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無線LANで極楽PC環境を手に入れよう 【特別企画】すでにADSLにしちゃった人も必見!
無線LANで極楽PC環境を手に入れよう

アスキー PC Explorerアスキー PC Explorer 2002年3月号
2002年2月18日


昨年あたりから注目が集まり出した無線LANは、2002年になっても勢いは衰えず、標準的なネットワーク環境のひとつとして認知され始めている。今や、オフィスはもちろん、家庭内でもネットワークインフラとして利用しているユーザーは多い。なぜ無線LANがこれほど人気を集めているのか? 本稿ではその基本的な知識と実践導入術を紹介しながら、無線LANの魅力に迫る。

家庭内LANにベストマッチの無線LAN

 これまでネットワークというとケーブルを使ってマシン同士を接続していたが、無線LANではケーブルの代わりに電波を使ってマシン間の通信を行う。
 無線LANを利用すると、特にノートPCの使い方がガラっと変わる。有線LANでは、メールを読む/送る、あるいはWebサイトを見ようとすると、いちいちネットワークケーブルを引っ張り出して繋がなくてはならなかった。長いネットワークケーブルを用意しても、動き回れるのはせいぜい同じ部屋の中が精いっぱい。これではノートPCならではの携帯性も宝の持ち腐れである。

 無線LANなら、このケーブルの呪縛から解放される。例えばADSL/CATVなどのブロードバンド接続環境に無線LAN対応ブロードバンドルータを接続していれば、リビングルームでくつろぎながらテレビを見つつWebサイトをチェック、そのまま書斎に移動して仕事の続き、さらに寝室で寝る前にメールをチェック、などなど場面に応じて好きな部屋でインターネットに接続できる。これこそ無線LANの最大のメリットである。

 ノートPCだけでなく、デスクトップPCでも無線LANにするメリットはある。例えば書斎のお父さん用のPCのほかに、子供部屋にもPCとLANを導入する場合、美観を損なわずに部屋をまたいでケーブルを引き回すのは素人ではなかなか難しい。しかし無線LANならこんな悩みはまったくない。

 ただし、無線LANはいい点ばかりとも言えない。その一例として最大転送速度が有線LANほど速くはないことが挙げられる。現在広く使われている無線LAN規格「IEEE802.11b」では、通信速度は最大11Mbps。対して有線LANでは最大100Mbpsの「100BASE-TX」が一般的だ。
 また、ケーブルさえ正しく敷設されていれば一定の速度で通信できる有線に対し、無線LANは電波の強さ(電波の干渉や遮蔽物の有無)で通信速度が変わり、距離によっては通信できなくなる場合もある。さらに、石やセメント/コンクリート、鉄などを含む仕切りが間にあると電波が届かない(届きにくい)とも言われている。

 とはいえ、転送速度に関しては最大8MbpsのADSLやCATVといった一般的な常時接続環境ではボトルネックにはならないし、通信できる範囲もマンションや木造家屋の室内(木製のドア越しなど)であれば、さほど大きな障害はない。それよりノートPCを家中の好きな場所で使えるメリットのほうがはるかに大きい。

IEEE802.11b以外の無線LAN

 無線LANはIEEE802.11b以外にも、すでにいくつかの規格が登場している。製品の種類が多く、値段も手ごろなのはIEEE802.11bだが、最近製品が登場してきた「IEEE802.11a」は、最大54Mbpsの通信速度を実現する。ただし、利用する無線帯域が異なり両者に互換性はない(802.11bは2.4GHz帯、802.11aは5GHz帯)。  さらに「IEEE802.11g」という規格もあり、こちらも最大54Mbpsでの通信が可能だ。802.11gは802.11bと同じ2.4GHz帯の無線が使われており、下位互換性が取れるが、製品はまだ登場していない。

家の外でも無線LAN!

 無線LANが活躍するのは家庭やオフィスの中だけではない。ワイヤレスインターネット接続のインフラとしても使われ始めている。そのひとつが、最近話題の「ホットスポット」だ。コーヒーショップやファーストフード店、ホテルのロビーなどで無線LAN環境を開放してインターネット接続を提供するというもので、コーヒーを飲んだりハンバーガーを食べながらノートPCなどでメールチェックができる。サービス提供会社によって、事前に登録を要するものやまったく事務手続きなしでも使えるものまでいろいろだが、ユーザーが用意するのは基本的にIEEE802.11bに対応した無線LAN機能を搭載したPCやPDAだけだ。今後、要注目のサービスである。

何を買えば無線LANが使えるの?

