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公衆無線LANサービス戦争開幕!? 【まとめてチェック!!】“どこでもインターネット”の時代を切り開くのはどこか?
公衆無線LANサービス戦争開幕!?

2005年8月25日

どこでもつながる携帯電話のように、パソコンやPDAの無線LAN機能を使い、どこでも手軽に高速なインターネット接続を利用したい……そんな願いを実現するのが、今大きな注目を集めている“公衆無線LANサービス”である。まだまだ知名度が高いとは言えない公衆無線LANサービスだが、既存のPHSや携帯電話経由でのインターネット接続をしのぐ広帯域の無線LANを使って、どこでも好きなときにブロードバンドインターネット接続を利用できるようになれば、ユーザーの利便性が高まるだけでなく、新たなビジネスチャンスやインターネットのあり方さえも変える可能性を秘めている。そこでここでは、そんな公衆無線LANサービスに関する特集をお届けしたい。



公衆無線LANサービスについてのアンケート結果

 それでは8月6〜12日に実施した、“第236回 公衆無線LANサービスについて”のアンケート結果から、読者が公衆無線LANサービスについてどのように感じているのかについて見てみよう。

 設問1ではまず、公衆無線LANサービスという言葉そのものの浸透具合についてたずねてみた。結果は以下のとおりで、さすがにASCII24読者の間には、言葉自体は十分浸透しているようだ。実際に利用した経験があるという回答者の割合も、20%弱と予想よりも多かった。

“公衆無線LANサービス”という言葉を知っていますか?
“公衆無線LANサービス”という言葉を知っていますか?

 続く“公衆無線LANサービスを使ってみたいと思いますか?”の設問では、90%弱の方が“使ってみたい”と考えているという結果となった。特に料金次第ではアクセスポイントが適当なところにあればという回答が、27.6%で最も多かった。逆に言えば、これらについて懸念を感じている方が多いとも言えようか。

 “公衆無線LANサービスを使ってみたい機器”の設問は、ノートパソコンというが80.1%と圧倒的に多いのは当然として、それ以外の機器ではPDAが31.1%の2位となった。一方で公衆無線LANサービスとIP電話機能と組み合わせての利用が欧米で期待されている携帯電話機や、昨年末に登場した『プレイステーションポータブル』(PSP)や『NINTENDO DS』などの無線LAN機能内蔵携帯ゲーム機は、登場間もない点や無線LANを使った場合の具体的な利便性がイメージできないのか、現時点では高い期待は受けていないようだ。PSPはシステムソフトウェアのアップデートにより、ウェブブラウザー機能を標準でサポートできるようになった。PSP自体の普及と公衆無線LANサービスの普及がうまく歩調を合わせられれば、近い将来は公衆無線LANサービス端末としても有望なものになるのではなかろうか。

Q2で“使いたいとは思わない”以外をお答えになった方におうかがいします。どのような機器で公衆無線LANサービスを利用してみたいと思いますか(2つまで回答可)
Q2で“使いたいとは思わない”以外をお答えになった方におうかがいします。どのような機器で公衆無線LANサービスを利用してみたいと思いますか(2つまで回答可)

 “使ってみたい公衆無線LANサービス”についてたずねた設問では、企業自体の高い知名度を生かしたか、ライブドアが予定している“livedoor wireless”が1位(27.6%)となった。東京の、しかも山手線の内側エリアでサービスという対象地域の狭さにも関わらずここまで期待が高いのは、Yahoo! BBが起こしたADSLの普及や低価格化にイメージを重ね合わせて、livedoor wirelessに期待するという人が多いのだろうか。しかし2位の“NTTコミュニケーションズ ホットスポット”(24.5%)や3位の“FREESPOT協議会 FREESPOT”(22.3%)に対する期待も高い。

