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Microsoft Producer for PowerPoint 2002 マルチメディアを駆使したプレゼン資料の作成に威力を発揮
Microsoft Producer for PowerPoint 2002
マイクロソフト
Webサイトにて無償公開
03-5354-4500/06-6347-4400
http://www.microsoft.com/japan/office/powerpoint/producer/


アスキー PC Explorerアスキー PC Explorer 2002年3月号
2002年2月27日


Microsoftは2001年末、プレゼンテーションデータ作成ソフト「PowerPoint 2002」の拡張ツール「Microsoft Producer for PowerPoint 2002」の無償配布を開始した。Producerを使えば、タイムライン上で編集したビデオ、オーディオ素材とPowerPointのプレゼンテーションスライドを組み合わせたオンラインコンテンツを制作できる。

PowerPointを駆使して活動する
ビジネスマンの新たな秘密兵器

 タイムラインで編集するオンラインコンテンツと聞くと、「Macromedia Flash」を思い起こす人がいるかもしれない。だが、Producerは、Flashのように素材をすべてオブジェクトとしてエリア内にレイアウトし、動きを付けていくスタイルのアプリケーションではない。そもそもPowerPoint自体、プレゼンテーションスライドの中にビデオやオーディオファイルを埋め込むことは以前から可能だった。

W3CのSMIL情報(http://www.w3.org/AudioVideo/)。2002年1月現在、SMIL 2.0がRecommendation(勧告)になっている。IEは5.5以降でSMIL 2.0準拠の「HTML+TIME 2.0」をサポートしているが、IE 6.0では新たにSMIL 2.0のサブセットとして、今回のProducerの仕様に近い「XHTML+SMIL」をW3Cに提案している。
 Producerはむしろ、W3Cによる同期マルチメディアコンテンツ規格「SMIL」(Synchronized Multimedia Integration Language)ライクなコンテンツを制作するためのツールだ。RealPlayer 8のユーザーなら、再生されるビデオの進行と同期してテキストや静止画が自動的に次へ進むコンテンツを見たことがあるかもしれない。それらの多くがSMILで記述されている。この場合、例えばFlashムービーそれ自体が、SMILでの素材のひとつとなる(Flash 5では、ムービーを埋め込んだSMILコードを出力する機能がある)。

 ProducerはSMILに対応しているわけではないが、同様のコンテンツを作成できる。おおざっぱに言えば、個々に完成されたスライドやムービー、その他の素材を時間軸上に並べて同期・連動させていく、というイメージになる。

 MicrosoftとしてもProducerの位置付けを、家庭/個人ユーザー向けの簡易ビデオ編集ソフト「Windows Movie Maker」(Windows MEとXPに標準添付)に対する、ビジネスユーザー向けのマルチメディアコンテンツ作成ツールと説明している。企業で広く使われているPowerPointのアドオンとして提供される理由は、そこにあるのだろう。





Producerを使った
コンテンツ作成の手順

 Producerのメインウィンドウは、上半分がタブ切り替えになっており、プロジェクトで使うメディア素材の登録管理/目次の作成/プレビュー用エリアとして使う。下半分のタイムラインでは、各素材の並び順ととタイミング、エフェクトなどを設定する。実際の工程は、おおむね以下のようになる。

  1. スライドやビデオ、HTMLなど素材の登録
  2. タイムラインへ素材を配置し加工・編集
  3. タイムライン上でタイミングを設定
  4. 発行(出力)
新しいプロジェクトを作るとき便利な「プレゼンテーション作成ウィザード」。素材の取り込み、登録からタイムラインへの自動配置までの作業が対話形式で可能だ。

プレゼンテーションテンプレート。レイアウトデータはCSS(Cascading Style Sheet)で記述されているので、CSSの知識があれば柔軟にカスタマイズできる。
 Producerのプロジェクトでは、素材はビデオ、オーディオ、静止画、PowerPointプレゼンテーションスライドおよびHTML(拡張子MHTのWebアーカイブには非対応)に分類されて登録される。加えて、発行用のレイアウト(プレゼンテーションテンプレート)が38種類、ビデオ切り替え効果(トランジションエフェクト)が44種類、ビデオ特殊効果(フィルタ)が17種類、それぞれ用意されている。登録は、すでに素材ファイルが用意してあるならドラッグ&ドロップするだけだ。PowerPointのプレゼンテーションファイルは登録するとスライド1枚単位で分割表示されるので、必要なスライドだけ抜き出して使うこともできる。タイムラインに置いたスライドは、発行の際にはHTMLベースに自動変換される。



Producerで利用できるおもな素材
Web HTML(MHTは不可)
ビデオ wmv、asf、avi、mpg(MPEG1/2)*MPEG2のcodecを別途導入済の場合
オーディオ wma、asf、wav、mp3、au、snd、aif
静止画 gif、jpg、bmp、png、dib、tif、wmf、emf
そのほか PowerPointプレゼンテーションスライド

 ビデオ/オーディオについては、このソフト単体でライブ映像や各メディアからキャプチャー(取り込み)もできる。対応しているキャプチャーデバイスは、IEEE1394経由で接続されたDVカメラやUSBカメラ、DirectShow対応のキャプチャーカードとなっているので、Windows 2000/XP対応の機器なら大抵は使えるだろう。取り込まれたデータは、Windows Media(7または8)形式のクリップになる。長いビデオクリップは、Movie Makerと同様にシーンの変更を自動検出し、短く分割してから登録される。事前に編集をしたビデオクリップを取り込むより、未編集のままクリップを取り込んでProducerのタイムライン上で編集すればよい、という発想だ。