図1 無線LANの2つの方式
 では、何を揃えれば無線LAN環境を実現できるのだろうか。その前に無線LANの基本的な知識を知っておく必要がある。無線LANには大きく2つの接続形態がある(図1)。1つは「アドホックモード」と呼ばれているもので、PCカードやUSBタイプの無線LANアダプタ同士で通信を行うもの。もう1つは「インフラストラクチャモード」で、アクセスポイントと呼ばれるネットワーク機器を介して通信を行う。どこでもインターネットに接続できる環境を手に入れるには、後者のインフラストラクチャモードがよいだろう。本稿でもこちらをベースに話を進めていく。



写真1 東芝の2002年春モデルとして登場した、無線LAN内蔵ノート「DynaBookSS S4/275PNHW」。IEEE802.11bに対応し、本体だけで無線LANの快適さを味わえる。最薄部約14.9mm/約1.19kgという薄型軽量化を実現したB5サブノート。
 インフラストラクチャモードで必要になるのは、接続したい台数分の『無線LANアダプタ』と、それぞれの機器間での通信を可能にする『無線LANアクセスポイント』だ。ちなみに最近は無線LANアダプタを最初から内蔵するノートPCも増えてきている(写真1)。

 一方、悩ましいのがアクセスポイントである。無線LAN機能単体のアクセスポイントのほかに、ADSL/CATV回線を複数のマシンで共有可能にするブロードバンドルータに無線LANアクセスポイント機能を内包した製品もある。
 単体の無線LANアクセスポイントを購入するメリットは、将来ブロードバンドルータを買い換えてもアクセスポイントは使い続けられること。特に最近は高スループットをうたう製品が次々に出ているので、すでにブロードバンドルータを導入しているなら、こちらがオススメだ。デメリットはネットワーク機器の数が増えること。

 無線LANアクセスポイント内蔵のブロードバンドルータなら、設置場所も小さく済み、1つで両方の設定をまとめて行える。2台を別々に揃えるより、コストが安く済む場合も多い。
 まだブロードバンドルータを導入していないならアクセスポイント内蔵ルータ、すでに導入済みだが将来より高速にアップグレードにしたい、あるいは初期投資を無駄にしたくないなら単体のアクセスポイント、ということになるだろう。なお、ADSL/CATV回線を1台のPCで使う場合にはルータ機能が必要ないので、単体のアクセスポイントと無線LANアダプタだけで利用できる。本稿2〜4ページからは単体の無線LANアクセスポイント7製品の詳細スペックを紹介している。導入時の参考にしてほしい。





IPC5037A/IPC5038A
東芝

Ethernetポートのほかにシリアルポートも持ち、TAやモデムをつないでダイヤルアップ接続環境でも利用できるのが特徴。また、グローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換して複数のPCで共有する「IPマスカレード」や、プライベートIPアドレスを自動的に割り当てる「DHCPサーバ」などの機能も持ち、ブロードバンドルータとしても利用できる。



本体背面
電源コネクタ部
製品名 IPC5037A/IPC5038A(PCカード)
発売元 東芝
URL http://www.toshiba.co.jp/product/ppi_j.htm
問い合わせ先 03-3252-3063(東芝IOSセンター)
価格 オープンプライス(東芝ダイレクトPC価格:アクセスポイント 3万3000円/PCカード 1万3800円/セット 4万5800円)
有線側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×1、シリアル(ダイアルアップ接続用)
チャンネル 14ch(10台程度の接続を推奨)
セキュリティ SSID、WEP(128bit/64bit)、MACアドレスフィルタリング
伝送距離(11Mbps接続) 屋外50m/室内30m
編集部FTP転送テスト結果 4.41Mbps
設定方法 Webブラウザ
本体サイズ/重量 135(W)×179(D)×34.3(H)mm/約300g

 

