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『Adobe Photoshop CS3』のβ版を試す──CS2より起動が45%高速化


2006年12月21日

from ASCII24

Adobe Photoshop Lightroom』に続き、2007年春に発売が予定されている『Adobe Photoshop CS3』のパブリックベータ版が登場した。アドビ システムズとしてベータ版を提供したこと自体が驚きだが、米アドビ システムズ(Adobe Systems)社に合併された米マクロメディア社が、以前このような戦略をとっていたことを考えると、納得できるプロモーションとも言える。今回はそのベータ版のファーストインプレッションをお伝えしよう。

『Adobe Photoshop CS3』
『Adobe Photoshop CS3』

第一印象が大切なのだ

マクロメディアとの合併後、アドビにはいくつかの変化が起こった。中でも大きな方針転換と言えば、従来は情報をなかなか公開せず、秘密裏に開発を進行させていたやり方から、広く一般ユーザーにベータ版を公開して意見を募る方法に変わったことだろう。特に今回のように、同社の目玉商品である“Photoshop”シリーズの最新バージョンを公開した意味は大きい。

このβ版の出来具合は、今後のCS3の行方を占う意味でも重要になってくる。何事も第一印象が重要で、仮にβ版でユーザーにインパクトを与えられなければ、製品版の売り上げにも直接影響してくるだろう。もちろん今後は、β版で見つかった不具合を修正しながらの進行になるだろうが、それを考慮しても、かなり慎重にビルドされたバージョンが公開されているはずだ。


PowerPCでもIntel CPUでも速い!!

さて、本バージョンは、Intel製CPUを搭載したMacintoshやWindows Vistaといった、最新マシン/OSにも対応するバリバリのニューバージョンだ。今回は筆者の馴染み深いMac OS X版を入手してテストした。

まず最初に驚いのは、起動時間が早いということ。『Power Mac G5-2.5GHz Dual』で初回の起動が19.5秒、Intel Macの中では一番遅い『MacBook-1.83GHz Core Duo』でも15.3秒だった。2回目の起動はPower Mac G5が6.2秒、MacBookが6.3秒ととにかく速い。

Power Mac G5におけるPhotoshop CS2の初回起動にかかった時間は28.4秒だったので、45%は高速化された計算になる。

そして一番に目につくのが、インターフェースの変更だ。従来の基本的な画面構成を踏襲しつつも、パレット類の表示方法を変更し、より有効に画面を使えるように工夫されている。パレットの数や表示サイズは、デスクトップでデュアルモニター環境を構築している人なら気にならないかもしれないが、画面サイズが制約されるノートパソコンでは特に効果的だ。

もちろん、従来どおりにパレットを単独で切り離しての使用も可能。加えて、ビデオ編集やレタッチといった作業目的に合わせて、パレット配置のプリセットが用意されている点も見逃せない。

インターフェース
基本的なインターフェースはCS2を踏襲している
パレットの拡大縮小
パレットのサイズが自由に拡大/縮小できるようになった。ノートパソコンでは、より有効に画面を使える

Photoshop CSから同梱されている、ファイルブラウザーの役割と各アプリケーションとの橋渡しを行なうソフト『Adobe Bridge』のインターフェースも変更された。基本的な画面構成は従来と同じものの、EXIFデータをビジュアル的に表示したり、プレビュー画面で部分的に画像を拡大表示させることができるようになるなど、こちらも使い勝手が向上している。

Adobe Bridge
『Adobe Bridge』のインターフェースも変更され、メタデータがビジュアル的に表示されるようになった。シネマプレビュー画面では部分拡大表示も可能となった

ビデオデータを最大500フレームまで取り込める

ほかにも気になる新機能は色々ある。例えば、ビデオのフレームをレイヤーとして取り込み、編集加工したあとに再度ビデオに書き出せる新機能“モーショングラフィック”は試しておきたい。

モーショングラフィック
ビデオデータを一度に最大500フレームまで取り込んで加工できる。編集後はムービーとして保存することも可能だ

オリジナルの画像レイヤーを変更することなくフィルター処理が可能な“スマートフィルター”、選択範囲を簡単に指定できる“クイックセレクション”といった新機能も注目だ。そのほか、数カットの画像から1枚の写真を合成する“フォトマージ”で合成の精度が高まり、プリントダイアログも大幅に変わっている。

スマートフィルター前
スマートフィルター後
スマートフィルター機能を使えば、オリジナルの画像を変更することなく、自由にフィルター操作が可能となる。処理のやり直しや、フィルターの非表示(オリジナルの確認)なども可能だ。図は左がフィルターを表示、右が非表示
クイックセレクション
クイックセレクションを使用すれば選択したいオブジェクトをなぞるだけで簡単に選択範囲を作成できる
プリントダイアログ
プリントダイアログも一新され、従来のプリントプレビューに近い形になった

今回のソフトはβ版とはいえ、その完成度は高い。日本語版βや製品版が早く出ないかと待ち遠しくなってしまう。見事アドビの戦略にハマったようだ。

アバウト画面
蛇足だが、β版でもアバウト画面のイースターエッグが隠されていた。Macでは“コマンド”キーを押しながら、“Photoshop”メニューの“About Photoshop”を開く


(諫山研一)




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