月刊アスキー 2003年10月号 2003年12月11日
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フォトレタッチ&デジタルイメージ管理ソフト「Microsoft Digital Image Pro 9」のメイン画面。 |
マイクロソフトの「Microsoft Digital Image Pro」は、デジタルフォトをはじめとするデジタルイメージの加工・編集を得意とするフォトレタッチソフトだ。機能・性能的には同社の家庭向けグラフィックソフトの中で最上位に位置するソフトながら、趣味でデジタルカメラを扱う層を特に強く意識し、カンタンな操作でさまざまな処理が実行できるのが特徴だ。以前は「Microsoft PictureIt!」という名称で呼ばれていたため、その名でご存じの方も少なくはないだろう。
そのMicrosoft Digital Image Proに新バージョンが登場した。名称は「Microsoft Digital Image Pro 9」(以下DIP9)。従来バージョンであるMicrosoft Digital Image Pro 2003からの機能強化ポイントは多岐に及ぶが、特に注目したいポイントは「デジタルイメージ管理(フォトアルバム)ツールの搭載」「編集・フォトレタッチ機能の強化」「CD/DVD出力機能の追加」のズバリ3点。その3点を中心に見ていこう。
デジタルイメージをラクラク管理
DIP9最大の目玉は、なんといっても新たに搭載されたデジタルイメージ管理(フォトアルバム)ソフト「Digital Image Library 9」(以下DIL9)だ(画面1)。DIL9はエクスプローラに似たユーザーインターフェイスのデジタルイメージ管理ソフトである。デジタルイメージに対して「タイトル」「キーワード」、ユーザーが適宜付けられる「お気に入り度」(画面2)という星印による5段階評価など、各種情報を付加した状態で管理できる。登録したデジタルイメージは、「フォルダ」「撮影日」「デジタルイメージのフレームサイズ」「キーワード」「お気に入り度」などを基準にグループ分けしての表示が可能だ。グループ分けの方法は、ワンクリックして表示されたリストから選ぶだけ。ユーザーインターフェイスがエクスプローラライクということもあり、使い勝手がいい。
DIL9ではこうしたキホンを押さえたうえで、「類似写真の検索」「一括変換」「CD/DVD出力」などの便利な機能を備えている。
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画面2 デジタルイメージに対して星印による等級付けができる「お気に入り度」。この情報はグループ分けの基準としても使用可能だ。 |
最初に挙げた類似写真の検索は、DIP9に登録されているデジタルイメージの中から選択したデジタルイメージと似ているものを自動的に抽出する機能だ(画面3)。検索結果は「とても似ている」「少し似ている」といった具合にグループ分けした状態で表示できる。色の分布や輝度の濃淡などにより検索しているため、ある人物が写っている写真をすべて抽出といった使い方はできない。必ずしも期待どおりの結果を得られるワケではないが、撮影したフォトが以前撮影したフォトとかぶっていないか確認したり、保存しているデジタルイメージの重複を確認したりといったことには大変役立つ。
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画面3 類似写真の検索。検索したいデジタルイメージを選択すると、類似したデジタルイメージを登録したファイルの中からピックアップする。 |
続く一括変換については、ファイル名を「共通のファイル名+連番」などに一括変更できるほか、ファイルフォーマットやフレームサイズの一括変換もサポートしている。撮影したデジタルフォトをWebページに公開するような状況で便利だ。
最後のCD/DVD出力は冒頭で触れた注目機能のひとつで、DIP9に登録されているデジタルイメージをDVDやCDなどの各種記録メディアに出力できるというもの。登録されたイメージをすべて一度に出力することはもちろん、保存履歴により、未保存のものを書き出す、保存スタンプの日付が変わったもののみを書き出す、新しい画像が指定容量を超えたら書き出す、といった設定も可能である。
デジタルイメージ管理ソフトというとオマケ的印象を持たれる方もいるかもしれないが、デジタルカメラとの連携を考えれば無視できない。Digital Image Library 9を新たに搭載した意味は大きい。
より使いやすくなった編集・フォトレタッチ機能
DIP9では本来の機能に関しても、ユーザーインターフェイスの強化をはじめ、新機能の追加や機能強化により大幅にパワーアップしている。特に目立つものは、「輪郭トレースツール」「スマート除去」「ブレンドブラシ」などの編集・レタッチに関する新機能だ。