WN-B11/AXP/WN-B11/PCM
アイ・オー・データ機器

アクセスポイント、アダプタともに低価格で、導入コストが抑えられる。デスクトップPCやPCカードをすでに使い切っているユーザー向けのアダプタとして、USB接続の「WN-B11/USB」(1万2000円)もある。同社のWebサイトでは、接続確認済みの製品一覧を公開中。すでに導入済みの無線LANに追加するユーザーにはうれしい情報だ。



本体背面
電源コネクタ部
製品名 WN-B11/AXP/WN-B11/PCM(PCカード)
発売元 アイ・オー・データ機器
URL http://www.iodata.co.jp/products/plant/index.htm
問い合わせ先 076-260-1024/03-4288-1039/06-4705-5544(ご購入案内窓口)http://www.iodata.jp/support/after/tsupp.htm
価格 アクセスポイント 1万9800円/PCカード 8500円
有線側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×1
チャンネル 14ch
セキュリティ SSID、WEP(64bit)、MACアドレスフィルタリング
伝送距離(11Mbps接続) 屋外150m/室内70m
編集部FTP転送テスト結果 4.07Mbps
設定方法 Webブラウザ、専用ユーティリティ
本体サイズ/重量 102(W)×120(D)×27(H)mm/約138g


LD-WL11/AP/LD-WL11/PCC2
エレコム

ストレートとクロスのEthernetポートを1つずつ持ち、アクセスポイント自身を無線LANアダプタとして利用することも可能。本体背面には壁掛け用の穴(ネジ受け)がある。デスクトップPC向け無線LANアダプタとして、PCIカードタイプの「LD-WL11/PCI」(2万2800円)や、USB接続のLD-WL11/USB(1万7800円)も用意されている。



本体背面
電源コネクタ部
製品名 LD-WL11/AP/LD-WL11/PCC2(PCカード)
発売元 エレコム
URL http://www.elecom-laneed.com/
問い合わせ先 03-5337-3024(エレコム総合インフォメーションセンター)
価格 アクセスポイント 3万2800円/PCカード 9800円
有線側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×1
チャンネル 14ch
セキュリティ SSID、WEP(64bit)、MACアドレスフィルタリング
伝送距離(11Mbps接続) 屋外130m/室内60m
編集部FTP転送テスト結果 4.45Mbps
設定方法 Webブラウザ、専用ユーティリティ、telnet
本体サイズ/重量 141.4(W)×183.5(D)×47(H)mm/350g

 

corega Wireless LAN AP-11mini/
corega Wireless LAN PCCB-11
コレガ

手のひらサイズのコンパクトさが特徴で、アクセスポイント自体を無線LANアダプタとして利用するモードも装備。データの暗号化(WEP)には非対応。PCカードタイプのほかに、CFカードタイプ「corega Ether CF-TD」(4850円)やPCIカードタイプ(1万9800円)、USBアダプタタイプ(1万5800円)の無線LANアダプタも発売中。



本体背面
電源コネクタ部
製品名 corega Wireless LAN AP-11mini/corega Wireless LAN PCCB-11(PCカード)
発売元 コレガ
URL http://www.corega.co.jp/
問い合わせ先 045-476-4039(コレガホットライン)
価格 アクセスポイント 1万9800円/PCカード 9700円
有線側インターフェイス 10BASE-T
チャンネル 13ch
セキュリティ SSID
伝送距離(11Mbps接続) 屋外60m/室内30m
編集部FTP転送テスト結果 3.41Mbps
設定方法 専用ユーティリティ
本体サイズ/重量 65(W)×88(D)×29.9(H)mm/110g


GW-AP11S/GW-NS11S
プラネックスコミュニケーションズ

丸みのあるユニークな本体が特徴。アクセスポイント本体を無線LANアダプタとして使用することも可能(PCとEthernetケーブルで接続)。本体背面のUSBポートは、PCと接続して設定を変更するためのもの。PCカード1枚と本体のセットモデルが用意されているほか、CFカードタイプのアダプタ「GW-CF110」(1万7800円)も発売中。



