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ATOK 2006 for Windows 一度使ったら手放せない、定番の日本語入力システムがバージョンアップ
ATOK 2006 for Windows
ジャストシステム
1万1550円(電子辞典セット)
8400円

03-5412-3939/06-6886-9300(インフォメーションセンター)
http://www.justsystem.co.jp/
http://www.atok.com/


2006年3月27日

日本語変換システムの重要性を再認識しよう

ATOK.com
ATOK 2006の情報が集められたジャストシステムのウェブサイト。旧バージョンからどの機能が強化されたかも分かる。

 漢字の誤変換は、よく笑い話になるが、いざ仕事で文書を書こうと思ったときに誤変換を連発されたら、やる気も吹き飛んでしまうだろう。

 「慣れれば、多少の不自由さはがまんできる」と言う人もいるが、誤変換を訂正する時間はバカにならないし、思考の妨げにもなる。快適な入力環境を体験したあとで、もとの不自由な環境に戻りたいと考える人はいないはずだ。良好な操作感の尺度は人それぞれだが、本当に効率よく仕事を進めたいのなら、CPUやメモリーを強化するより「日本語入力システムにお金をかけるべきである」というのが筆者の持論である。

 ジャストシステムの“ATOK”は、パソコンで文章を書く人に根強く支持されている日本語入力システムだ。約20年の歴史を持ち、今回で19回目のバージョンアップとなる。ATOKの最大のセールスポイントが“精度の高い変換エンジン”であることに変わりはないが、ここ数年のアップデートで重視されているのは“入力支援”の部分である。類義語を提示してくれる“連想変換”や言葉の意味を調べられる“電子辞典連携”などが追加され、文章表現の幅を広げられるようになった。スピーディーでストレスのない日本語入力が可能になるのはもちろんのこと、実際に書き上げる文章の質や内容までアシストしてくれる“優れもの”。それがATOKなのである。



“ATOK 2006”特別企画
ATOK 2006の開発者インタビューや、ライター・ヤシマ氏のユーザーレポートを紹介した“ATOK 2006”特別企画を掲載中。写真をクリックすると当該ページに移動します。

 最新バージョンの「ATOK 2006 for Windows」では“文脈処理”の強化や最新時事用語の追加などにより、より正確な変換が可能になった。また、省略語や人名の入力に便利な“訂正学習機能”、単語の一部を入力しただけで変換候補を表示する“推測変換”の強化、日付の入力や西暦/和暦の変換を簡単に行なえる“日付入力支援機能”といった新機能も追加されている。新たに64bit版のWindows XPに対応したほか、Internet Explorer上でもATOKの電子辞典検索を利用できるようになっている。





“文脈を読む”日本語変換

文脈処理
ATOK 2006では文脈を把握した変換が可能。

 前後のつながりから、最適な変換候補を表示する文脈処理はここ数年のバージョンアップで重点的に強化されてきたポイントのひとつである。誤変換の3大要素としては、“未登録語”“文節区切りの間違い”“同音異義語の選択間違い”が挙げられるそうだが、文脈処理は適切な同音異義語を選択にする際に大きな武器となる。

 一般的な日本語変換システムでは、同音異義語の変換時に、ユーザーが最後に確定した語句や、確定される頻度の高い語句を手がかりとする場合が多い。ATOKでは、こういったユーザーの確定頻度と係り受けなど文法的な制約による絞り込みに加え、同じ段落や文章中で同時に出現しやすい語句のデータベースを利用した変換も行なっている。

 アルゴリズムの具体的な改良点に関しては公開されていないが、このデータベースがさらに強化されたという。これにより、例えばブログに関する文章の直後では“投稿”、学校を含む文章の直後では“登校”といった具合に、適切な同音異義語が選択できるようになっている。ユーザーが直前の文章でどんな分野の語句を入力したかを把握し、その分野に関連性が高い語句を選択していくため、長い文を一気に変換するときだけでなく、すでに入力を確定している文章のあとで漢字変換をする際にも有効だ。文章を短く区切って入力する人、長く入力して変換する人、日本語変換のスタイルは人それぞれだが、そのどちらにも効果があるのは嬉しい。