Q2で“使いたいとは思わない”以外をお答えになった方におうかがいします。以下の中に、具体的に利用してみたい公衆無線LANサービスはありますか(複数回答可、50音順)
Q2で“使いたいとは思わない”以外をお答えになった方におうかがいします。以下の中に、具体的に利用してみたい公衆無線LANサービスはありますか(複数回答可、50音順)

 すでに“公衆無線LANサービスを利用したことがある”という回答者を対象に、その感想をたずねた記述式の設問では、利便性や通信速度の速さを好意的に評価する声が多い一方で、アクセスポイントの少なさに不満を感じる声や、セキュリティー面での懸念を訴える声も多かった。これは最後の記述型設問とも関連するので、仔細は後述する。公衆無線LANサービスで使ってみたいアプリケーション/サービスについては、圧倒的に“ウェブブラウジング”を挙げる方が多い(81.9%)のは当然だが、“IP電話”に期待する人も、31.7%と多い。やはり“無料で外出先から通話ができる”という点に魅力を感じる人は少なくないようだ。

 公衆無線LANサービスで期待する通信速度については、IEEE 802.11bの実効通信速度並みの“1Mbps以上6Mbps未満”を挙げる方が多い(45.8%)。ADSLの実効通信速度もこの程度で利用している方が多いと考えれば、家庭と同じくらいの速度が出れば同等のサービスも利用できるので文句はない、というところだろうか。逆に1Mbps未満という回答は、2項目合わせても9.5%程度と少ない。ウェブブラウジング程度ならこれでも十分とも思えるが、やはり公衆無線LANサービスと言うからには、PHSや携帯電話を上回る速度を期待する回答者が多いということだろう。

公衆無線LANサービスのアクセス速度(実効速度)は、どれくらいなら使ってみたいと思いますか
公衆無線LANサービスのアクセス速度(実効速度)は、どれくらいなら使ってみたいと思いますか

 公衆無線LANサービスに期待する料金設定の項目は、実は設問作成側としては少々悩んだ項目でもあった。というのも、読者がどのような利用形態を念頭に置いているかで、希望する料金体系も変わる可能性があるからだ。たとえば筆者の場合、長距離または長期出張時のホテルや空港、駅でのインターネット接続に公衆無線LANサービスを利用している。この場合は使用時間が短くサービス会社もまちまちになるので、固定回線で一般的な“月額定額制”よりも、数時間〜1日単位での“短期定額制”や、使用時間/データ量ごとの“従量制”が便利だ。しかし特定のサービス会社との携帯電話的な契約と利用を念頭にすると、月額定額制が便利であろう。アンケート結果で月額定額制が55%の支持を集めて1位となったのは、携帯電話的なサービス利用を念頭に置いている回答者が多い、ということであろうか。

 最後の設問には選択式と記述式の併用で、公衆無線LANサービスに対して懸念する点についての質問を行なった。選択式の設問では、“アクセスポイントの普及が進むか”(35.2%)、“利用料金の高さ”(28.9%)、“セキュリティー(利用者に対する不正アクセス)”(20.4%)が多く挙げられていた。記述式の設問での回答もほぼ同様で、アクセスポイントの整備が(特に地方で)進むかという疑問や、セキュリティー面での懸念を訴える声が多い。セキュリティー面に関しては、公衆無線LANサービスに偽装した悪意のあるアクセスポイントの登場や、セキュリティー管理の甘いアクセスポイントを利用した不正アクセスなどを懸念する声があった。一方で使い勝手面の懸念、というより不満として、障害発生時の問題切り分けの難しさ(クライアント内の問題か、アクセスポイントや無線LAN部分の問題かの切り分け)などを指摘する声もあった。また“ノートパソコンを広げて、落ち着いて使える場所があるのか”を、懸念材料として指摘する声も散見された。これは確かに、実際の使用シーンを考えた場合に、重要となる問題かもしれない。

