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ビデオ編集ソフトの定番が2年ぶりにバージョンアップ
Adobe Premiere 6.0 日本語版
アドビシステムズ
オープンプライス
6万9500円(アドビストア価格)
カスタマーインフォメーションセンター
03-5350-0407
http://www.adobe.co.jp/
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2001年3月21日
アドビシステムズの「Adobe Premiere」は、タイムラインベース――つまり、タイムラインという時間の軸にビデオクリップを配置していくことでビデオタイトルの作成を行うタイプのノンリニアビデオ編集ソフト。映像の持つ色や明るさ、そしてアルファチャネル(透過度を扱う特殊なチャネル)といった情報を元にビデオの一部を透明にする「キーイング」、ビデオクリップにズームや回転などの動きを付加する「モーションコントロール」などの強力な機能を搭載し、高度なビデオ編集処理を実現しているツールだ。
そのPremiereがバージョンアップし、「Adobe Premiere 6.0 日本語版」(以下Premiere 6.0)となった。前バージョンのPremiere 5.1は1999年春発売だから、約2年ぶりのバージョンアップである。
Premiere 6.0ではメジャーバージョンアップに相応しく数多く機能の強化と拡張を行っているが、大きく分けると「DVサポートの強化」「編集ツールならびにインターフェイスの拡張」「Web対応」の3つに絞られる。本稿では、これらのポイントを順に紹介しよう。なお、本稿ではWindows版を試用したが、Macintosh版も同様の内容なので、そちらのユーザーも参考にしてほしい。
DVデータの入出力をフルサポート!
Premiere 6.0における新機能で特に目を惹くのが「DVサポートの強化」だ。――というのも、Premiere 6.0ではIEEE1394インターフェイスのサポートと同時に、DVデータを快適に扱うための機能強化/拡張を実施し、高度なDV編集環境の構築を簡単に(かつ低価格で)実現できるようになったからだ。
最初に挙げた「IEEE1394インターフェイスのサポート」とは、DVデータの入出力ポートとしてOHCI(Open Host Controller Interface、汎用ドライバでデータ通信を行うための統一規格)準拠のIEEE1394インターフェイスに対応した「DV入出力プラグイン」を自前で用意した、ということ。IEEE1394(もしくはi.LINK)ポート経由で接続したDV機器との間で、DVデータを自由にやりとりできるようになったわけだ。
もう少し詳しく説明すると、Premiere 6.0ではこれにより、
- DV機器からの映像の取り込み(ビデオキャプチャ)
- 作成した映像のDV機器に対する出力(書き戻し)
- TVモニタによるビデオのプレイバック
――を実現している。最後に挙げたTVモニタによるビデオのプレイバックというのは、Premiereに登録したビデオクリップのプレイバックや編集中のビデオのプレビューを、“DV機器に接続したTVモニタ”に表示できるというもの。モニタウィンドウやタイムラインウィンドウで指し示したフレームをじかに表示できるため、テープへの書き出しを前提とするビデオの作成には大変便利だ。
さらにPremiere 6.0では、IEEE1394インターフェイス経由で接続したDV機器をPremiereから制御するデバイスコントロール「DVデバイスコントロール2.0」の搭載により、あらかじめ指定したシーンをまとめてキャプチャする「バッチキャプチャ」やビデオテープに書き戻しを行う「テープへ出力」コマンドにも対応している。
従来のバージョンでは、Premiere用に開発されたDVキャプチャキット(いわゆるプラグイン)を別途導入しなければならなかっただけに、このIEEE1394サポートは嬉しいところだ。
IEEE1394関連の細かなインターフェイスをより使いやすく
また、Premiere 6.0では前述のとおり、IEEE1394サポートを支援するためにさまざまな機能の強化ならびに拡張を行っている。具体的には「ムービーキャプチャウィンドウの進化」「ワイドスクリーンの対応」などがそれにあたる。