略語や人名を効果的に学習できる
訂正学習機能

 前バージョンのATOK 2005では、ユーザーの訂正操作を学習して自動的に辞書を強化していく“訂正学習機能”が追加された。日本語入力時にタイプミスはつきものだが、こういったミスはユーザーのくせから生じる場合が多く、何度も繰り返し生じてしまうことが多い点から考え出された機能である。

 ATOK 2006では、この訂正学習機能をさらに進化させ、省略語や人名を快適に入力する機能に応用している。

訂正学習機能
訂正学習機能を利用した略語の登録。

 「台割」(だいわり)のような業界用語、「営企」(えいき、営業企画)のような略語は、標準ではATOKの辞書に登録されていない単語であるため、これまでは「営業」「企画」などと2つの熟語を入力し、「業」と「画」の字を削除。必要に応じて「営企」を「えいき」という読みで単語登録する必要があった。一方、ATOK 2006では、あらためて単語登録しなおすことは無用だ。もともと入力したかった単語の読みと、後から個別に入力した文字の読みに“関連性”が必要であるなど、発生させるための条件があるが、多くの場合、前述の単語登録の手間なしに、一度修正操作を行なえば、自然に人名や略語を学習させられる。



訂正学習の操作方法の違い

 ATOK 2005から搭載された“訂正学習機能”は、ユーザーの修正動作をATOKが認識し、その修正結果に基づいて辞書を自動的に強化していく機能だが、ATOK 2006では、ユーザーの修正履歴を認識する技術を利用して、略語や人名を簡単に入力できるようにした。ユーザーの操作履歴を参照する点は共通だが、修正する際の手順が若干異なる点と、学習条件にややくせがある点は注意したい。

ATOK 2005に搭載されていた訂正学習機能(ATOK 2006でも有効)

  • 本来「あすきー」(=ASUKI-)と打つべきところを、「あsきー」(=ASKI-)のように間違って変換して確定
  • 間違いを削除
  • 改めて「あすきー」(=ASUKI-)で変換し、正しい結果「アスキー」で確定
  • 次に「あsきー」と入力した際に、ツールチップ上に「アスキー」の文字が表示される
  • Shift+Enterを押すことで「アスキー」と入力できる

ATOK 2006で新たに追加された略語などの登録方法

  • 「えいき」で変換 → 辞書にないため「鋭気」などの結果が出る
  • (確定せずに)ESCキーを押して、変換をキャンセル
  • 「営業」(えいぎょう)で確定して「業」を削除
  • 「企画」(きかく)で確定して「画」を削除
  • ここでATOKが「えいき」と「営企」に類似性があると判断
  • 「えいき」から「営企」に変換できるようにしますか? というツールチップが表示される
  • Shift+Enterを押すことで、「営企」の単語登録が行なえる




入力スピードをアップさせる“支援機能”

 ATOKはバージョンアップごとに少しずつ“補完入力”の機能を充実させてきた。例えば「いつもお世話になっています。」「よろしくお願いします。」といったあいさつ文はビジネスメールで必須の表現だ。2〜3回なら手入力するのもいいだろうが、毎日の忙しい業務の中で、毎回すべての文字を打ち込むのにわずらわしさを感じたことはないだろうか?

推測変換
推測変換。確定頻度が高いため、「いつ」の2文字だけで表示されるようになっている。またTabキーを押すことで、複数の候補を表示することもできる。

 ATOKにはこれらの慣用的な言い回しを先読みして、変換候補をツールチップ上に提示する“推測変換”の機能が用意されている。「いつもお世話になっています。」であれば、「いつもお」の4文字を入力して“Shift+Enter”を押すだけでいい。これはデフォルト時の設定だが、利用頻度が高ければ、「いつ」の2文字だけで済むといった具合に、より少ない文字数で入力できるようになっていく。省入力の候補として提示してくれる語句や文章には、ビジネス用語だけでなく、ことわざや慣用句も含まれている。ユーザーの確定履歴を自動的に学習する機能も含まれているため、使えば使うほど効率よく文章を入力できるようになるのだ。