本体背面
電源コネクタ部
製品名 GW-AP11S/GW-NS11S(PCカード)
発売元 プラネックスコミュニケーションズ
URL http://www.planex.co.jp/
問い合わせ先 info-planex@planex.co.jp
価格 オープンプライス(PCIダイレクト価格:アクセスポイント 2万3800円/PCカード 9700円/セット 3万2800円)
有線側インターフェイス 10BASE-T×1
チャンネル 14ch
セキュリティ SSID、WEP(128bit/64bit)、MACアドレスフィルタリング
伝送距離(11Mbps接続) 室内30m
編集部FTP転送テスト結果 3.26Mbps
設定方法 専用ユーティリティ
本体サイズ/重量 133.3(W)×90.6(D)×36.9(H)mm/160g

 

WLA-S11G/WLI-PCM-L11G
メルコ

珍しい縦置きタイプで、アンテナは前面に内蔵している。同社Webサイトでは動作確認済みの製品を公開している。PCカード2枚とアクセスポイントのセット「WLS-L11GW」(6万2000円)、USBアダプタ「WLI-USBL11G」(1万7800円)、CFカードアダプタ「WLI-CF-S11G」(1万4800円)と製品バリエーションが豊富。



本体背面
電源コネクタ部
製品名 WLA-S11G/WLI-PCM-L11G(PCカード)
発売元 メルコ
URL http://www.melcoinc.co.jp/
問い合わせ先 03-5326-3751(インフォメーションセンター)http://www.airstation.com/
価格 アクセスポイント 1万9800円/PCカード 8500円
有線側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×1
チャンネル 14ch
セキュリティ SSID、WEP(128bit/64bit)、MACアドレスフィルタリング
伝送距離(11Mbps接続) 屋外160m/室内50m
編集部FTP転送テスト結果 4.55Mbps
設定方法 Webブラウザ、専用ユーティリティ
本体サイズ/重量 58(W)×120(D)×89(H)mm/約110g

 

PC-CN3300/PC-CN3400
日立製作所

本来は法人向けのオプションだが、個人でも「日立InternetShop」で購入可能。NAT&IPマスカレード、PPPoEクライアント機能を内蔵し、単体でブロードバンドルータとしても機能する。同社のWebサイトでは5つのADSLサービスへの接続手順を掲載。デスクトップPC向けにPCIカードのアダプタ「PC-ES410」も発売している。



製品名 PC-CN3300/PC-CN3400(PCカード)
発売元 日立製作所
URL http://www.hitachi.co.jp/pc/
問い合わせ先 0120-2580-12(HITACカスタマ・アンサ・センター)
価格 アクセスポイント 3万3000円/PCカード 1万4800円
有線側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×1
チャンネル 14ch
セキュリティ SSID、WEP(128bit/64bit)、MACアドレスフィルタリング
伝送距離(11Mbps接続) 室内100〜140m
編集部FTP転送テスト結果 ――
設定方法 専用ユーティリティ
本体サイズ/重量 34(W)×124(D)×172(H)mm/320g


無線LANの設定はムズかしい?
いいえ、簡単です!

 ここからは実際に無線LANをセットアップして使い始めるまでの手順を紹介したい。無線LANの設定は難しいという声をよく聞くが、順を追って設定していけば案外すんなり使い始められる。なお、下の設定の流れの具体例(設定画面)には、メルコの「WLI-PCM-L11GP」と「WLA-S11G」を利用している。一般的な無線LANアダプタ&アクセスポイントでも、手順は同様なので、コレを読みつつ実践すればすんなり無線LAN環境を手に入れられるはずだ。

無線LANアダプタ
設定の勘所

 最初にも書いたように、無線LANの設定は決して難しいモノではないが、有線LANにはない特有の設定項目がいくつかある。これらは複雑なものではないので、無線LANのセットアップを始める前にざっと覚えてしまおう。

 ケーブルという媒体によって通信先が特定できる有線LANとは異なり、電波を利用する無線LANは今どの相手と通信するべきかを特定するための何か(識別子)が必要になる。そこで利用されるのが「SSID」というものだ。アクセスポイントと無線LANアダプタで同じSSIDを指定して、初めて通信可能な状態となる。なおSSIDは大文字と小文字を区別するため、「Ascii」と「ASCII」と「ascii」ではそれぞれ異なるSSIDと解釈されてしまうので注意しよう。

