月刊アスキー 2002年10月号 2002年10月23日
DTMの敷居を高くしている理由のひとつに、「継続して曲作りを勉強する環境を整えにくい」という点が挙げられる。エディロールの入門者向けDTMキット「ミュージ郎ネットスタジオ」は、同社の新型エントリクラス音源「Sound Canvas SD-20」にシーケンスソフト「Cakewalk Music Creator」をバンドルしたオールインワンパッケージだ。ケーブル、チュートリアルなど、さしあたって必要なものはすべて揃う。
専用Webサイトから
レッスンキットをダウンロード
このキットがこれまでの“ミュージ郎シリーズ”と決定的に異なるのは、「ネットスタジオ」と呼ばれる専用Webサイトと連携することで、曲データ素材と制作手順を示したレッスンキットをダウンロードできたり、メールフォームを使ったメンバー専用の問い合わせ窓口が利用できたりと、継続して曲作りを学ぶ場が提供されているということだ。
SD-20は「SC-8820」の後継機で、内蔵音色/ドラムセット数は少なくなっているものの、新たにヤマハ「XGlite」フォーマットをサポートし、他のSDモデルの例に漏れずデジタル出力(光角型)を装備している。USBバス電源でも動作するのは従来どおりだ。
 |

写真2 PCとの接続はUSBとシリアルを選択できる。あくまでMIDI音源なので、USBオーディオデバイスとしては機能しない。 |
一方Music Creatorは、Cakewalkシリーズ中では初心者向けに位置づけられているが、MIDI/オーディオともにトラック数制限はなく、分解能は48〜960クロック/4分音符、16bit/48kHzまでのオーディオに対応するなど、基本性能は十分。また、Sonic Foundry「ACID」に代表されるループシーケンサのように、オーディオクリップを作曲中のプロジェクトのテンポ/キーに合わせ込んで読み込む機能も用意されている。
ネットスタジオのサイトコンテンツの一部はメンバー登録さえ行えば無料で利用できるが、本格的に学ぶ気があるなら、月額500円を払って「ネットスタジオ基本セット」を購入するべきだろう。このセットには、楽曲データが毎月3曲ずつ公開される「今月の曲」、月替わりで3セットずつ用意されるレッスンキットを使って、メロディの入力と伴奏の組み立てだけで簡単に楽曲ができあがる「キットでらくらく曲作り」などのコンテンツをダウンロードする権利が含まれている。
レッスンキットには、その曲向けに最適化されたCakewalk用テンプレートファイルに加えて、ギター/ドラム/ベース/ピアノなど各パートごとに、「Aメロ」「Bメロ」「サビ」「エンディング」という具合に分割したMIDIデータのパーツが収録されている。それぞれのデータパーツは、PDF形式で添付する譜面とトラック割表(どのパーツが何小節目から始まるかを記したもの)を参照しながら模型のように組み立てていく。ユーザー自身が入力する必要があるのはボーカルトラックだけで、以上の作業はすべてPDFの図解入り手順書に詳しく解説されている。手順書ではMusic Creatorの使い方にも触れているので、曲作りと同時にシーケンサの操作にも習熟できるというわけだ。
根気よくDTMに取り組みたいというユーザーには、願ってもない好教材の登場と言えるだろう。
| ミュージ郎ネットスタジオ(SD-20)の主なスペック |
| 製品名 |
ミュージ郎ネットスタジオ(SD-20) |
| 対応フォーマット |
GM2/GS/XGlite |
| パート数 |
32 |
| 最大同時発音数 |
64 |
| 音色数 |
660 |
| ドラムセット |
23 |
| 重量 |
約300g |
| システムエフェクト |
リバーブ 6/コーラス 6 |
| I/O |
USB、シリアル、MIDI入力、ステレオ入力(ミニジャック)、ステレオ出力(RCA)、デジタル出力(光角型)、ヘッドフォン |
| 対応OS |
Windows XP/Me/2000/98 |
|
(松本 俊哉)
|