公衆無線LANサービスについて、懸念する点はありますか
公衆無線LANサービスについて、懸念する点はありますか


 それでは最近のニュースの中から、公衆無線LANサービスに関する話題をピックアップしてみよう。と言っても“公衆無線LAN”の言葉が記載されたすべての記事を取り上げることもできないので、今後の公衆無線LANサービスの動向や技術に関して重要と思われる話題を取り上げたい。まずは公衆無線LANサービスという言葉そのものを、広く知らしめることになった(株)ライブドアの“livedoor wireless”(コード名 D-Cubic)に関する話題から。

“月額525円”で殴り込みをかける
ライブドア“livedoor wireless”

6月の発表会でサービスについて説明する、ライブドア代表取締役社長の堀江貴文氏
6月の発表会でサービスについて説明する、ライブドア代表取締役社長の堀江貴文氏

 低価格で山手線内部地域すべてをカーバーする公衆無線LANサービスを提供する、それがライブドアの“livedoor Wireless”である。正式サービス開始は10月を予定しているが、すでに都内の一部地域で無料の試験サービスが始まっており、ライブドア本社がある六本木ヒルズ周辺と、新宿区の一部地域(新大久保や高田馬場周辺など)で、同サービスを体験することができる(対応エリアはこちら)。

 現在施行されている公衆無線LANサービスのほとんどは、“点”の規模にすぎないサービスエリアの集合体と言える。それに対してlivedoor Wirelessは、正式サービス開始時で山手線圏内の80%、2006年末までに1都6県という広い範囲で自由に無線LANサービスを利用できる点が売りとなっている。無線LANアクセスポイントからインターネットへのアクセス回線は(株)パワードコムのFTTH回線を利用。無線LANアクセスポイントは電柱を中心に設置していく。



livedoor wirelessで使用される予定の屋外設置型無線LANアクセスポイント。電柱に設置するため防水仕様である
livedoor wirelessで使用される予定の屋外設置型無線LANアクセスポイント。電柱に設置するため防水仕様である

 大胆な価格設定も特徴である。livedoorポータル内にあるニュース、地図、路線案内を閲覧するだけなら無料(フリートライアル)。メールを利用したり、ライブドア以外のウェブサイトを見る場合でも、月額525円と既存サービスの1/3〜1/4程度の低料金となっている。料金の支払いは“livedoorウォレット”と呼ばれるクレジットカード決済を利用する(正式サービス開始時には“bitキャッシュ”にも対応予定)。試験サービス期間中は無料で提供され、有償サービスと同等のサービスを受けられる。

 livedoor Wirelessを利用するためには、あらかじめライブドアのウェブサイトで“livedoor ID”を取得しておく必要がある。対応する通信方式はIEEE 802.11b/g。干渉の多い2.4GHz帯の周波数帯を利用する点や、予定されている2200ヵ所のアクセスポイントだけで、山手線内の全域をカバーできるのかという疑問点はあるが、広範囲な屋外を無線LAN接続可能なエリアにしてしまおうという発想は画期的で、利便性は高いと考えられる。月額525円という価格の安さも画期的だ。今後の展開を期待したいサービスである。



NTT系サービスの再編に、
ソフトバンクBBも商用サービスへ移行

 ライブドアの発表でにわかに脚光を浴び始めた公衆無線LANサービスだが、すでに公衆無線LANサービスを手がけている大手ISP各社も、強力なライバルの登場に合わせてサービスの改訂や商用化に乗り出しつつある。

 2002年5月にソフトバンクグループ3社が日本マクドナルド(株)などの協力を得て開始した“Yahoo! BBモバイル”は、飲食店やホテルといった人の集まるスポットを中心にアクセスポイントを展開していた。6月末時点では、国内682の施設にてサービスを展開している。試験サービスとして無料でサービス展開を続けていたYahoo! BBモバイルだが、7月1日にソフトバンクBB(株)は、“試験サービスを10月2日で終了し、商用サービスに移行する”との発表を行なった。サービス内容は基本的に現状の試験サービスを引き継ぐ予定とのこと。料金の詳細等は未発表だが、価格破壊でADSLの低価格化に貢献した同グループのことだけに、低料金でのサービスに期待したいところだ。