 続いて重要なのが、チャンネルの設定である。IEEE802.11bでは周波数2.4GHz帯の無線を利用して通信を行うのだが、実際にはその周波数帯をいくつかのチャンネルに分割している。国内で販売されている機器の多くは14のチャンネルに分けており、ユーザーは1から14のいずれかのチャンネルを選択し、その番号を無線LANアダプタとアクセスポイントの双方に設定する。ただし、近接するチャンネル同士は信号の干渉が起こるので注意したい。例えば2つのアクセスポイントを同時に利用している環境で、一方は1チャンネル、もう一方は2チャンネルというように設定すると、利用する周波数があまりに近いために電波の干渉が起こり、通信速度が低く抑えられる場合がある。1/6/11/14など5チャンネル程度の間隔を置いて設定することで、干渉による速度低下は防げる。

 セキュリティ面で重要なのが「WEP」と呼ばれる暗号化設定である。無線によるデータ通信では、途中で傍受されると通信内容が漏洩してしまう可能性がある。WEPは無線で流すデータを暗号化しておくことで、通信の秘匿性を高めるテクノロジーだ。WEPによる暗号化は、64bitと128bitの2種類の鍵の長さが用意されており、数字が大きいほど解読される可能性は低くなる。暗号化はユーザーが指定したパスフレーズを基に行われ、64bitなら5文字以内、128bitでは13文字以内の半角英数字を指定する。

 SSIDとチャンネル番号、WEPの各設定をアクセスポイントとすべての無線LANアダプタで同一になるように設定して初めて、無線による通信が可能になる。これらは有線LANにはまったく登場しない用語なので最初は戸惑うかもしれないが、無線LANの設定では必須事項だ。必ず覚えておこう。

無線LANカードと
アクセスポイントのセットアップ

 PCカードタイプの無線LANアダプタのセットアップはごく簡単で、PCの電源を入れた状態で無線LANカードをPCカードスロットに挿入すると、「新しいハードウェアが見つかりました」と出て、デバイスドライバウィザードが表示される。あとはウィザードの表示に従い、製品に添付されているCD-ROM内のドライバを指定、セットアップすればいい。モノによっては、その後で専用ユーティリティをインストールする場合もある(図1)。ユーティリティソフトで設定するのは、チャンネル番号やSSID、WEPのパスフレーズなどだ。

図1 メルコのPCカードタイプ無線LANアダプタ「WLI-PCM-L11GP」の場合、Windows XPの「ワイヤレスネットワーク管理機能」は使用できないため、付属のユーティリティソフト「クライアントマネージャ」から手動設定でカードを設定(SSID)する必要がある。なお、クライアントマネージャを起動する前に、XPのワイヤレスネットワーク管理を使用しない設定に変更しておくこと。

図2 無線LANを内蔵する東芝のノートPC「DynaBook SSS4/275PNHW」などでは、SSIDやチャンネル番号、WEPのパスフレーズ(合言葉)などの設定を、Windows XP上で行う。自動的に利用できるアクセスポイントを探して接続するなど、便利な機能を豊富に揃えている。
 ちなみに、無線LANアダプタを内蔵し、無線LANを標準サポートするWindows XPプリインストールの「DynaBook SSS4/275PNHW」や「DynaBook V4 493PMHW」では、最初からタスクトレイに無線LANアイコンが表示されており、クリックすると設定ダイアログが表示される(図2)。

 無線LANアダプタがセットアップできたら、続けてアクセスポイントの設定に進む。まず必要になるのは、ネットワークにアクセスポイントを組み込むこと。アクセスポイントの中には、IPC5037Aのように単体のアクセスポイントとして動作する「ブリッジモード」のほか、ブロードバンドルータとして利用できる「ルーターモード」を持つものがあり、こうした製品はすでにあるブロードバンドルータにつなぐほか、自身をブロードバンドルータとして使うこともできる。ルータとして利用するには、ネットワークケーブルでモデムとアクセスポイント本体のネットワークコネクタを接続。単体のアクセスポイントとして利用する場合は、アクセスポイント本体のEthernetポートとブロードバンドルータのLAN側のポートを接続すればいい。

