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つまり、Just ArksはWin32環境(Windows Me/98や2000など)に加えてSolarisやLinuxといったUNIX系OSなど、原理的にはJREのある環境ならどんなOSでも動作できる。もっとも、現在JREが提供されているのはWin32版とLinux(インテルx86 CPU対応)、Solaris(SPARCおよびx86 CPU対応)だけなので、Just Arksの動作が確認されている環境は2001年10月中旬現在で以下のようになっている。
上記以外の環境、たとえばIntel版SolarisやLinuxのほかのディストリビューションについては、ユーザー各自の責任で使うことになる。Macintoshと、UNIXの一方の雄であるFreeBSDについては、JREが今のところ提供されていないため動作対象外となるが、FreeBSDでは、インターネット上でユーザーから一太郎Ark(製品版)の動作報告が上がっているので、Just Arksも動作する可能性はある。
試用版であるため厳密なスピード検証はできないものの、一太郎ArkやCalcArkを実際に使ってみたところでは、同じPC(PentiumIII-933MHz+Windows 2000)でのほかのオフィスソフトの動作と比べて、少なくとも同等かやや軽いという感覚で使用できた。PrezArkは、図版やページ数の多いファイルを読み込むと操作の実行に若干タイムラグが生じるが、これは製品版では改善されるだろう。起動時間も、JRE環境→各アプリという2段階で起動しているわりにはストレスを感じなかった。 一方、アプリ本体がそれぞれ1〜2MB弱、必要に応じて読み込まれるプラグイン(後述)も各数KB〜1MB程度と、最近のアプリとしてはきわめて軽量であるにもかかわらず、JREを一緒に起動することでメモリをド〜ンと大量消費するので、ほかのオフィスソフトのように複数のアプリを同時起動して使う場合は、256MB以上に増設しておくほうが安心だ(複数起動時の最低必要メモリは128MBとされている)。
XHTML形式での保存と
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CalcArkとPrezArkのXHTML形式での保存ダイアログ。外部からリンクしている画像については、埋め込み型で保存(画像ファイルを一緒に保存)するかしないかを選択できる。 |
XHTML(The eXtensible HyperText Markup Language)というのは、現在のHTML 4をベースに、XMLに適合させるための改訂を行った規格だ。大ざっぱに言ってしまえば、わりとアバウトだったHTMLのタグ規則が、ちょっと厳密で理屈っぽく変更されている。一太郎Ark発売の翌月、2000年1月にW3Cの「Recommendation」(勧告)となり、2001年10月に「第2版」のドラフトが出たばかりだ。
では、XHTMLを使うメリットは何か? というと、以下のような点が挙げられる。
PrezArkのXHTML形式のデータを一太郎Arkから「テキスト」として開いてみた。冒頭にXHTML 1.0の宣言がある。<style>タグでは見出し、箇条書き、本文といったレベル別に文字の位置や大きさ、フォントファミリーの指定が記述されている。 |
CalcArkとPrezArkのプラグイン設定。Webからダウンロードしたり、ユーザーが作成したプラグインを組み込めば、アプリそのものの機能を拡張できる。 |
| 共通 | XHTML 1.0ファイルの読み・書き テキストファイルの読み・書き |
|---|---|
| CalcArk |
Microsoft Excel 5.0/95/97/2000/2002ファイルの読み・書き CSVファイルの読み、書き (以下、後日公開予定) 三四郎8〜9ファイルの読み込み Lotus1-2-3ファイルの読み込み |
| PrezArk |
テキストファイルの構造化分析(後述)読み込み HTMLファイルの構造化分析読み込み HTML4.01ファイルの書き出し JAR形式(後述)の読み・書き Microsoft PowerPointファイルの読み込み |
| 一太郎Ark |
一太郎Ver.5〜10ファイルのテキストと一部書式の抽出 Microsoft Word 6.0/95/97/98/2000およびRTFファイルのテキストと一部書式の抽出 HTML 4.0ファイルの読み・書き Zip圧縮されたテキスト、HTMLファイルの読み・書き ZipまたはGZip圧縮された一太郎8〜10ファイルのテキストと一部書式の抽出 GZip圧縮されたテキストの読み・書き (以下、Webからダウンロード可能) 一太郎Ver.5〜10ファイルのテキストと一部書式を抽出(標準添付のプラグインより精度が高い) 一太郎Ver.3、Ver.4ファイルのテキストと一部書式を抽出 HTML 3.2ファイルの読み・書き |