2002年5月に、マクドナルド店舗でのYahoo! BBモバイル提供を発表した時のソフトバンクグループ会長の孫正義氏と、日本マクドナルド代表取締役社長兼COO(当時)の八木康行氏
2002年5月に、マクドナルド店舗でのYahoo! BBモバイル提供を発表した時のソフトバンクグループ会長の孫正義氏と、日本マクドナルド代表取締役社長兼COO(当時)の八木康行氏

 NTT東西や(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(株)(NTTBP)などのNTTグループは、各社がそれぞれ別個に公衆無線LANサービスを展開していた。そのためグループ会社間での相互接続ができず、利便性という面ではいささかもったいない状況にあったのは事実である。しかし強力なライバルの登場を受けてか、7月12日にはNTTBPが東日本電信電話(株)と西日本電信電話(株)、NTTドコモの各社が提供する共用無線LAN基地局を譲り受け、運用を行なうことを発表した。これにより、グループ各社が共通でサービスを展開する地域に、効率的で迅速なアクセスポイント展開が可能になるとしている。具体的に発表されているわけではないが、あるいは将来の各社によるサービスの相互乗り入れや、サービス統合に道を開く可能性もあるかもしれない。

 またこれにともない、NTTBPがサービスする“無線LAN倶楽部”は、12月をめどにサービスを終了することになった。経営資源をアクセスポイント構築と運用に集中するためとのことだが、先のアンケートでも無線LAN倶楽部の終了を惜しむ声が聞かれた。

 そのほかにもNTTBPは7月14日に、インテル(株)や首都圏新都市鉄道(株)と共同で、8月24日に開業予定の“つくばエクスプレス”の列車内や駅構内で公衆無線LANサービスのインフラ整備と試験提供を行なうと発表した。NTT東日本の““フレッツスポット”“M フレッツメイト フレッツ・スポット併用タイプ”や、NTTドコモの“MZone”が利用可能になる予定で、最高時速130kmで移動する列車内からでもシームレスに無線LAN接続を維持できる“シームレスハンドオーバー技術”を導入するという。次ページでも触れるが、インテルはパソコンの使用法を広げるものとして、公衆無線LANサービスの拡充に非常に力を入れている。またつくば市にはインテルの日本法人本社やラボがあり、公衆無線LANサービスの便利さを広く周知するためにも、積極的な支援をしていくということのようだ。

つくばエクスプレスで提供される列車内での無線LAN接続の解説図
つくばエクスプレスで提供される列車内での無線LAN接続の解説図


無料配布でアクセスポイントを急速拡充?
ジャパンワイヤレスの全国展開プラン

 低価格を武器に切り込むライブドア以上に、大胆な戦略で公衆無線LANサービスの展開を計画しているのが、ドリームテクノロジーズ(株)と平成電電(株)のタッグだ。両社は共同出資により、公衆無線LANサービスを手がけるジャパンワイヤレス(株)を設立。11月より全国各都市で公衆無線LANサービスを展開すると発表した。

