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sigmarion II 高速化と新機能追加で生まれ変わった新sigmarion
sigmarion II
NTTドコモ
オープンプライス
03-5156-3030
http://www.nttdocomo.co.jp/


2001年9月25日

2000年9月に登場したNTTドコモの「sigmarion」は、Palmブームをよそに売れまくり、“違いのわかる”モバイラーたちに活用されている。そして、1年ぶりに新しくなった「sigmarionII」(以下新sigmarion)は、一見すると“色が変わった”くらいにしか見えないが、実際に触ってみると中身は“生まれ変わった”といってもよい仕上がりだ。

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本体色
起動すると表示されるアプリケーションランチャのメニューソフト。これを終了すれば一般的なWindows CEのデスクトップとなる。OSもWindows CE 3.0カーネルの「Microsoft Windows Powered Handheld PC 2000」になった。「Pocket WZ EDITOR」(ビレッジセンター)や「QMAIL2」(Satoshi Nakamura氏作)などを組み込めば、日常的な作業では、本当にノートパソコン並みの使い勝手となる。
 現在、キーボード付きのWindows CE機 (以下H/PC=Handheld PC)が置かれている立場は、なかなか微妙である。バッテリ駆動時間の伸びたサブノートや人気のPalm軍団の上下からの板ばさみに加え、“兄弟”のはずの「PocketPC」という側面からも攻められているからだ。
 しかし、出先で瞬時に立ち上げ、あっという間に電子メールを読み書きし、Webサイトも見れて、Excelまで使って、瞬時にして終了するというスマートな使いこなしは、H/PCにしかできないワザである。

 H/PCのベストセラー「sigmarion」から、最小・最軽量の絶妙なバランスの携帯性(ヒューレット・パッカードの「Jornada 710」や「同 720」の体積比90%、重量98%)とピッチ14.1mmながらフルキーボード感覚で文字入力ができるキーボードを、ほぼそのまま継承した新sigmarionは、いよいよノートPCやPalm系PDAとは一線を画する“機動性・実用性”が実現された。


ゼロハリのデザインが秀逸

本体色
旧sigmarion(下)が“ポリッシュシルバー”に対して、新sigmarion(上)では、アルミアタッシェでも最も人気のある“サテンシルバー”に変更された。
 sigmarionといえば、「ZERO HALLIBURTON(ゼロハリバートン)」の協力を得たデザインを採用したことで話題となった。
 ちょっとでもこの世界をご存じのユーザーならお気づきのとおり、中身は「モバイルギアII」の流れを汲んでおり、製造もNECが担当している。H/PCの中では支持層の厚い“モバギ”(米国などでは「MobilePro」シリーズ)だが、その中身に、若いビジネスマンからプロのメイクアップアーチストまで使う“ゼロハリ”独特のプレスラインは好評だった(一部に「でもプラスチック製でしょう」という声も聞かれたが、日本の漆器文化の伝統さえ引き合いに出したくなるような5回もの塗り重ねが行われたあのトップパネルは、米国製では決してありえない“凝った”仕上がりになっている)。新sigmarionでは、その本体色が、「ポリッシュシルバー」から「サテンシルバー」に変更された。



本体前面
本体前面にあるFOMA端子。コネクタは特殊だが信号はUSBとのこと(ただし電源は供給されず)。同じ前面のイヤホンジャックはステレオヘッドフォンジャックに変更されている。
 外見で目を引くのが本体手前の「FOMA接続端子」だ。これで、受信時最大384kbps、送信時最大64kbpsのデータ通信が可能となる。液晶は、STN方式ながら応答速度の速い「HPA」液晶を採用。電源を入れると「sigmarionメニュー」という、専用ランチャが起動する。ハード的にもソフトウェア的にも、これだけでは細部の見直しがされただけのように見えるが、新sirmarionの真価は、その“実効性能”にある。
 旧sigmarionの欠点のひとつに“メモリの搭載量”があった(CFスロットをP-in Comp@ctで埋めると外部メモリが使えない)。新sigmarionでは、本体の32MBのメモリ(プログラム領域とデータ領域に分けて使用する)のほかに、「カスタムメモリ」と呼ぶフラッシュROMを16MB搭載。出荷時には、ここに「JRトラベルナビゲータ」や辞書ソフトの「DTONIC」(三省堂の「コンサイス英和/和英辞典」)などを搭載。用途に応じてこれらを削除してやれば、一般的な利用範囲ではメモリ不足はカバーされるだろう(ただし、ソフトを収録したCD-ROMは別売)。  また、従来のsigmarionでは、放射ノイズや伝導ノイズの関係からPHSデータ通信カード「P-in Comp@ct」との相性に問題があったが(初期出荷分、その後は無償交換で改善されたが)、今回は、先行して発売された「P-in M@ster」との相性を極限まで追求し、PHSの受信状態が“棒1本”の状態でも十分に使えるという(P-in M@sterを使って発信、通話も可能)。