ムービーキャプチャウィンドウは、ユーザーインターフェイスが大幅に改良された。デッキコントロールをスクリーン下部で集中管理すると同時に、タブ切り替え式のパネルをスクリーン右のエリアに新設することで、キャプチャ時の操作性を大幅に向上させている。ここで注目したいのが、タブ切り替え式のパネル。6.0では「ログ」「設定」という2つのタブ(パネル)を用意し、状況に応じて切り換えて使用できるようになった。
「ログ」はリール名やイン/アウトポイントの表示や編集に対応するパネルで、バッチキャプチャ用のリスト(ログ)の作成に役立つものだ。5.1ではスクリーン右のエリアに表示されていた内容を強化したパネルである。
一方の「設定」は新しく設けられたパネルで、キャプチャ設定や環境設定の確認・変更が可能だ。頻繁に使うようなパネルではないものの、デバイスコントロールの細かい調整やビデオクリップの保存先の変更などで役立つことだろう。
続く「ワイドスクリーンの対応」は、スクリーンの縦横比16:9に対応したということ。これにより、ワイドスクリーンのビデオクリップを正しい比率で表示できるようになった。もちろん、タイトルの作成などもワイドスクリーンにピッタリ合うサイズで作業できる。
ほかにも、プロジェクト設定のプリセットにDV対応のものを用意するなど、DVサポートは広い範囲で行われている。
従来のバージョンではIEEE1394インターフェイスのサポートも含めてほかのビデオ編集ソフトに先を越されていた感があっただけに、多くのユーザーの期待に応える対応といえるだろう。
ツールやインターフェイスの拡張もバッチリ!
今回のバージョンアップではDVサポートばかりが注目されがちだが、ビデオ編集関連の各種ツールと、そのインターフェイスもさまざまな強化が行われている。主だったものについて、順に紹介しよう。
まずはプロジェクトで扱う素材を管理する「プロジェクト」ウィンドウ。新しいプロジェクトウィンドウでは素材のクリップを表示する「ビンエリア」がツリー表示可能になり、素材を種類ごとに管理できる。また、登録したビデオクリップやオーディオクリップのプレイバックを行えるプレビューエリアが新設されている。プロジェクトウィンドウに登録した素材の確認がよりスムーズに行え、内容の確認のためにわざわざウィンドウを開く必要はもはやない。
続く「ストーリーボード」ウィンドウは、複数のビデオクリップを効率よく扱うために新しく搭載されたウィンドウ。ビデオクリップをリスト順に連結し、その結果をタイムライン、もしくはビデオ(TVモニタ)に出力する。用途としては、本格的な編集を行う前の段階における“大雑把なストーリーの確認”と、キャプチャした複数のビデオクリップの連続プレビュー(デバイスコントロール可能なビデオ機器がある場合)の2つだろう。ちなみにストーリーの確認は、その結果が満足できるものであれば、そのままタイムラインに流し込むこともできる。タイムラインに出力する場合は、クリップ間にトランジションエフェクト(場面転換の際の効果)を組み込むことも可能だ。特に数多くのクリップをタイムラインに流し込まなければならないような状況で重宝する。
素材となるビデオクリップや編集中の映像を表示する「モニタ」ウィンドウでは、マーカの拡張を行っている。具体的には、ビデオクリップに設定するインポイントとアウトポイントを、ビデオクリップを構成するビデオとオーディオそれぞれに対して個別に設定できるようになった。この拡張により従来からサポートしていた3ポイント編集(※1)・4ポイント編集に加え、さらに5・6ポイントによる編集にも対応できるようになった。
※1 3ポイント編集 素材となるクリップを扱う「ソースモニタ」と、タイムラインの映像を表示する「プログラムモニタ」という2つのモニタを活用して行う編集方法のひとつ。一方のモニタでインポイントとアウトポイントを、もう一方のモニタでイン、もしくはアウトポイントを指定、つまり合計3つのポイントを指定したうえで映像の転送を行う。たとえば、ソースモニタでインとアウトを設定し、プログラムモニタのある場所でインを設定、その状態でソースモニタの映像をプログラムモニタに転送すると、ソースモニタで範囲指定したシーンの先頭をプログラムモニタのインポイントに滑り込ませることができる。複数のビデオ機器を用いて行うビデオ編集で一般的だ。ちなみに4ポイント編集というのは、ソースモニタとプログラムモニタの両方でインとアウトを指定する編集方法。
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「タイムライン」ウィンドウ。キーフレームの設定は、ビデオクリップのサムネイルを表示するトラックの下に表示される補助トラックで行う。補助トラックにある菱形のマークが、キーフレームの設定された場所だ。なお、オーディオトラックのキーフレームを設定する場所は、ゲイン・パンの設定と場所を共有しており。必要に応じて適宜切り替えることになる。 |
