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HP Photosmart D7360 【2006最新プリンター連続レビュー:日本HP編】タッチパネル装備の高速・高機能ダイレクトプリンター
HP Photosmart D7360
日本ヒューレット・パッカード
オープンプライス
(実売価格:2万円前後)

http://welcome.hp.com/country/jp/ja/welcome.html

2006年11月6日

パソコンなしでさまざまな印刷が可能な高機能プリンターにとって、操作性は重要なポイントであり、スイッチやボタン類を業務用コピー/ファクスさながらに搭載したものや、液晶パネルに表示されるメニューなどのインターフェースに凝ったものまで、さまざまなアプローチがなされている。日本ヒューレット・パッカードの「HP Photosmart D7360」は、パソコンなしでメモリーカードのデジタルカメラ画像を印刷できるダイレクトプリンターの最上位機種であり、一番の特徴は“タッチパネル液晶”を搭載した点だ(関連記事)。

タッチパネルと考慮されたボタン配置で
使いやすさを向上したダイレクトプリンター

HP Photosmart D7360 Printer
日本HPのダイレクトプリンターの最上位モデル「HP Photosmart D7360 Printer」。

 本機は、デジタルカメラ画像のダイレクト印刷などが行なえるフォトプリンターで、同社プリンターのスタンダードとなりつつあるヘッド/インクタンク別体式の6色(CMYK、フォトシアン&フォトマゼンタ)印刷ユニット“スケーラブル・プリンティング・テクノロジー”(SPT)を採用する。SPTを簡単に説明すると、大判プリンターなど業務向けインクジェットプリンターから家庭用プリンターまで統一したシステムを利用することで、コストの低減を図りながら最新技術を広く投入するというもの。

前面
液晶パネルはほぼ垂直まで角度を付けることができる。給紙部は下からA4などの給紙トレイ、L判/ハガキ用フォトトレイ(青色の部分)、排紙トレイとなっている。

 印刷速度(モノクロ32枚/分、カラー31枚/分:カタログスペック)などの印刷機能は昨年のモデル「HP Photosmart 8230」と共通で、本体上部に配置された可倒式の液晶ディスプレーや本体前面右の透明カバー内に配されたメモリーカードスロットなどのレイアウトも継承している。大きな変更点は液晶および操作パネルで、従来は2.5インチだった液晶パネルは3.4インチへと大型化し、さらにタッチパネル機能が追加された。

背面
背面にある大きなアクセスパネルは両面印刷ユニット(オプション)を装着するためのもの。

 基本操作の多くが画面に表示されるメニューをタッチして行なえるため、従来は液晶パネルの手前にズラリと並んでいたボタンスイッチやカーソルは整理されて、すっきりとしたデザインとなった。といっても印刷スタートやキャンセル、画像のズームといったよく使う機能は物理的なスイッチとして用意されるなど分かりやすい作りになっている。今年のモデルから同社複合機でも搭載された画像の自動調整技術“HPフォトフィックス”も独立したスイッチとして用意されているほか、補正をオンにしていればボタン上のLEDが光るので、補正のON/OFF状態が一目で分かるようになっている。

操作部
タッチパネルを搭載しているとはいえよく使う機能は物理的なスイッチとして用意されている。カードリーダー部は普段透明なフタで覆われており、ホコリよけになっている。

 カードスロットにメモリーカードを挿入すれば“Photosmart Express”メニューが自動起動し、印刷するには“表示と印刷”をタッチするだけ。なお、Photosmart Expressは同社の複合機でも画像印刷用モードでは同一の名称で、タッチ操作以外のメニュー構成は共通となっている。“保存”ではパソコンへの転送、“共有”は同社オンライン画像共有サービスへのアクセスが開始される。それぞれの処理でサブメニューや各種設定に移行するためのアイコン類も大きく、タッチ操作での操作は非常に分かりやすい。

インクシステム
同社で主流になりつつある“スケーラブル・プリンティング・テクノロジー”インクシステム。クリーニングのための泡だったインクを無駄にしない“アクティブ・エアー・マネジメント・システム”など、システムとしての完成度はかなり高い。

 やや気になったのはサブメニューの一部でホームメニューに戻るときはいちいち“戻る”アイコンを使わなくてはならないシーンがある点だ。それほど階層メニューが深いわけではないが、できればいつでも1タッチでホームメニューに戻れる機能(いわゆる“ホームボタン”)が欲しかった。また、液晶パネル手前にある物理スイッチの“キャンセル”は印刷中断機能だが、タッチパネル操作時にはこれが“戻る”機能にアサインされていたほうが直感的で使いやすかっただろう。