 ジャパンワイヤレスの公衆無線LANサービスでユニークなのには、アクセスポイント拡充の戦略だ。“誰よりも早く無線LANアクセスポイントを置いた者が勝つ”をコンセプトに、Wi-Fi対応無線LANアクセスポイント10万台を一般ユーザーに無料で提供する(無償貸出)という、前代未聞の作戦を展開するのだ。平成電電のADSLサービスに加入することが条件ではあるが、買えば1万円程度はする無線LANアクセスポイントをタダで配布するというのは、過去にヤフーBBが展開した“ADSLモデム無料配布作戦”並みの大胆な作戦である。正式なサービスが開始された時には、一般ユーザーに配布した無線LANアクセスポイントが、そのまま公衆無線LANサービス用のアクセスポイントに転用できるというわけだ。10万台すべてが配布されれば、これだけで10万ヵ所のアクセスポイント設置になるわけで、他社がコストをかけてアクセスポイントを設置するのに比べれば、設置コストは大幅に低減できるものと予想される。しかし一方で、一般家庭の中に設置される以上、そのアクセスポイントが必ずしも家庭やオフィス外からアクセスできる位置に置かれるとは限らないから、10万台全部が外部から利用できるとはならないだろう。また無線LANアクセスポイントの管理が一般ユーザーに委ねられるということは、セキュリティー面の問題が生じる可能性も懸念される。

ジャパンワイヤレスによる公衆無線LANサービスの展開について発表した、ドリームテクノロジーズ 代表取締役社長の山本勝三氏(中央)と、平成電電 代表取締役の佐藤賢治氏(左2人目)、ジャパンワイヤレス 代表取締役の大山茂氏(右2人目)
ジャパンワイヤレスによる公衆無線LANサービスの展開について発表した、ドリームテクノロジーズ 代表取締役社長の山本勝三氏(中央)と、平成電電 代表取締役の佐藤賢治氏(左2人目)、ジャパンワイヤレス 代表取締役の大山茂氏(右2人目)
ジャパンワイヤレスのサービスで利用する無線アクセスポイントや対応機器。一般ユーザーには屋内用アクセスポイントと無線LAN PCカードが無償貸出される
ジャパンワイヤレスのサービスで利用する無線アクセスポイントや対応機器。一般ユーザーには屋内用アクセスポイントと無線LAN PCカードが無償貸出される

 またジャパンワイヤレスのサービスで注目なのは、無線通信技術に一般的なWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g)に加えて新しい技術である“WiMAX”も採用し、両技術を併用してサービス展開を行なうという点である。WiMAXについては後述するが、見通し距離程度の通信距離に止まるWi-Fiと比べて、1つの基地局でより広範囲をカバーできるため、ブロードバンドネットワークの普及が進んでいない地域や、移動体通信にも適するとされている。ジャパンワイヤレスでは、WiMAXで直接エンドユーザーと基地局を結ぶという使い方よりも、WiMAXでWi-Fiアクセスポイントと基地局を結び、エンドユーザーは一般的なWi-Fiで公衆無線LANサービスを利用するというプランを描いている。WiMAXがまだ登場したばかりで、対応する通信機器がエンドユーザーレベルでは広がっていないことを考えると、理にかなった方法と言えるだろう。またWi-Fi部分にも、“MIMO”(Multiple Input Multipul Output:マイモ)と呼ばれる多重通信技術を利用して、通信可能距離を10倍、最大通信速度を108Mbpsまで向上させるとしている。

ジャパンワイヤレスが計画する公衆無線LANサービスのインフラ構成。バックボーンには平成電電が敷設済みの光ファイバーネットワークを使い、ラスト1マイルには主にWi-Fiを用いる
ジャパンワイヤレスが計画する公衆無線LANサービスのインフラ構成。バックボーンには平成電電が敷設済みの光ファイバーネットワークを使い、ラスト1マイルには主にWi-Fiを用いる

 ジャパンワイヤレスの計画では、11月にサービスを開始し、2005年末までに全国の政令指定都市レベル(人口カバー率25%)をカバー、WiMAX基地局は2006年上期から設置し、2007年末時点で全国にサービスを展開、人口カバー率80%以上を目指すという。ライブドアの知名度の影に隠れているが、今後の展開が楽しみなサービスの1つに挙げられるだろう。



公衆無線LANサービス実現の最終兵器!?
次世代無線LAN“WiMAX”

