2005年12月27日
 |
写真1 32インチワイド液晶ディスプレーTVがセットになった、“Mebius”「PC-TX100K/32MD3」。 |
シャープ“Mebius”のラインナップには、まるでAV機器のようなデザインのパソコン本体と、大画面のTV部(液晶ディスプレー)をセットにした“Mebius TX”シリーズが存在する。2004年12月に初めて登場したMebius TXシリーズは、TV番組の視聴・録画やホームネットワークにおけるマルチメディアコンテンツの共有など、家庭でAVライフをより豊かにする機能を充実させたモデルで、シャープでは“AVセンターパソコン”と銘打っている。そのMebius TXシリーズに12月、同社初のデジタル放送対応モデル「PC-TX100K/32MD3」「PC-TX32K」が登場した。
上位機種のPC-TX100K/32MD3は、パソコン本体とTV部それぞれに地上デジタル放送&BSデジタル/110度CSデジタル対応TVチューナーを搭載。下位機種のPC-TX32Kは付属のTV部のみにデジタルチューナーを搭載する(パソコン本体にはアナログのTVチューナーを内蔵)。つまり下位モデルでは、デジタルTV放送が視聴のみ可能というわけだ。ここでは、ダブルデジタルチューナーを搭載する上位モデル、PC-TX100K/32MD3を紹介していく。
デジタル放送対応に併せて
本体スペックも大幅アップ!!
まずはPC-TX100K/32MD3の製品構成とスペックから。PC-TX100K/32MD3は、フロントパネルがミラー調に仕上げられた、HDD&DVDレコーダーを連想させるデザインのパソコン本体「PC-TX100K」と、同社の液晶TV“AQUOS”と同じ高輝度高視野角高速応答の液晶パネルを採用した32インチワイド液晶ディスプレーTV「PC-32MD3」で構成される。
デジタル放送のHDコンテンツなどを扱うため、パソコンとしてのスペックは従来の最上位モデルであった「PC-TX32J」から大幅に強化されている。例えば、CPU/チップセットはCeleron D 335-2.80GHz/Intel 865GVからPentium 4 630-3GHz/Intel 915GVに、標準搭載のメモリーも512MBから1GBと倍増した。HDDは250GB(UltraATA/100)→400GB(シリアルATA/150)で、ネットワークも今回からGigabit Ethrenet対応となった。CPUの変更では、内部2次キャッシュが256KBから2MBへ、FSBも533MHzから800MHzへと強化され、クロックの差以上に大きなパフォーマンス向上が期待できる。言い換えれば、3DゲームやHDコンテンツの編集など、負荷の大きい演算処理にも十分対応できるパソコンへと進化を遂げたわけだ。
 |
写真3 PC-32MD3の背面にある外部ビデオ入出力端子。映像入力は3系統で、うち2系統はD端子による入力に対応している(残る1系統はSビデオ入力対応)。 |
|
 |
写真4 背面下部にはPCとの接続端子をはじめ、IEEE 1394、ネットワークポートなどを配置している。 |
|
一方、TV部のPC-32MD3はパソコン接続時の最大表示解像度は1360×768ピクセルでPC-TX32Jの付属ディスプレーを継承しながらも、コントラスト比を約800:1から約1200:1に向上するなど表示クオリティーの向上を図っている。
 |
写真5 まるでビデオレコーダーのような外観のPC-TX100K。写真ではわかりにくいがフロントパネルはミラーで、パソコンであることを感じさせない仕上がりになっている。 |
|
 |
写真6 PC-TX100Kの背面。向かって左側に縦長の6ピンのコネクターを差し込むポートがあるが、ここは外付けの電源を接続するところである。 |
|
デジタル放送対応ということで気になるディスプレー⇔パソコン間の接続インターフェースには、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection System)対応のDVI-Dを採用。
見たい番組が重なっても、もう大丈夫!
ダブルチューナーで裏番組録画&2番組同時表示
PC-TX100K/32MD3の機能で特に注目すべきポイントは、なんといっても“TVの視聴・録画機能”と“チャンネルUI”である。
|
|
画面1 パソコンからTVの視聴・録画を行なうソフト「StationTV Digital」のメインウィンドウ。スクリーン上の情報はリモコン操作により表示のオン・オフが可能だ。なお、TV画面はいずれもはめ込み合成したものです。 |
まずPC-TX100K/32MD3最大のポイントである“TVの視聴・録画機能”については、アナログ・デジタル放送に両対応。デジタル放送は冒頭で触れたとおり、地上デジタル放送のほかBSデジタル放送・110度CSデジタル放送をサポートし、HDコンテンツの表示はPC-32MD3の最大解像度である1366×768ドットにスケーリングして表示される(ただし、パソコン側のTVチューナーで受信した映像は1360×768ドット表示)。スクリーンサイズも32インチワイドと大きいことから、映像を高精細かつ大迫力で楽しめる。
 |

画面2 地上デジタル放送におけるEPG(電子番組表)。TV番組の録画はここから実行できる。 |
なお、TVチューナーはPC-TX100KとPC-32MD3でそれぞれ個別に用意されているので、PC-TX100Kで番組を録画しつつPC-32MD3で別の番組を視聴する“裏番組録画”、PC-32MD3のマルチ画面機能を使用しての“2番組同時表示”も可能だ。一般的なシングルチューナーのTVパソコンやAV環境では、見たい番組が同じ時間帯に2つある場合、どちらか一方を諦めるしかなかったが、PC-TX100K/32MD3があればそうした状況にも余裕で対応できる。見たい番組が重なることはよくあるだけに、これはうれしいポイントである。
 |