印刷時のウィザード画面
メイン画面からメモリーカードリーダーの画像を印刷するウィザード(左上から右へ)。ウィザードを用いない場合は用紙サイズ指定、L判、画像指定、決定という4ステップで済む。


同社プリンターならではの快速印刷にさらなる磨き

 同社最高速クラスのプリントエンジンだけに、印刷速度は1枚あたり5秒足らず(はやい:標準)というのは、文書印刷において非常に快適だ。L判プリントを試してみたところ、パソコンからのデータ転送の時間(約15秒)を含めて最高画質で1分07秒、自動(同社プリンター独自の機能である用紙種別自動判断モード:アドバンスフォト用紙を使用)で約48秒というのもかなり高速だ。

印刷サンプル
印刷サンプル デジタルカメラ画像(600万画素)をパソコンから印刷したものをスキャンした。上は写真の自動補正をOFF、下はONにしたもので、若干明るく修正されている。いずれもパソコンからの印刷で、最高画質で印刷。時間は約1分07秒。
インク交換
パソコンから印刷を行なうと、印刷ごとにこのようなウィンドウがポップアップする(表示させないことも可能)。インク切れが分かってオンライン購入を考慮するタイミングをつかみやすいのも面白い。

 メモリーカードのデータを直接印刷した場合はさらに高速で、1枚あたり約28秒となった。パソコンからの印刷時やダイレクトプリント時(用紙自動選択でのアドバンスフォト用紙向けの設定)では最高よりも若干落ちる画質となるが、肉眼で見る程度ではほとんど意識できないほどの差異しかない。



印刷サンプル2
印刷サンプル2 印刷サンプル1の補正OFFを拡大(600dpiでスキャンしたものの等倍)。ぼけ部分などの平板な部位ではやや粒状感が残る。
印刷サンプル3
印刷サンプル3 左はパソコンからの最高画質での印刷(サンプル1と同じ)、右は同じデータをメモリーカードからダイレクトプリントしたもの。アドバンスフォト用紙への自動用紙設定では28秒という高速で印刷が行われるが、画質は若干低くなるようだ。

 印刷結果を拡大してみると、昨今の他社製品に比べればやや粒状感が残る。本機は5plインク滴を採用するが、さすがに粒状感に関しては最新の1〜2plモデルには及ばないようだ。もちろん“きれいさ”というのは相対評価にしかすぎないわけで、写真品質に特にこだわる人にとっては物足りない部分もあるだろうが、肉眼で見る限りはほとんど気にならず、室内などに飾ったりポストカードとして配る用途には充分すぎるレベルと言える。

印刷元のデジタルカメラ画像
印刷元のデジタルカメラ画像のアップ
印刷元となったデジタルカメラ画像。掲載用に640×480ドットにリサイズおよびトリミングしているが、印刷に使用したのは3264×2448ドットの元画像。

 家庭用プリンターはスキャナーやコピー機能を装備する複合機のほうに主力が移りつつあり、複合機よりも単機能機寄りに位置するダイレクトプリンター機は今年の各社ラインナップでも少なくなりつつある。しかし、印刷物や紙焼き写真のコピー/焼き増しの必要性はほとんどない、という人も多いだろう。もちろんパソコンからの印刷が中心であれば単機能プリンターという選択肢もあるが、凝ったレタッチを必要とする画像でなければ、メモリーカードからダイレクトに印刷できるのはかなり手軽であり、パソコンに接続してあれば普段はUSBメモリーカードリーダとしても使うことができる。価格の点でも2万円台前半と、6色インクの高速機としてはかなり手頃であるのも大きな魅力の1台と言えるだろう。

HP Photosmart D7360 Printerの主なスペック
製品名 HP Photosmart D7360 Printer
印刷解像度 最高4800×1200dpi
印刷速度 32枚/分(モノクロ)、31枚/分(カラー)
使用インク C/M/Y/K/フォトシアン/フォトマゼンタ(染料):各650ノズル
用紙サイズ A4〜B5、はがき/往復はがき、封筒、L判/2L判、カスタム用紙設定、自動両面印刷対応(オプション)
給紙容量 メイン給紙トレイ:最大100枚、フォト給紙トレイ:最大20枚
液晶ディスプレー 3.6インチタッチスクリーン付きTFT液晶パネル
インターフェース USB 2.0、Bluetooth対応(オプション)
本体サイズ 463(W)×387(D)×173(H)mm
重さ 8.0kg

(行正 和義)




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