処理速度がさらに速い

本体
ちょっと厚めの新書くらいの大きさは、ちょっとしたポケットに入ってしまう。液晶下のロゴは「Powered by Microsoft WindowsCE Handheld PC」から新sigmarionでは「Microsoft Windows Powered」となった。
 そして、いままで旧sigmarionを使ってきたユーザーが一番評価しているのが、その“速さ”という最もベーシックな性能の向上である。
 新sigmarionは、動作感覚やWebサイトのアクセスなどの点で、PDAというよりも“ノートパソコンの領域”に入ってきている。もちろん、電源ON/OFFは瞬時だから、仕事の内容によってはノートパソコンよりもテキパキと行える。
 実際に、旧モデルと新モデルの比較テストをやってみた。ATOK Pocketの変換を含む全般的な“キビキビ感”の向上もあるが、「EXCELの起動時間」は約1.7倍、「EXCELの計算(素数を求める表の計算)」が約2.3倍、「Pocket IEで“asahi.com”のトップページの表示」では1.5〜1.8倍の速度向上が認められた。



グラフ1
Pocket Excelで「エラトステネスのふるい」を実行する表の再計算を行うのにかかる時間。

グラフ2
ファイルのコピーにかかった時間。グラフはかなり差があるように見えるが、約1秒の違いしかない。

グラフ3
asahi.comを表示するのにかかった時間。32kbpsと64kbpsでそれぞれ計測している。

本体裏面
新sigmarion(上)と旧sigmarion(下)の裏面。CFカードの押し出しノッチやバッテリ (定格 DC7.2V/3.5WからDC7.4V/4.0Wに変更になり互換性なし)も変更されている。バッテリ駆動時間は、通常使用で4.5〜10時間、通信時に3〜5時間。なお、CFカードスロットを下にして落下させた場合の強度なども見直されているそうだ。
 ところで、新sigmarionでは、いままでのモバイル環境にはなかった「Wake on Ring」と「Wake on Radio」という2つの興味深いアプローチも組みこまれている。
 Wake on Ringは、メール着信でマシンが起動するという仕組みで、iモードメールのように即時受信環境を実現する(もちろん、インターネットメールを受信するのだが、PHSのキャラトークを利用したもので、ISPなどのサーバーが対応している必要あり)。
 Wake on Radioは、電波状態が悪くてメールの送受信に失敗した場合、電波状態が良好になったときに自動的にマシンを起動して再度送受信を行うというものだ。電波状況に左右されるというモバイルの弱点を、ギリギリまで解決しようという“キーファンクション”になる可能性がある。
 「Wake on 〜」を設定すると、本体は電源OFFの状態でも、P-in Comp@ct/M@starは“待ち受け”状態となる。つまり、本体から常に電源供給が行われるわけだが、フル充電・電源OFFの状態で24時間待ち受けしたところ充電状態は80%まで低下した。「Wake on 〜」機能を使うならば、習慣的に毎日充電する必要がありそうだ。

 価格はオープンプライスで、店頭での実売価格は5万円台半ば、というところ。“自分からメッセージをバリバリ出して企画をまとめたりするような、ちょっとでも創造的な仕事や遊びをしている人”は、迷わずH/PCにすべしと言いたいところだが、もちろん、個人の事情というものがあるだろう。新sigmarionは、そんな選択肢の中でもかなり上位に入る端末であるのは間違いない。



sigmarion IIの主なスペック
CPU VR4131-200MHz
メモリ 32MB
カスタムメモリ 16MB
表示 6.2インチカラーHPA液晶(640×240ドット/6万色)
インターフェイス CFカードスロット(TypeII)×1、デジタル携帯電話/PHS接続端子、FOMA接続端子、パソコン/プリンタ接続用シリアルポート、ステレオヘッドフォンジャック、赤外線通信ポート(IrDA1.0準拠)
電源 専用リチウムイオンバッテリ、ボタン電池(CR2032)
バッテリ駆動時間 約4.5〜10時間(非通信時)/約3〜5時間(通信時)
本体サイズ 189(W)×107(D)×27(H)mm
重量 500g

(月刊アスキー編集部 遠藤)




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