ビデオの編集に欠かせない「タイムライン」ウィンドウでは、オーディオのパンをタイムラインから直接指定できるようになったり、トラック設定を呼び出すボタンを新たに設けたりしているが、ここで特に注目したいのは「キーフレームのサポート」だ。というのも、Premiere 6.0ではビデオ・オーディオクリップに付加したフィルタのキーフレームを、タイムラインで直接編集できるからだ。
仕組みとしては、ビデオ(もしくはオーディオ)トラックの下にキーフレームを表示する補助トラックを新設、そこにキーフレームを示すマーカーを付加したり削除したりすることで行う。このマーカーはマウスのドラッグによる移動も可能。5.1ではキーフレームの編集時にフィルタの設定ダイアログを開かなければならず、お世辞にも使いやすいものではなかった。それだけに、この機能強化は大いに歓迎したい。
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タイムラインのシングルトラックモード。A/Bトラック形式と比較して、すっきりと見やすいのが特長。 |
また、タイムラインでは従来からあるA/Bトラック形式での表示に加え、AトラックとBトラック、そしてトランジションエフェクトトラックの3つのトラックを1つにまとめた「シングルトラック形式」の表示にも対応している。どちらを選択するかはユーザー次第だが、Premiere 6.0のガイドでは初心者にA/Bトラック形式を、ビデオ編集のイロハを心得ている人にシングルトラック形式を推奨している。これはA/Bトラック形式のほうがクリップの重なり合った部分を目で確認しやすく、トラックの調整を行いやすいからだろう。もちろん、慣れてしまえばシングルトラック形式でも気にせず作業できるようになる。
詳細な設定が可能なオーディオミキサーを搭載
さらにPremiere 6.0では、オーディオツールの強化も忘れてはいない。今回のバージョンでは実際のミキサーのようなインターフェイスを持つ「オーディオミキサー」の搭載により、オーディオのボリューム(ゲイン)やパンの細かく調整ができるようになった(数値入力からスライダーバーでの連続的な変化まで)。これらの調整はオーディオを再生しながらリアルタイムに行え、その結果をタイムラインのオーディオトラックに直接反映することも可能だ。Premiere 5.xでオーディオのゲインを設定するにはタイムラインで何度も試行錯誤しなければならなかったが、オーディオミキサーを使えばビデオを見ながら、そしてオーディオを確認しながら変更ができる。なお、このミキサーでは複数トラックのボリュームスライダーをグループ化し、同時に調整することも可能だ。特定のトラックのゲインを上げると別のゲインが下がる――というようにスライダーの動きをプログラミングできればさらに便利でおもしろいのだが、ここでは一方のゲインに連動して上がるだけ、の単純なサポートとなっている。
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どことなくAfterEffectsを連想させる「ビジュアルエフェクト」パレット。ビデオクリップに適用した設定を一目で確認し、すばやく変更することが可能だ。 |
ところで、いくらキーフレームをタイムラインから直接追加できるようになったとしても、それと同時にフィルタの設定を変更できなければ意味はない。そこでPremiere 6.0では、ビデオ・オーディオクリップに付加したフィルタを一度にまとめて管理できる「エフェクトコントロール」パレットを搭載している。これは同社のビジュアルエフェクトツール「Adobe AfterEffects」も搭載している機能で、フィルタ設定の変更やビデオ・オーディオクリップに付加したフィルタの確認などに役立つ。
ちなみに、今回のバージョンではビデオのフィルタに、AfterEffects(スタンダード版)に含まれた一部、ガウシアンブラー(映像をぼかす効果)や輪郭検出など合計29種類を収録している。画面の端に枠を生成する「ベベルエッジ」など新しくサポートしたものもあるが、従来のPremiereでサポートしていたフィルタと差し替えになったものも数多くある。従来のPremiereにあったフィルタの中には、設定項目が極端に少なかったり、キーフレームを設定できないものが少なからずあったが、今回の差し替えにより実用度は大幅に向上した。さすがにビジュアルエフェクトの適用を専門で行うAfterEffectsに敵うほどではないが、一般的なビデオタイトルの作成には十分なレベルだ。