 アクセスポイントを設置し終わったら、次は細かな設定を行っていく。設定方法は製品によってさまざまだが、アクセスポイント設定用の専用ユーティリティを使うものと、Webブラウザ経由でアクセスするものに大別できるが、設定内容はさほど変わらない(図3、4)。Webブラウザからアクセスポイント本体のIPアドレスにアクセスすると設定画面が表示される。



図3 メルコのアクセスポイント「WLA-S11G」の設定ユーティリティ「クライアントマネージャ」。最初は何も表示されないので、虫眼鏡アイコンで接続しているアクセスポイントを探す。
図4 アクセスポイントを選択して、エアステーション設定を選択すると、自動的にWebブラウザが起動してアクセスポイントの設定画面が表示される。WLA-S11Gでは、「簡単設定」、「詳細設定」、そしてアクセスポイントの設定内容を確認する「機器診断」の3つのメニューが用意されている。

 ただ、その前にひとつ注意点がある。無線LANアダプタをインストールしたPC上でIPアドレスとサブネットマスクを変更しなければならないのだ。ここでは詳しい説明を避けるが、IPアドレスはネットワーク部とホスト部に分けられ、ネットワーク部が異なるPCとは直接通信することはできない。

 例えば、無線LANアダプタをインストールしたマシンのIPアドレスが「192.168.1.2」で、サブネットマスクが「255.255.255.0」となっている場合、工場出荷時のWLA-S11GのIPアドレスである「192.168.100.200」(サブネットマスクは255.255.255.0)をWebブラウザに入力しても設定画面は現れないのだ。そこで設定を行うマシンのIPアドレスを手動設定にして、IPアドレスを「192.168.100.201」に一時的に変更する。これでアクセスポイントとPCのIPアドレス内のネットワーク部が同一になり、直接通信することが可能になる。



SSIDやチャンネル番号など
無線LANの基本を設定

 無線LANアダプタをインストールしたマシンのIPアドレスを変更したら、さっそくWebブラウザのアドレス欄にアクセスポイントのIPアドレスを打ち込んで設定画面を表示させよう。最近のネットワーク製品は初心者にも使いやすいように、とりあえず手早く使い始めるために一部の設定のみ行う「簡単設定」、すべての項目がカスタマイズできる「詳細設定」、というように複数のモードが用意されているものもある。

図5 「簡単設定」を選んだ場合には、エアステーションの名前とSSID(画面では「ESS-ID」)の設定のみが行える。エアステーション名は複数台のアクセスポイントを管理しやすくするもので、ネットワークの接続には関係ない。変更しなくても問題はない。
 製品によって細かい部分は異なるが、例えば「WLA-S11G」では簡単設定で変更できるのはアクセスポイントの基本的な設定である「SSID」と、複数のアクセスポイントを管理する際に目安になる「エアステーション名」のみだ。SSIDは大文字と小文字の間違いに注意し、よその無線LAN環境が近くにある場合には詳細モードに移ってチャンネル番号の設定も忘れずに確認しておこう。



図6 「詳細設定」を選ぶと無線チャンネルやWEPの使用/未使用、アクセスポイントのIPアドレスの変更など、基本的な設定メニューが表示される。近くに無線LANのアクセスポイントがあったり、無線に影響のある機器がありそうな場合には無線チャンネルを変更して、接続性のいいチャンネルを探してみよう。
 ブリッジモードでは、その後でアクセスポイントのIPアドレスとサブネットマスクを指定する。これらの値はすでに敷設しているネットワーク環境に合わせる。ブリッジモードで動作させる場合はこれで設定完了だ。最後は、設定したSSIDとチャンネル番号の値を無線LANアダプタ側にも設定し、さらにアクセスポイントの設定のために変更していたIPアドレスを元に戻せば完了だ。

 ルーターモードの場合は、有線LAN(インターネット側)と無線LANのそれぞれのIPアドレスとサブネットマスク、そしてゲートウェイの設定を行う必要がある。なおプロバイダからのIPアドレスの割り当てがDHCPを利用して行われる場合は、無線LAN側のIPアドレスとサブネットマスクだけを設定して、DHCPクライアント機能を使用するように設定すれば、インターネット側のIPアドレスは自動的に取得される。また、DHCPサーバ機能を利用できるアクセスポイントであれば、LAN側のPCに自動的にIPアドレスを配布することも可能だ。その場合には、同時に配布するIPアドレスの開始アドレスと、PCの台数の上限を指定しておく。最後にプロバイダから指定された、DNSサーバ(プライマリとセカンダリ)のIPアドレスを入力し、「設定」をクリックする。後はブリッジモードと同じくクライアントとなるマシンのSSIDやチャンネル番号、IPアドレスの設定などを変更する。