中には書式を完全には再現できないものや、テキストの抽出だけできる形式があるのは残念だ。特に多くの人が使っているMicrosoft Office系の文書については、できるだけ(本家Microsoftのコンバータ並みに)正確な読み込みを可能にしてほしい。なお、LANやインターネット上のURLを指定し、HTTPやFTPでファイルを直接各アプリに読み込むこともできる。
CalcArk。Excelと同様、1ファイル中に複数のシートを作成できるし、右クリックによるコンテキストメニューも使える。 |
もちろん、セル書式のコピーや行列サイズの最適化といった表編集、あるいは関数、グラフ作成など表計算ソフトで頻繁に使う基本機能はしっかり押さえてある。関数は数学、文字列操作、日付/時刻から財務、統計、エンジニアリングまで約160種類が標準プラグインとして利用できる。新たなプラグインの形でユーザー定義関数を追加することも可能だ。
| 数学/三角 | ABS、ACOS、ACOSH、ASIN、ASINH、ATAN、ATAN2、ATANH、CEILING、COMBIN、COS、COSH、DEGREES、EVEN、EXP、FACT、FACTDOUBLE、FLOOR、GCD、INT、LCM、LN、LOG、LOG10、MOD、MROUND、MULTINOMIAL、ODD、PI、POWER、PRODUCT、QUOTIENT、RADIANS、RAND、RANDBETWEEN、ROUND、ROUNDDOWN、ROUNDUP、SIGN、SIN、SINH、SQRT、SQRTPI、SUBTOTAL、SUM、SUMPRODUCT、SUMSQ、SUMX2MY2、SUMX2PY2、SUMXMY2、TAN、TANH、TRUNC |
|---|---|
| 文字列操作 | CHAR、CLEAN、CODE、CONCATENATE、DOLLAR、EXACT、FIND、FIXED、LEFT、LEN、LOWER、MID、PROPER、REPLACE、REPT、RIGHT、SUBSTITUTE、T、TRIM、UPPER、VALUE、YEN |
| 日付/時刻 | DATE、DATEDIF、DATEVALUE、DAY、HOUR、MINUTE、MONTH、NOW、SECOND、TIME、TIMEVALUE、TODAY、WEEKDAY、YEAR 情報 COUNTBLANK、ERRORTYPE、ISBLANK、ISERR、ISERROR、ISEVEN、ISLOGICAL、ISNA、ISNONTEXT、ISNUMBER、ISODD、ISREF、ISTEXT、N、NA、TYPE |
| 論理 | AND、IF、NOT、OR |
| 検索/行列 | ADDRESS、CHOOSE、COLUMN、COLUMNS、HLOOKUP、INDEX、INDIRECT、LOOKUP、OFFSET、ROW、ROWS、VLOOKUP |
| 財務 | DB、DDB、FV、IPMT、IRR、MIRR、NPER、NPV、PMT、PPMT、PV、SLN、SYD |
| 統計 | AVERAGE、AVERAGEA、COUNT、COUNTA、MAX、MAXA、MIN、MINA、RANK、STDEV、STDEVA、STDEVP、STDEVPA、VAR、VARA、VARP、VARPA |
| エンジニアリング | BIN2DEC、BIN2HEX、BIN2OCT、DEC2BIN、DEC2HEX、DEC2OCT、DELTA、GESTEP、HEX2BIN、HEX2DEC、HEX2OCT、OCT2BIN、OCT2DEC、OCT2HEX |
あいまい検索。「ヴァ行」と「バ行」を同一視した検索などのほか、面白いところでは(「center」と「centre」のような)英語と米語の表記の揺れを含めた検索が設定できる。 |
セル自体の書式設定では、文字(フォント、サイズ、飾り、配置)とセルの表示/非表示などが変えられる。Excelのようなセルの結合ができないので、見積書/請求書など少し込み入ったレイアウトの表を作りたいとき不便なようにも思うが、横(行)方向については複数のセルを選択し、選択したセル全体に対して中央に文字を配置する機能がある。これを使いつつ罫線を消せば、セルを結合して中央に配置するのと同じ表示が一応実現できる。できれば縦(列)方向についても同じ機能がほしかった。
グラフも、Excelのようなステップ(ウィザード)形式で作成できる。棒グラフから複合グラフまで、2Dと3D合わせて13種類のグラフ作成機能もまた、プラグインで組み込まれている。Excelのグラフほど事細かな設定こそできないが、逆に文書にマッチした背景や色の調整程度であればCalcArkのほうが簡単にできる。
作成したグラフをワークシートに貼り付けて表の値とリンクさせたり、再編集できるのもExcelと変わらない。このグラフは、XHTMLファイル中に埋め込んだXML、もしくはJPEG、PNG、BMP画像で保存される。ExcelのグラフはGIF形式で保存できるだけなので(クリップボード経由でコピーはできる)、Webページの素材として使いたい場合に便利な機能だ。