 推測変換は、あらかじめ登録された定型文やユーザーが過去に入力したフレーズがツールチップ上に表示される機能だが、ATOKにはこれをさらに拡張した“推測候補モード”も装備されている。携帯電話機などに搭載されている“入力支援機能”に近いものと考えればいいだろう。

 推測候補モードには「Ctrl+変換キー」で入ることが可能。文字を入力すると前方一致で、ATOKの確定履歴や省入力データに登録されている単語が一覧表示されるので、キーボードに不慣れな人でも快適に文字を入力できるようになる。

推測変換
推測変換モード。文章や単語の頭の数文字を入力すると、ATOKの確定履歴や省入力データから前方一致で対応する単語が選ばれる。

 パソコンで文章を入力するのは、どんな達人にとっても手間がかかるものだ。どんなに速くタイピングできるようになっても、打つ文字の数が多ければ、それだけ入力に時間がかかるのは当然である。UNIXのコマンドも、よく使うものほど“pwd”(Print Working Directory)や“cd”(Change Directory)のように、単語のイニシャルを取った極力短いものになっている。ユーザー辞書を鍛えれば、少ない打鍵数で定型文を入力できるようになるが、単語登録は地道で面倒な作業でもある。単語登録のわずらわしさを感じずに使える点は、他社のソフトにはないATOKならではの特徴と言えるのではないだろうか。



単なる変換から、文章の表現力を広げる道具に進化

 ここまで見てきた機能は、主に入力を手助けするためのものだが、最近のATOKには“入力補完”や“単語の自動登録”だけではなく、文章の表現力を広げるための機能が追加されている。そのひとつが電子辞典との連携機能だ。

明鏡国語辞典
電子辞典セットに付属する明鏡国語辞典で語句の意味を調べたところ。

 ATOK 2006には「明鏡国語辞典」「ジーニアス英和辞典」「ジーニアス和英辞典」の3つの電子辞典をバンドルした「ATOK 2006 [電子辞典セット]」というパッケージが用意されているほか、「広辞苑」や「知恵蔵」といった専用のATOK連携電子辞典も単体販売されている。電子辞典を追加することで、意味を表示でき、詳しい用法なども調べられるようになる。

 連携辞典の使い方は非常にシンプルで、入力している言葉の意味を調べたくなったときに“End”キーを押すだけでいい(ATOK標準設定の場合)。日本語にうるさい人に提出する文章であっても、十分に文章を練ることができるはずだ。

ジーニアス英和/和英辞典
ジーニアス英和/和英辞典には豊富な図版が用意されている。また、ネイティブスピーカーが発音した音声データも収録されており、正確な発音を習得できる。

 また、ジーニアス英和/和英辞典では、語句や用法だけでなく、挿絵を見たり、ネイティブスピーカーの発音を確認することもできる。表示された内容はマウス操作でコピーすることもできるので、電子辞典に掲載されている例文をそのまま入力中の文章に貼り付けて使える。

 電子辞典との連携機能はATOK 2005も持っていた機能だが、ATOK 2006ではATOKで入力/変換した文字列以外にも、Office連携ツールをセットアップすることで、Internet Explorer上で表示されている単語の辞典検索が可能になっている。加えて、ユーザーが連携辞典の切り替えを行なわなくとも“自動辞典切替”できる機能(複数の電子辞典を対象に、まとめて見出し語検索できる機能)も追加されている。

 これらの機能は、専用の電子辞典ソフトでも実現できるものだが、辞書ソフト用のビューアーをインストールしたり、辞書を引くためにいちいち別のアプリケーションを起動する手間なしに「文章入力の過程で、気軽に言葉の意味を確認したい」という人も多いだろう。動作も軽快で、漢字変換と同じ気軽さで電子辞典が閲覧できるのも特徴だ。ATOKといえば日本語入力というイメージがあるが、実際の使用環境を考えると日本語以外の辞書も参照したいというニーズは多いだろう。特に、仕事で英文を書かなければならないビジネスマンや、論文を英語で書かなくてはならない学生などが重宝する機能ではないだろうか。