図7 「詳細設定」の中にある拡張設定では、MACアドレスを見て接続できる機器を制限できる。よりセキュリティを高めるための機能だが、初心者が家庭内で使う場合には特に利用しなくてもいいだろう。ある程度無線LANやネットワークの知識を集めたら、挑戦してみよう。
 多くの場合、簡単設定だけでも基本は押さえられているので、順に設定していけばそれほど悩まずに使い始められるだろう。慣れたら「詳細設定」画面とマニュアルをよく読んで、WEP機能を利用した暗号化やMACアドレスによるアクセス制御などの設定にもチャレンジしてほしい。




図8 「機器診断」の画面では、製品のファームウェアのバジョンや設定している内容(無線チャンネル、IPアドレスなど)を確認できる。変更する場合には、メニューを戻って、詳細設定で行う。初期出荷状態に戻すこともできる。


アクセスポイントとアダプタの相性は?
最新無線LAN製品 相互接続徹底テスト

 ここまでのページで、無線LANの便利さや使うための知識、手順などはマスターできたと思う。しかし、実際に購入するとなるとメーカー間の互換性が気になるところだ。アクセスポイントと無線LANアダプタは、違うメーカーのものでもいいのか? 速度や接続性に差はないのか? そういった疑問を解明すべく、編集部では現在販売されている主要各社の無線LAN製品(アクセスポイントとPCカードタイプの無線LANアダプタ)を集めて、相互接続テストを行った。もちろん、タダの接続テストでは面白くないので、ftpによる転送速度の比較も同時に行っている。

 テスト環境は以下のとおり。

  • 【サーバ側】自作PC/CPU:PentiumIII-800EBMHz/メモリ:256MB/ネットワークカード:コレガ「FEther PCI-BLK」(10BASE-T/100BASE-TX対応)/OS:Windows XP Professional/ftpサーバ:OS付属のIIS
  • 【クライアント側】DynaBook V4/493PMHW/CPU:Mobile PentiumIII-M-933MHz/メモリ:256MB/内蔵ネットワーク:有線LAN、無線LANともにOS上で無効化/OS:Windows XP Home Edition/ftpクライアント:OS付属のftp.exe(コマンドプロンプトで実行)
  • 【テスト内容】LHA.EXEで圧縮した5MB、10MB、30MBのファイルをサーバ側に用意し、クライアントマシンからftpでファイル転送を行い、その結果表示される各種数値を記録した。テストは繰り返し3回以上行い、極端な数値を除いた5MB、10MB、30MBでの結果を平均化して実効速度を計算した。

 なお、これらはあくまでも編集部でのテスト結果をまとめたものであり、編集部も各無線LAN機器メーカーも相互接続性を保証するわけではないので、あらかじめご了承いただきたい。

どのメーカー同士でも接続は可能
ただし実効速度や安定性に違いあり

 結果はグラフ1にまとめているが、まったく接続できないという組み合わせはなかった。ただし、PCが大量に稼働する編集部のような環境のためか、接続後に何らかの理由で切断され再接続までに時間がかかる(ローミング設定はOFF)場合もあった。
 平均的な実効転送速度は、理論値の11Mbpsに対して約1/3強の3〜4Mbps前後となっている。これはサーバ側のPCをより高速なもの(Pentium 4-2.0AGHz)に変更しても同様だった。

グラフ1 各社のアクセスポイントと無線LANアダプタの相互接続&ftpによるファイル転送テストの結果(単位:Mbps)。グラフの背景がピンクになっている組み合わせはテスト中に切断があったケース、グラフ背景がブルーのものは切断されたが再接続したケースをそれぞれ示す。