 先のジャパンワイヤレスのサービスでも利用されるが、次世代の無線LAN技術として注目を浴びているのが“WiMAX”(ワイマックス)である。WiMAXとは“IEEE 802.16”シリーズの無線データ通信技術に付けられた愛称で、IEEE 802.11a/b/gがWi-Fiと呼ばれるようなものである。業界団体の“WiMAX Forum”によって規格化が進められていて、インテルがワイヤレスブロードバンドを実現するキーテクノロジーとして、非常に注力している技術でもある。

インテルが7月に開かれた無線通信機器関連展示会“ワイヤレスジャパン2005”で披露した、システムオンチップ『Intel PRO/Wireless 5116』2基を使ったWiMAXのデモ。WiMAXに関しては、Wi-Fiの時以上にインテルは力を入れている
7月に開かれた無線通信機器関連展示会“ワイヤレスジャパン2005”でインテルが披露した、システムオンチップ『Intel PRO/Wireless 5116』2基を使ったWiMAXのデモ。WiMAXに関しては、Wi-Fiの時以上にインテルは力を入れている
これはWi-Fi対応のVoIP携帯電話機だが、携帯電話機にWiMAX通信機能が内蔵されれば、低コストのIP電話と高速無線データ通信を両立した端末も登場するだろう。第4世代の携帯電話を駆逐する存在になる可能性も?
これはWi-Fi対応のVoIP携帯電話機だが、携帯電話機にWiMAX通信機能が内蔵されれば、低コストのIP電話と高速無線データ通信を両立した端末も登場するだろう。第4世代の携帯電話を駆逐する存在になる可能性も?

 WiMAXの特徴をおおざっぱに述べれば、Wi-Fiよりはるかに広い範囲をカバーし、通信速度もADSL以上という、ある意味夢のような技術である。WiMAXの通信距離と速度については、“基地局1つで2〜10kmをカバーし、速度は最大75Mbps”という言葉でよく表現される。速度面では光ブロードバンド接続に迫り、カバー範囲の広さは携帯電話以上。これだけ広いと高速移動体での通信も楽にカバーできる。基地局同士を向かい合わせての通信なら、なんと50kmもの距離でも通信可能という。そのため広い国土ゆえにブロードバンドネットワークの普及が遅れている米国などでは、特にブロードバンドネットワークのラスト1マイルを実現する技術として期待されている。一方で日本の場合、家庭や企業へのブロードバンドネットワークの普及は比較的進んでいるので、WiMAXは無線通信ならではのモバイルブロードバンドを実現する技術として期待される。

インテルがWiMAX製品の説明会で示した、想定されるWiMAXの用途。現在はIEEE 802.16-2004の段階で、IEEE 802.16eの登場でさらに使用シーンが広がる
インテルがWiMAX製品の説明会で示した、想定されるWiMAXの用途。現在はIEEE 802.16-2004の段階で、IEEE 802.16eの登場でさらに使用シーンが広がる

 WiMAXを構成する規格としては、策定済みの“IEEE 802.16-2004”や、16-2004を含んで策定中の“IEEE 802.16e”規格があり、通信用に3種類の周波数帯(3.5GHz帯と5.8GHz帯、2.5GHz帯が策定中)が利用される予定である。周波数帯により通信速度や通信可能距離、障害物の影響などは異なる。無線通信に関しては、電波帯域の割り当てや法制度が各国ごとに異なるため、たとえば日本では5.8GHz帯を使った無線LANデータ通信は許可されていないという状況にある。この点については総務省が“ワイヤレスブロードバンド推進研究会”を設けて、WiMAXの実現に向けた周波数の割当方法について検討を行なっている。WiMAXの規格が確定するのは2007年の予定とのことなので、それまでにはなんらかの方針が示され、日本でのワイヤレスブロードバンドにも道が開かれるだろう。2005年は公衆無線LANサービス元年と言ってもよい年であるが、誰もが幅広く使うようになるのは、WiMAXが本格的に登場する2007年以降になるかもしれない。




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