以前書いたゲームレビューのオリジナル原稿テキストを「テキスト文書構造化」で読み込んでみた。もともとタグが付いているHTMLファイルなら、より的確な構造化分析とレベル分け処理ができる。 |
こちらは本サイトに掲載中の同じ原稿(コサックス)。比較してみると面白い。 |
また、プレゼンの論理構築をサポートするための「アウトラインプロセッサ」機能が重視されている。特に「アウトライン表示」モードは、PowerPointよりもレベル表示が直感的で分かりやすく感じられる。ジャストシステムはPrezArkを「アウトラインプロセッサベースのプレゼンソフト」と呼んでいるが、先の日本語解析機能と合わせれば、
パーソナライズドビューのサンプル。同じPrezArkの文書で、日英2つのスライドショーを切り替え可能にしている。 |
パーソナライズドビューのサンプル2。こちらは英語表示。 |
こうして作成したPrezArk文書は、標準のXHTML形式での保存に加えて、Webブラウザでより正確な見栄えを再現する「HTML形式」での出力(PowerPointのHTML出力と似ている)や、Java 2 対応のスライドショー用ビューアと埋め込み画像などを1つのファイルに同梱した「JAR形式」で保存することもできる。JAR形式の文書は、Java 2が動作する環境であればPCにPrezArkがインストールされていなくても、その内容を表示できる。
PowerPointに埋め込まれたベクトル図形は、PrezArkのXHTMLではSVGに変換される。同時にAdobe製のSVGビューアがインストールされるため、IEなどのブラウザでも画像を見ることができる。 |
スライドショー。PowerPointのようにペンも使える。右下がスライドマップ。スライド全体の中で今どの位置にいるかが一目で分かる。 |
一太郎Ark 1.1で、Ark SiteのHTMLページ(+リンクされたCSSファイル)を直接読み込んだところ。一太郎Arkの個々の機能はWeb文書の作成を前提にしたものが多いが、もちろん普通のワープロとして使うことも可能。特に多国語混在の文書作成には強みを発揮する。 |
スタイルシートだけでなく、タグセットそのものもユーザーが独自に定義できる。これはXML仕様に準拠したもので、例えば「住所録」というタグセットで「郵便番号」「住所」「名前」「電話番号」というタグを定義しておけば、一太郎Ark上でそれぞれ書式を指定した状態でこれらの独自タグを利用できる。HTMLやXHTMLの標準タグと違ってタグ自体にそのデータの内容に関わる意味が与えられているため、一太郎Arkで同じタグセットを使って作られた複数の文書から、例えば「住所」「名前」タグを(スクリプトを使って)抽出すれば、名簿の作成や宛名ラベルの作成なども自動的にできるわけだ。
今回は紹介を省いたが、Just Arksの購入者はジャストシステムが提供する「インターネットディスク」を50MB利用することができる。インターネットディスクへの接続ツールのJava対応版「IDisk Tool for Java」は、Web上からダウンロードできる。 |
さらにJust Arksの登録ユーザーは、Java 2環境で動作するフォトレタッチソフト「Aurora」(コードネーム)のTechnology Preview版をダウンロードで入手できる。 |
ただ、ひとつ同社に言わせてもらうなら、Microsoft Officeの環境に近づけようという現状の開発姿勢はいかがなものだろうか。マルチプラットフォームという利点はあるにせよ、WordやExcel、PowerPointのユーザーベースの多さによる「相乗効果」にそうそう付いてはいけないだろう。Wordのライバルとして健闘している「一太郎」を生み育て上げた技術力を生かして、従来のワープロや表計算やプレゼンテーションというカテゴリに収まらない、新しいコンセプトのオフィス向けソフトが作れないものだろうか。ジャストシステムの底力を期待しているのは私だけではないはずだ。
| 製品名 | Just Arks |
|---|---|
| 価格 | 1万5000円(優待価格8000円) |
| 対応OS | Java 2 Runtime Environment Version 1.2.2以降 動作確認済みOS(Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000、LASER5 Linux 6.2/TurboLinux Workstation 日本語版 6.0、SPARC版Solaris 2.6/7/8) |
| 発売元 | (株)ジャストシステム |
| 問い合わせ先 | 03-5412-3939 |
| URL | http://www.justsystem.co.jp/ |
(culi)
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