 現在主流のADSL/CATVでも最大8Mbpsで実効速度は半分以下と言われているので、無線LANがボトルネックになることはなさそうだ。ADSL/CATVでブロードバンドインターネット接続環境を手に入れた方も、安心して無線LANの世界に足を踏み入れてほしい。

ノートPC内蔵の無線LAN機能でも安心接続! DynaBook V4実地テスト

 上のテストでは、PCカードタイプの無線LANアダプタとアクセスポイントで接続テストを行ったが、東芝「DynaBook V4/493PMHW」(写真1)「DynaBook SS S4/275PNHW」(写真2)のように、最近は無線LANアダプタを内蔵するノートPCも増えている。会社ですでに無線LANを導入していたり、近所にホットスポットがあるなどの理由から、無線LAN内蔵ノートから次期導入マシンを探している方もいるだろう。

写真1 無線LANを内蔵したハイスペックA4ノート「DynaBook V4/493PMHW」。
写真2 最薄部14.9mm、重さ1.19kg(バッテリ込み)で、さらに無線LAN内蔵のB5サブノート「DynaBookSSS4/475PNHW」。

 しかし、本体に内蔵された無線LANアダプタは、PCカードタイプと違っておいそれと交換するわけにはいかない。そこで、編集部で試用評価しているDynaBook V4/493PMHWで市販のアクセスポイントとの相互接続テストを行った。テスト環境や内容は上と同様だ。

 結果はグラフ2のとおり。どのアクセスポイントに対しても正常に接続可能だった。互換性に関してはさほど心配はなさそうだ(編集部やメーカーが動作保証するわけではないが)。アクセスポイントやノートPCのメーカーによっては、動作確認済みの製品リストをWebなどで公開している場合もあるので、購入前にこれらも参照してほしい。

グラフ2 各社のアクセスポイントとDynaBook V4/493PMHWの接続&ファイル転送テスト結果(単位:Mbps)



Column――
無線LAN 素朴な疑問



その1 Bluetoothとどう違うの?

IEEE802.11bと同じ2.4GHz帯の無線を利用した通信規格として「Bluetooth」がある。通信速度は最大1Mbpsで、ノートPCやPDAで特にメリットになる“消費電力が小さい”という特徴を持つ。IEEE802.11bや802.11gとの互換性はないが、2台のマシン間でファイル交換など簡易ネットワークとしても利用できる。とはいえ、本来は携帯電話やヘッドフォン、プリンタなど一時的に接続するデバイスとの間をケーブルレスにすることが主目的であり、ネットワーク構築のためのIEEE802.11bとは方向性が異なる。

その2 無線LANはPDAでも利用できる?

無線LANアダプタはTypeIIのPCカードやUSBアダプタタイプの製品が多いが、最近ではWindows CE(Pocket PC、H/PC2000)に対応したCFタイプのアダプタも登場している(ザウルスやPalm対応の製品はまだない)。消費電力の問題はあるものの、PDAと無線LANの相性の良さ、ホットスポットの普及などを考えると、今後はPDA対応無線LANアダプタも増えてくると思われる。

その3 無線LANアダプタとアクセスポイントは別の会社でも大丈夫?

IEEE802.11bに準拠したものであれば本来は相互接続可能だが、その互換性を確実なものにするためWECA(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)という団体が策定した互換性テストをパスした製品には「WiFi」(ワイファイ、wireless fidelityの略)の認定が与えられる。現在市販されている製品のほとんどはWiFi認定済みの製品で、接続互換性の問題はないはずだ。ただし、パフォーマンスがフルに発揮されるかどうかは利用環境など多くの要因が影響するため、一概には判断できない。本誌でも、編集部内の環境での相互接続テストを行っているので、参考にしてみてほしい。

その4 会社と自宅で無線LANを使い分けるのは面倒?

有線LANとは異なり、無線LANでは通信相手を特定するSSIDという識別子があり、これを正しく設定しないとネットワークに接続できない。同じノートPCを、会社と自宅の両方で無線LANに接続する場合は、ドライバに付属するユーティリティを使ってSSIDを切り替える必要がある。なお、無線LANに標準で対応したWindowsXPでは、接続できるアクセスポイントを自動的に探してSSIDを設定してくれる機能があり、いちいち設定する手間はない。

(及川 晴生)




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