、ここまでの性能と静音を実現するためには相当な知識や下調べが必要で、なかなか難しいのではないだろうか。とにかく素晴らしい仕上がりで、現時点で最高のマシンがほしいという方の期待に見事に応えられる。ハイエンドマシンの購入を検討している方は、ぜひとも検討対象に入れてほしい。
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(鈴木 雅暢)
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