DVDメディアに映像を記録する規格のうち、一番ポピュラーなのは「DVDビデオフォーマット」(DVD-Video)だろう。だがDVD-Videoはビデオ映像を読み出し専用メディア(DVD-ROM)で配布する目的で策定されたものなので、ユーザーによる追記や部分消去、あるいは上書きを考慮した作りになっていない。DVD-Videoでは、データがディスク領域の先頭から連続して書き込まれる必要がある。だが、それでは映像データの書き換えや部分消去などができず、リライタブルメディアの特徴を活かすことができない。つまり「家庭でVTRのように使いたい」といったニーズには応えられないのだ。
そこで記録型DVDをVTRと同じような感覚で扱えるようにするために、記録済みのメディアを編集可能とする規格が開発された。これには以下の2種類がある。
1.DVDビデオレコーディングフォーマット(DVD-VR)
……「DVDフォーラム」が策定した規格で、主にリライタブル(書き換え型)メディアであるDVD-RW/DVD-RAMでの利用を想定している。民生用DVDレコーダなどで使われているほか、PCでも対応のソフトを使えばDVD-VRで記録したDVD-RAMの編集は可能である。ただし民生用DVDプレーヤの場合、
- DVD-RAM/DVD-RWの読み出しが物理的に可能なこと
- DVD-VRの再生に対応した機種であること
以上2つの条件が揃わなければ再生できない。つまりDVD-RW対応のDVDプレーヤであっても、さらに“DVD-VRにも対応”していなければ、DVD-VRで記録されたDVD-RWディスクは再生できないということだ。一方、PC用のDVD再生ソフトでは、 DVD-RWに「DVD-VR」で記録したビデオの再生に対応しているものがあり、対応ソフトを使えばPCでの再生が可能である。
2. DVD+RWビデオレコーディングフォーマット(DVD+VR)
……「DVD+RWアライアンス」が策定した、DVD+RW向けの規格。書き換えや部分消去などの編集機能はDVD-VRと似ているが、DVD+VRの最大の特徴は、書き換え/部分消去したあとのディスクもDVD-Videoとほぼコンパチブルであること。つまり“DVD-VRで記録されたディスクを再生できないDVDプレーヤ”でも、DVD+RWディスクを物理的に読み出せるものならば、DVD+VRで記録されたディスクを再生できる可能性が高いというわけだ。もちろんPC用のドライブでもDVD-Videoとして再生できる。さらにPC用のDVDオーサリングソフトでは「neoDVD standard v4.0」をはじめ、DVD+VRに対応したものが登場してきており、DVD+VRでの書き込みや再編集が可能となっている。
PCとの連携、民生機での再生互換性といった観点からまとめると、DVD-VRはPCでの再生は可能だが、今のところDVD-RWメディアにDVD-VRモードで書き込めるPC用のソフトは存在しない。また、民生機においても再生できるプレーヤを選ぶ。
一方、DVD+VRは、国内ではDVD+VR対応の民生用DVDレコーダはまだ市場に出ていないが、PCでDVD+VRでのDVDビデオの作成・編集は可能であり、また作成したビデオに関してもDVD-Videoとの互換性の高さから、民生機での再生互換性も高い。
ただ、PCの世界では、ユーリードシステムズが発売するDVDオーサリングソフト「DVD MovieWriter 2.0」が、DVD-RWディスクにDVD+VRフォーマットで書き込む機能を搭載している。このようにメディアの種類を選ばず自由に書き込みフォーマットを選べる機能が普及すれば、PCとAV家電製品との間の連携は今よりさらに緊密なものになるだろう。