連想変換
Ctrl+Tabで呼び出せる“連想変換”。

 また、従来のバージョンからATOKに搭載されている“連想変換機能”も見逃せない。これは、ある文脈の中で「知る」という意味の言葉を入れたいのだが、ぴったりはまる表現が思いつかない、そういうときに役立つ機能だ。使い方は簡単で、漢字変換を行ない、確定する前にCtrl+Tabを押すだけだ。プルダウンで類義語一覧が出てくる。このときそれぞれの言葉の詳しい意味やニュアンスの説明も表示されるので、吟味して選ぶことができる。英語圏では文章を書くときに“シソーラス”という類義語辞典を使うのが一般的というが、ATOKの連想変換機能はシソーラスに相当する便利さを提供してくれる。

 語彙の少なさや、文章表現のマンネリ化を感じたことがあるなら、迷わず使ってほしい機能である。



小粒でピリリと辛い、ATOKならではの機能

 細かい機能となるが、新機能の“日付入力支援”もなかなか便利だ。「きょう」と入力して変換すると、今日の日付が変換候補の中に出てくる。書類の中で西暦ではなく年号で記述しなくてはならないが、「今日が平成何年の何日だったかとっさに思い出せない」といったケースは意外に多いものだ。そんなとき、西暦と和暦を相互に変換する機能は重宝する。

日付入力支援
日付入力支援。「きょう」「きのう」「ひづけ」などの言葉で変換できるほか、西暦と和暦の相互変換も可能だ。

 バージョンアップのたびに、必ず最新情報を反映させている、地名や組織名の“名称変更アシスト”機能ももちろん健在だ。これは、合併した市町村や官公庁を、最新の名称に直してくれる機能で、普通に使っているぶんにはそれほど便利さを意識しないかもしれないが、地名を入力する機会が多い仕事に携わる人には重宝する機能だろう。

名称変更アシスト
名称変更アシスト。合併や名称変更の行なわれた市町村や官公庁の名称なども現在の名称に変換してくれる。

 2002年発売のATOK15以来、対応地域を増やしてきた“話し言葉モード”の方言対応も、ついに全国対応となった。“話し言葉関西モード”“北海道東北モード”“九州モード”“中部北陸モード”“中国四国モード”に加え、主に北関東の方言に対応した“関東モード”が追加されている。話し言葉モードの切り替えは、ATOKパレットの「般」ボタン(デフォルト設定の一般モード)をクリックすることで行なえ、文語を含む全国8地域の話し言葉を選ぶことができる。話し言葉モードでは、「行かへん(関西)」「行こまい(北陸)」「行くたい(九州)」のように、各地の話し言葉の特徴を残した変換ができるようになる。

方言入力モード
話し言葉モードの切り替え画面。

 すぐには気づかないかもしれないが、最新の時事用語やトレンド用語を常にフォローしているのも、ATOKの楽しい特徴だ。試しに自分の好きなアイドルの名前などを入力してみると、思わず「なんと、こんな単語も正しく変換できるのか!」と驚くはずである。

 日本語を入力するという作業は、パソコンを使う人ならば誰もが避けられないものだ。しかし、誤変換への慣れや、タイピング速度の向上は必ずしも必須ではない。ATOK 2006は、変換候補を順繰りに探すぐらいなら、その労力を別のところ――特に文章全体の推敲にこそつぎ込みたい、そう考える人のためのソフトだ。特に、避けられないものと思っていた日本語入力の煩わしさから解放してくれる“訂正学習”や“推測変換”、文章の質を高められる“電子辞典連携”などは、一度使ったら離れられなくなる機能ではないか。

ATOK 2006 for Windowsの主なスペック
製品名 ATOK 2006 for Windows
OS Windows 98/Me/2000(SP4以上)/XP/XP Professional x64 Edition
CPU/メモリー 使用しているOSが推奨する環境に準ずる
HDD 130MB以上



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