写真7 コンパクトなワイヤレスキーボード。ポインティングデバイスはトラックボールで、キーボードの端を両手で持ちつつ操作することもムリなく行える。ちなみに写真ではわかりにくいが、キーボードの左右それぞれの端にあるボタンは光沢のあるシルバーである。 |
TVの視聴・録画を行なうパソコン側のユーザーインターフェース(視聴ソフト)は、リモコンでの操作を強く意識したピクセラ「StationTV Digital」がプレインストールされている。離れた場所からでも操作しやすい大型アイコンが特徴の“10フィートGUI”を採用しており、TVの視聴はもちろん、EPG(電子番組表)による録画予約や録画日時の設定変更といった操作もリモコンから簡単に行なえる。リビングルームに設置して、普段はパソコンをあまり使わない家族全員が一緒に使うシーンには最適な構成と言えるだろう。
 |
写真8 付属のリモコン。TV部もパソコン本体もここからコントロール可能だ。なお、中央にある円形のコントローラーはポインティングデバイスとしても使用できる。 |
|
 |
写真9 迫力ある低音を提供するウーファーも標準で付属している。 |
|
TV番組を録画できる時間は、録画する映像種別で異なる。例えば地上デジタルのHDコンテンツなら約38時間、SDコンテンツでは約80時間といった具合だ。著作権保護された番組のムーブ(DVDメディアなどへの書き出し/移動)には非対応なので、お気に入りの番組を長期間に渡って保存するのは厳しいが、仕事などで見られない時間の番組を録画しておいて週末にゆっくり楽しむという用途には十分な機能を有している。
お気に入りのウェブページを
リモコン一発で全画面表示
 |
画面3 チャンネルUIエンジンによる“お好みチャンネル”。リモコンのチャンネルボタンを押すだけで、そのチャンネルに割り当てられたウェブページへとジャンプできる。 |
|
 |
画面4 お好みチャンネルでは、チャンネルに割り当てた設定をこのようにリスト表示することもできる。どのチャンネルにどのサイトを割り当てたのか確認したいときに便利。 |
|
もうひとつの“チャンネルUI”は、TVのチャンネルを切り替えるような操作で、表示するウェブページをリモコンからコントロールできる(切り替えられる)というもの。よくアクセスするページを事前に登録しておけば、あとはそのページに割り当てられたリモコンのボタンを一押しするだけでフルスクリーン表示できるし、そのままページ内のスクロールやリンク先への移動もリモコンだけで操作できる。このチャンネルUIは、インターネット経由で提供されるオンデマンドビデオ配信サービスの視聴をメインターゲットにした機能だが、もちろん普通のウェブページも登録・表示が可能である。リモコンには文字入力などの機能がないため、掲示板やチャットに書き込む、といった用途にはあまり向かないが、TVを見ていて気になるキーワードを見つけたら、関連するウェブページを検索してみたい、といった場面で大変便利な機能だ。
 |

画面5 お好みチャンネルの設定。ウェブサイトの登録は、ウェブブラウザーで表示した際にショートカットメニューから追加する簡単な方法のほか、ここにタイトルとURLを入力することでも可能。 |
価格はオープンプライスで、シャープの運営するオンラインストア“SHARP PC ONLiNE”での販売価格は45万9837円。パソコンとして捉えると、最近ではかなり高価に思えるが、高品質な32インチワイド液晶ディスプレーにデジタルTVチューナー×2を搭載して、400GB HDDを内蔵するHDDビデオレコーダーの機能も有している(もちろんパソコンとしての機能も!!)。こうしたAVシステムを個別に集めていけば、同等以上のコストになってしまうだろう。リビングルームに設置するTVやビデオといったAVシステムを新規に購入したい、あるいは買い換えようと考えている方には、魅力ある選択肢のひとつだ。
| Mebius PC-TX100K/32MD3の主なスペック |
| 製品名 |
PC-TX100K/32MD3 |
| CPU |
HTテクノロジ対応Pentium 4 630-3GHz |
| OS |
Windows XP Home Edition SP2 |
| メモリ(最大) |
DDR2 SDRAM 1GB(2GB) |
| チップセット |
Intel 915GV |
| 液晶ディスプレー/解像度 |
32インチワイド/1360×768ドット (地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル放送対応チューナー内蔵) |
| ビデオ |
チップセット内蔵(Intel 915GV) |
| HDD |
約400GB |
| 光学ドライブ |
DVD±R DL(2層式メディア)対応DVDスーパーマルチドライブ |
| TV機能(パソコン本体側) |
地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル放送対応チューナー内蔵 |
| 拡張スロット |
CFカード×1、SDメモリーカード/メモリースティック/xDピクチャーカード対応×1 |
| 通信 |
10/100/1000BASE-T |
| I/O |
USB 2.0×4、IEEE 1394×2(4ピン、6ピン各1)、ビデオ入力(S-Video、コンポジット)、外部ディスプレー出力(DVI-D24ピン、HDCP対応)、オーディオ入出力(光デジタル出力含む)など |
| サイズ |
約439(W)×329(D)×61(H)mm(パソコン本体) 約801(W)×280(D)×645(H)mm(液晶ディスプレー) 約173(W)×245(D)×280(H)mm(サブウーファー) |
| 重量 |
約7.1kg(パソコン本体) 約22.0kg(液晶ディスプレー) 約3.4kg(サブウーファー) |
|
(伊藤 裕也)
|