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画面4 “輪郭トレースツール”。幅太の線により輪郭を大まかになぞるだけで、選択範囲の指定をラクラク実行できる。画面左はなぞっている最中で、画面右はツール適用後。輪郭を判別する幅の太さはユーザーが任意に変更可能だ。 |
輪郭トレースツールは範囲指定ツールの一種で、マーカーのような太い幅のラインでデジタルイメージのアウトラインをおおまかになぞると、なぞった部分の輝度や色の濃淡から境界線を自動的に設定してくれるものだ(画面4)。切り抜きの範囲指定は時間を要する面倒な作業だけに、この機能の搭載は歓迎したい。
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画面5 スマート除去ツール。消し去りたい対象を囲んで塗りつぶしボタンを押すだけで、その対象を除去できる。 |
続くスマート除去ツールは、デジタルイメージの中から不必要な要素を除外できる機能である(画面5)。選択範囲を指定して「塗りつぶし」をクリックすれば、あとは自動的に周囲のイメージを使って不必要な領域の要素を塗りつぶしてくれる。顔にできたニキビや車についてしまったキズも、本ツールを使えばそのエリアを囲むだけでカンタンに修正できるのだ。なお、除外したい要素の面積が大きい場合には塗りつぶす部分のつじつま合わせが難しくなり、修正時に逆にゴミが発生する場合もある。どちらかというと、小さな傷を修正するのに向いているツールといえよう。前述の輪郭トレースツールにも言えることだが、必ずしも万能ではない点にご注意いただきたい。
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画面6 デジタルイメージの一部をブラシパターンとして使用できるブレンドブラシ。ここでは空の色を参考に電線を消しているが、ほかにもさまざまな使い道がある。 |
最後のブレンドブラシツールは、デジタルイメージにおける情報の一部をブラシパターンとして参照、ペイントできる機能だ(画面6)。ペイントした部分はオリジナルの画像との違和感を小さくするため、ツール名にもあるようにブレンド処理が行われる。スマート除去ツール同様、傷の除去などフォトレタッチに効果を発揮する。
ほかにもデジタルイメージをボケた感じに処理する「ガウス(ぼかし)」、デジタルイメージにおけるコントラストを高めることでシャープに見えるようにする「アンシャープマスク」、傾いた写真を即座に修整する「傾き補正」(画面7)など、さまざまな機能強化が図られている。
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画面7 撮影時のミスなどにより傾いてしまった写真を補正する傾き補正機能。水平もしくは垂直になる線を引きボタンを押すだけで効果を適用できる。 |
競合ソフトに対するDIP9の強み
価格は1万2800円。店頭での価格は1万円前後だろう。今回のバージョンアップにより、デジタルイメージの管理からレタッチ、出力と、このパッケージひとつでデジタルイメージの処理全般に対応できるようになった。すべてを1つのソフトでまかなえるのは大きな魅力といえよう。
価格・性能面で競合する製品としては、アドビシステムズの「Adobe Photoshop Elements 2」などが挙げられる。Photoshop Elementsは初心者〜中級者層をターゲットにしたフォトレタッチ・デザインソフトだ。Photoshop譲りの強力な編集機能を有するが、フォトレタッチ・デザインを目的としたソフトだけにデジタルイメージの管理は内蔵のファイルブラウザのみ。アドビではデジタルイメージの管理ソフトとして「Adobe Photoshop Album」を用意してはいるが、これは市販のパッケージソフトなので別途購入する必要がある。デジタルイメージを扱う総合環境を求めるなら、DIP9にアドバンテージがある。
| Microsoft Digital Image Pro 9の主なスペック |
| 製品名 |
Microsoft Digital Image Pro 9 |
| CPU |
Pentium-700MHz以上 |
| メモリ |
256MB以上 |
| HDD |
350MB以上 |
| 対応OS |
Windows 98/Windows Me/Windows 2000+SP3以上/Windows XP |
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(伊藤 裕也)
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