「取り込みウィザード」。「Windows Mediaエンコーダ」などと違い、ビデオは「ローカル再生」か最高300Kbpsまで、オーディオは128Kbpsまでしか指定できない。これ以外の品質や解像度のクリップが必要なら、事前にエンコード済みのファイルを用意しておくことになる。


タイムラインにはビデオの音とは別に追加のオーディオトラックがあるので、吹き替えや音楽のミックスなども可能。ビデオがプレゼンのところどころで再生されるなら、再生されていない間真っ黒になるより何か静止画を挿入しておくほうがいいだろう。
 素材を一通り登録したら、タイムライン上に並べていく作業に移る。
 静止画や動画の編集や効果の付加は、加工したいクリップをタイムライン上でドラッグしたり、効果のアイコンをクリップにドロップするだけで、自動的にプレビューに反映される。ワイプのような2つの映像の切り替え効果、フェードイン/フェードアウトやモザイクなどの特殊効果を個別にかけても、レンダリングはほとんど時間をかけずに処理されるので、すぐプレビューしてみて、納得するまで容易に再調整できる。

 もちろん、ビデオタイムラインに静止画だけを並べれば、デジカメやDVで撮影した静止画だけを連続表示するように並べて、スライドショーを作るといった使い方も可能だ。ただし、Producerはビデオ編集ソフトではないので、編集後テープなどに書き戻したり、WMV以外の映像フォーマットに変換する機能は持たない。



「同期ウィザード」でビデオとスライドのタイミングを合わせる。もちろん手作業でも素材を移動したり前後を入れ替えたりできる。
 クリップの加工が終わったら、タイムライン上に置いたPowerPointスライドの表示順序や時間と、クリップの同期タイミングを調整する。このとき、タイムラインにプレゼンテーションテンプレートを置いてあれば、最終的に発行するコンテンツの見た目がどうなるか、IEのエンジンを利用した「プレビュー」タブで確認できる。テンプレートそのものを途中で切り替える設定も可能だ。スライドをそのまま説明するナレーションが入ったビデオや音声クリップを使う場合は、逆にクリップの再生時間に合わせて各スライドの表示時間を調整することになる。



コンテンツの「発行」は
CDからネットまでマルチに対応

 できあがったコンテンツは「発行ウィザード」を使って「発行」することで、オンラインプレゼンテーションとして完成となる。発行する先は、CD-R/RWメディアなどに焼いて配布するための「マイ コンピュータ」、イントラネットなどの共有スペースからの参照用である「マイ ネットワーク」、そしてIISを使って外部にも公開できる「Webサーバ」の3種類から選択できる。

「発行ウィザード」。マイ コンピュータへの発行時には、CDの自動再生用ファイルも作成されるので、そのまま丸ごとRやRWに書き込んでしまっていい。

 発行する場所や扉(導入ページ)、コンテンツの再生品質を指定すると、ビデオ/オーディオ素材は指定ビットレートのWMVクリップに変換(再エンコード)される。ビデオ/オーディオの配信は、他のファイルと別にWindows Mediaサーバを発行先に指定できる。

IE 5.5とWMP 7.1で作成したクリップを再生。従来、SMILを直接コーディングするか高価なオーサリングツールを使うしかなかった同期マルチメディアコンテンツが、Office XPユーザーなら誰でも作成できるようになった。
 Producerを導入すると、プレゼン内容の関連情報が掲載されたWebページを並列表示したり、インタビュー映像などのビデオデッキ再生とスイッチ切り替えしていたプレゼンをすべてPC上からシームレスに再生したり、全編ナレーション付きのeラーニング教材なども、PowerPointを普通に使えるユーザーなら簡単に制作できる。もっとも、用意されたテンプレート以外のレイアウトを使いたいときはCSSの知識が必須となるし、HTML領域にオンデマンドでネット上のWebページを読み込むことも事実上できない。今後はSMILとの相互運用も課題になるだろう。

 操作面でも、ビデオ用トラックが1本しかないため、切り替え効果の調整などの際、いちいちプレビューを見ないと効果が分かりにくい、タイムライン上でクリップを手作業で移動したいとき、配置された時間表示が非常に分かりにくい、といった不満は残る。専用のビデオ編集ソフト並とは言わないが、ビデオトラックを2つにするなどの改善を望みたい。また、現状では裸のHTMLファイルしか取り込めないため、取り込んだHTMLから画像などへのリンクを張り直さなければならない場合がある。せめてIEのWebアーカイブ(MHTファイル)をサポートしていただきたい。

 もうひとつ、PowerPoint 2002専用という点は非常に残念だ。Microsoft社として現在販売しているOffice XPを重視するのは理解できるが、(この不況でアップグレードするのが厳しい昨今なので)まだ多数存在するOffice 2000の企業ユーザーにも配慮してほしいところだ。



Microsoft Producer for PowerPoint 2002の主なスペック
製品名 Microsoft Producer for PowerPoint 2002
対応OS Windows 2000+SP1以上/XP
CPU PentiumII-400MHz以上
HDD 2GB以上(PowerPoint 2002が必要)

(culi)




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