ほかにも、最大99回までの作業履歴を残し、履歴の好きな部分まで即座に戻れる「ヒストリーパレット」の搭載や、各種ウィンドウやパレットの位置を保存することによりユーザー自身の使いやすい環境を再現できる「ワークスペース」など、数多くの部分で機能強化と拡張が行われている。Premiere 6.0のインターフェイスは見た目こそ5.1とあまり大きな差はないが、使ってみるとその機能は数段レベルアップしているのがわかる。
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ワークスペースのカスタマイズは、ウィンドウメニューから実行可能だ。プリセットの設定は「シングルトラック編集」「A/Bトラック編集」「エフェクト」「オーディオ」の4種類。 |
ストリーミングビデオの出力に対応
Premiere 6.0では「Save for Web」「Advanced Windows Media」「Advanced RealMedia Export」という3つのWeb用保存コマンドを追加することで、ストリーミングビデオの作成にも対応している。ここでは、これらの出力機能について触れよう。
「Save for Web」は、ストリーミング用のQuickTimeムービーやCD-ROM収録用のAVIムービーなど、用意された設定の中から適切なものを選ぶことによりビデオを作成できる機能だ。豊富な設定を絞り込むことで、圧縮設定などに悩むことなく簡単に映像を作成できる。この機能は、Terran Interactive社のWeb用ビデオの作成ソフト「Cleaner 5 EZ」のモジュールを標準搭載することで実現している。
続く「Advanced Windows Media」は、文字どおりWindows Mediaファイル形式の出力を行うための機能。こちらはダイヤルアップでのストリーミングビデオを想定した28.8kbpsから、高品質な映像の保存を考慮した2Mbpsまで、幅広いビットレートを揃えている。この機能で作成したファイルはWindows Media Player 7さえあれば再生可能なので、Windowsユーザーに動画を配布したい場合には、この機能が便利だ。
最後の「Advanced RealMedia Export」は、RealMediaファイルへの出力を行う機能。Webサーバにアップロードするビデオを作成したいような場合に役立つ。
このとおりメジャーなビデオフォーマットはサポートしているが、MPEG2の出力については今回もまた見送られた。つまり、MPEG2の出力はサードパーティのプラグイン頼みとなる。MPEG2の出力を標準でサポートすれば、より多くのユーザーが利用できるようになるだけに、なんとも惜しいポイントだ。
価格はオープンプライス。アドビシステムズの運営するショッピングサイト「アドビストア」では、6万9500円で販売している。旧バージョンユーザーは1万9500円で、ビデオキャプチャカードなどに付属する機能限定版「Premiere LE」のユーザーは2万5000円でアップグレード可能だ。
今回のバージョンアップではインターフェイスの派手な変更こそないものの、DVサポートや各種ツールの強化など、従来弱かったところをうまくフォローし、完成度をさらに高めている。細かく確認していけば、従来のバージョンから継続採用されたビデオフィルタの一部に相変わらず難があったりと粗い部分も確かにまだあるが、それは重箱の隅をつつくようなレベルの話だ。PCベースのビデオ編集ソフトとしては、間違いなくトップクラスの機能と性能を誇っている。まさにビデオ編集ソフトの決定版、というべきツールだ。
Adobe Premiere 6.0 日本語版の主なスペック
| 製品名 |
Adobe Premiere 6.0 日本語版 |
| 価格 |
オープンプライス 6万9500円(アドビストア価格) |
| 発売元 |
アドビシステムズ(株) |
| 連絡先 |
03-5350-0407 |
| URL |
http://www.adobe.co.jp/ |
| 対応OS |
Windows 98/Me/NT 4.0+SP6/2000 Mac OS 9.0.4 |
| CPU |
PentiumII-300MHz以上を推奨 PowerPC-300MHz以上を推奨 |
| メモリ |
128MB以上を推奨 128MB以上を推奨 |
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(伊藤裕也)
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